さくらんひめ東文章

指折って駄句をひねって夜が明けて

白洲正子と細川護立 ~最後の目利きから学んだもの~

2009年09月09日 | アート♪
永青文庫理事長でいらしゃる細川護煕氏は子どもの頃、
当時大変モダンな装いの白洲正子さんのことを
弟さんと「魔法使いのおばさん」と呼んでいたそうだ(笑)

そして後年は年上のよきガールフレンドという存在だったと♪

涼やかな木立に囲まれ、静寂な佇まいの永青文庫。

3階の展示室に入ると、重要美術品の三彩馬が迎えてくれる。

「あるは黄にあるは緑に清らなる鞍にふさへし青毛黒駒」

目をみはる中国古美術品それぞれに白洲正子さんの歌がそえられていた♪

美しい唐美人を模った「三彩女子俑」

「ただうつら唐の夢みてある如し肩にたゆたふ藍もみどりも」

きっとこれらの美術品を白洲正子さんは飽かずながめていらしたのだろう。

そんな情景が目に浮かんだ。

「均窯の肌へさながら茜雲つゆの晴れまの大空をゆく」

中国・新時代・康煕期につくられた「桃花紅合子」

景徳鎮の郎窯系の合子だそうで
淡紅色の釉の窯変が大変美しく、そこにうっすらと緑がかかっている♪

以前に読んだ「利休にたずねよ」の中に出てくる
高麗の女人から利休のもとに伝わったあの香合とは
こんな風情のものだったのでは?

「そうだ!きっとそうだ!
山本兼一氏はきっとこの『桃花紅合子』を観てイメージしたにちがいない!」

私は勝手にそんな想像にふけった(笑)