スペイン母子家庭生活奮闘記☆毎日ドキドキ@マドリッド

夫の仕事でマドリッドにお引越ししたものの、諸事情によりスペイン内別居生活。
母は毎日がんばるよ!

モーロ人って誰?

2007年08月20日 | おすすめ~な観光名所

リスボンから西へ30km、夏の避暑地として王侯貴族に愛されてきたシントラ(Sintra)という小さな町がある。
その昔、詩人バイロンに「エデンの園」とうたわれたという。
世界遺産の「自然と文化遺産」に登録されているとあっては、こりゃ行かねばなるまい、と出かけてみた。



不思議な町だった。
朝の雨がそう思わせたのかもしれない。
山あいに王宮や貴族のお屋敷が建ち、山の頂上には、一瞬「万里の長城か!?」とビックリするような「モーロ人の城壁」がそびえる。
その城壁が霧につつまれてモヤモヤ~とかすんで、いかにもオソロシげな雰囲気。
雨が降ってたんじゃちょっと山道はムリか・・・と思いきや、みるみるうちにすっきり晴れてきた。
・・・高いところは嫌いじゃない。
やっぱ登るしかない、あの城壁に。





標高わずか450m。
しかも城壁の始まり部分まで車で行ったのにもかかわらず、石段の険しさにヒィヒィ言いながら登る。
かなりな強風に吹き飛ばされそうで、まるで這うようにして一歩一歩登ってゆく。

息子は高いところが恐い。
「身内が高いところにいるのを見る」のも恐い。
いやがるものを、無理やり連れてきたが、この強い風である。
はじめのうちは壁にはりつくようにして、ギャーギャー騒ぎながらヨロヨロとついてきていたが、途中で恐怖のあまり気でも狂ったか、ものすごい勢いで登り始めた。
その姿はあっというまに彼方に消えた。

待ちくたびれたゼ、的な余裕を見せ、一番高いところで私たちを迎える彼。
やはり若いから。
なんと一番ビリでヨレヨレだったのはこの私である。



ところで今さらな疑問だけど、モーロ人って何もの?
調べてみると、モーロ人(ムーア人)とは8世紀初め以降イベリア半島に侵入した北アフリカのイスラム教徒のことだそうだ。
この城壁もその頃に築かれたものらしい。
多分世界史をちゃんと勉強していればなんてことのない問題だったのだ。
お恥ずかしい。



川と、橋と、イワシ

2007年08月19日 | おすすめ~な観光名所

ポルトガルは、なんだか忘れられがちな国だと思う。
フランスやスペインやイタリアに比べてちょっと影が薄いという感じが否めない。
友人があまりにも「ポルトガル、よかったよぉ~。」と言うので、勢いで今年の夏休みの旅行先に決めてみたが、正直あまり期待はしていなかった。
ところがどっこい!
よかったのだ、とっても。



今回訪れたのは、リスボンとポルト。
何がよかったって、うまく言えないが、日本人の心の奥底にあるハープが、ポルトガルの海風でヴォロロロン♪と思いがけず美しい旋律を奏でてしまった、みたいな。
ぬぁんて。
でもなんとなく、郷愁のようなものがくぅーーーと心に沁みてくる。

その大きな理由の一つとして、ニオイが挙げられる。
海沿いの町を歩いていると、どこからか必ず懐かしいニオイが漂ってくる。
これは!焼き魚だ。



ポルトガルではイワシの炭火焼が名物料理の一つだ。
クンクン、このニオイはいったい何処から?
つられて入ったのは、定食屋・・・じゃなくてオープンテラスのちょっといい感じのタベルナ。

ここでポイントその2。
ポルトガルのいいとこは、カフェやタベルナが洒落すぎていないところだ。
適当にゆるくて素朴なので、気後れせずリラックスできる。
あんまりお洒落なとこは実はちょっと緊張してしまう田舎者の私にはなんともうれしい。

さて、イワシイワシ。
ホントは白い炊きたてご飯としょうゆが欲しいとこなんだけど、なくても全然かまわない。
塩加減が絶妙だし焼き加減も絶妙だ。
これはうまい!!





リスボンもポルトも、川沿いの町である。
ゆるやかに大西洋に流れ込まんとしている下流の町。
大きな橋がいくつもその川をまたいでいる。
リスボンはテージョ川、ポルトはドゥエロ川、川をはさんだ両岸が丘陵地帯になっているので、そこにかかる橋から下を見下ろすと、目もくらむような高さである。
結構な急坂の斜面に民家やレストランなどが密集している。
古い建物も多く、屋根や壁がくずれてしまっていたり、ガラスが割れたままになっていたり。
ベランダにハタハタと洗濯物がはためいていて、生活感まる出しなんだけれども、なんだかそんなこんなまるごとひっくるめて、「イイ」のだ。
あのパンツの主の生活ってどんなんだろうと勝手に思いを馳せたりして。





しかしレストランで一緒になった日本人のご夫婦は、窓に洗濯物のかかった古臭い町がお気に召さなかったようだった。
感性はいろいろだ。




カメの手!?

2007年08月18日 | おいしいコト

家族旅行で行ったポルトガルでペルセーベス(percebes エボシ貝)を食べた。
ごらんあれ、このグロテスクな生き物を。

事典によれば、こうである。
エボシ貝とはフジツボ目の甲殻類で、筋肉性の長い柄部を持ち、頭部は5枚の殻で覆われた烏帽子状。
浮き木、杭などに付着する。
その形状から「カメの手」と呼ばれることもある。
食用。

スペインでは北部のガリシア地方が産地で、以前ガリシアを旅行した時に一度だけ食べたことがあるが、なにしろ15年も前のことで、食べ方も味も、定かな記憶がない。
手にとってはみたものの、どこをどうやって食べるんだっけ?と悪戦苦闘。

子供たちにとってはもちろん生まれて初めて見るモノである。
お皿にのったそれが運ばれてきた瞬間、
「なんじゃこりゃあああ!?」
と叫ぶ子ら。
でも次の瞬間には、
「ねーねーこれどうやって食べるの!?」
と、お皿に手をのばす2人。
・・・あんたたち、すごいわ。
こんな奇妙な、しかも未知なる物体を、そんなにもはりきって食べようと思えるなんて。



殻に覆われた三角の頭をつまんで柔らかい柄の部分の皮をむくと、つるんと身が出てくるので、そこをパクッとやるのだ。
食感は、そーだな、トリガイのようだった。
柔らかいのに結構根性がある感じ。
うん、おいしい。
皮をむくときに中の汁が水鉄砲のようにぴゅーーっと飛んで服にかかるのが危険だけど。

どんどん手がのびてあっというまに完食。
ペルセーベス初体験は印象的だったようで、娘は宿題の絵日記に、食べ方の解説つきで感想を述べていた。
スペインでは高級品のペルセーベスもポルトガルでは少し安く食べられた気がする。