肉眼では見ることのできない光景を追求しています。






2012年5月末から6月はじめにクロスロードギャラリーで開催した、「ギャラリー企画/初夏のおすすめ作家2人展」のパンフレットに掲載されたオーナーの篠原氏による紹介文の部分を以前、画像でアップしましたがちょっと読みにくいので、篠原氏のご許可を頂いて、私に関する記述を改めてテキストとして掲載することにいたしました。



クロスロードギャラリーの新企画として、近年興味深い仕事をする新進の写真家を2名づつ選出し紹介するシリーズをスタート致します。第一回は大木靖子とsudiの二人です。大木靖子はピンホールカメラを使い、人間の眼では観る事の出来ない世界を観ようとする試みを続けています。グラスの飲料にカメラを密着させるようにして撮影した「グラスのなか」というシリーズは、グラスの形、飲み物の種類、氷の形などの素材越しに、不規則に変形した外の風景を描き出した仕事です。今回展示する新しいシリーズでは道ばたや公園などに落ちている植物の葉や花びらをピンホールに密着させ、素材から透けて入り込んでくる光を写した作品です。その世界は、まぶた越しに陽の光を透かして感じた時にも似た、抽象的でありながら生命感あふれるイメージが現れます。
(中略)
外から入ってくる光をカメラという小さな箱に出来るだけ取り込もうとする大木と、黒く深い陰に光が吸い込まれていうような光景を切り取るsudiはとても対照的な仕事ですが、どちらの作品も光に対する豊かな感受性が持ち味の作家だと思います。画面の前に立ち、ゆっくりと見渡しておりますと、不思議な静けさと共に穏やかな気持ちになります。この機会にごゆっくり、それぞれの作品世界をお楽しみください。
篠原俊之(Roonee247photography/CROSSROADGALLERY)


「光に対する豊かな感受性が持ち味」との言葉で思い出すのは、高校の修学旅行で初めて広島に行ったときのことです。新幹線から降り立って感じたのは、自分の住んでいた東京西部とは異なる、明るい光の色合いでした。しきりと「光の色が違う」とつぶやいて、友達に「さっきからそればっかり!」と笑われるぐらい、強い印象を受けました。
その時の経験が今につながっているのでしょう。

これからも、身近なものに潜む不思議で美しい光景を追い求めていきます。
みなさま、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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