11月27日の土曜日、43年ぶりに映画館で『その人は昔』を観ることができました。もう観ることはできないかと思っていたので、本当にうれしかったです。
舟木一夫さんのファンであり、レコードも集めていたので、最初はレコードの『その人は昔』でした。昭和41年(1966年)11月の発売です。
アルバム『こころのステレオ その人は昔-東京の空の下で』 第21回芸術祭参加作品 ALS-5035 日本コロンビア 作・松山善三 音楽・船村徹 歌唱・舟木一夫
昭和41年の舟木一夫さんは8月にシングル「絶唱」を発売、9月17日には日活映画『絶唱』が封切られています。まさに絶頂期ですね。
このアルバム『その人は昔』は30ページの写真と詩で構成された物語で、その詩を舟木一夫さんの歌で綴っていきます。
映画『その人は昔』は、翌年の昭和42年(1967年)7月1日の封切りです。共演が内藤洋子さんであることを知った時は、何となくレコードのイメージと違うという感じでしたが、映画館で『その人は昔』を見終わった時は、すっかり内藤洋子さんの虜になっていました。
特に「雨の日には」を歌う内藤洋子さんの姿は忘れられません。ピンクのパラソルを持って病院の屋上でこの歌を歌う内藤洋子さん。風になびく黒髪と真っ白な包帯、それにピンクのパラソルが一つに溶け合って、記憶に焼き付いています。このシーンをもう一度観たいと、長い間願っていました。
映画の封切りにあわせ、2枚のシングルレコードが発売されました。
舟木一夫さんの歌う主題歌「心こめて愛する人へ/じっとしてると恋しい」と内藤洋子さんの歌う挿入歌「白馬のルンナ/雨の日には」です。
昭和42年(1967年)7月 日本コロンビア SAS-913
松山善三 作詩 船村徹 作曲
「じっとしてると恋しい」は特に好きな曲です。YouTubeにアップしていただいている「じっとしてると恋しい」です。
「じっとしてると恋しい」
昭和42年(1967年)7月 日本コロンビア SAS-939
松山善三 作詩 船村徹 作曲
「白馬のルンナ」はオールナイトニッポンで、斉藤安弘さんが1曲目によくかけていましたね。「雨の日には」は今もいちばん好きな曲の一つなので、また別に述べたいと思います。
昭和57年頃からでしょうか、「廃盤ブーム」がありましたね。「真夏の出来事」などとともに内藤洋子さんの「白馬のルンナ」もその中心となりました。そこからシングルレコードの復刻盤が各社から発売されました。
私はシングルレコードが好きだったので、できるだけ購入しました。ザ・ピーナッツ、伊東ゆかり、クレイジー・キャッツ、小林旭など、オリジナルのシングルを持っている麻丘めぐみさんなども購入しました。
コロンビアからはシングル3枚組で発売されました。内藤洋子さんの「白馬のルンナ」、酒井和歌子/江夏圭介さんの「大都会の恋人たち」が入っていました。そして、もう一枚のシングルレコード。
内藤洋子・舟木一夫「恋のホロッポ/今度の日曜日」です。復刻盤?このレコードはまったく記憶にありません。当時もいろいろ調べたのですがわかりませんでした。レコード番号からみても、この時が初めての発売だったのですね。とんでもない掘り出し物でした。この発売は本当にうれしかったです。
昭和58年(11983年)5月 日本コロンビア AK-804
松山善三 作詩 船村徹 作曲
YouTubeにアップしていただいている「恋のホロッポ」です。
「恋のホロッポ」
昭和63年(1988年)にはアルバム「その人は昔」がCD化されました。写真は掲載されず歌詞だけですが、それでもCD化は大歓迎でした。
昭和63年(1988年)11月21日 日本コロンビア 28CA-2684
そして平成9年(1997年)3月30日、ビデオ『その人は昔』が発売になりました。飛び上がって喜び、秋葉原まで買いに行ったのを覚えています。
このビデオによって、懐かしいシーンも観ることができるようになりました。昔映画館で観た時とは少し印象の違う場面もありました。特に「雨の日には」を歌うシーンはビデオでは少し物足りない感じでした。
長い年月の中で、想いだけが膨らみすぎたのかとも考えていたのですが、今回の上映を観て、昔と同じ感動を味わいました。また機会があれば何度でも観に行きたいです。
そして、ぜひDVDかブルーレイで発売していただきたいですね。