不明天時枉用功 天時を明らかにならずば用功(ようこう)も枉(まが)る
遵守眞性道能行 眞性(しんしょう)を遵守(じゅんしゅ)して道を能く行う
佛法無辺済善信 佛法は無辺にして善信を済(たす)ける
規章判定上天評 規章(きしょう)を判定せば上天も評す
解:
天道をこの世に降すも、収めるも皆天命による天運があるので、この天時を明白に知って修行しなければ、折角の修行も骨折り損になります。
このよき期(とき)に眞性(しんしょう)をしっかりと遵守して修道に務めるのです。
佛法は辺(かぎ)りなく、学ばねばならない。
それ故に佛規はこの度、十五條になっていますが、これは修行に於ける昇降の鍵です。
(十五條の佛規は別に詳しく説明しましょう)
凡(あら)ゆる物事には皆一定の準則があるのです。
空飛ぶ飛行機にも、海行く船にも航路があるのです。
もしこの航路に循(した)わないならば、交通事故を発生するでしょう。
また航路にもとづけば目的地に到達できるのです。
道は万物万類の主催者である。
至尊至貴(しそんしき)の、皇〇さまが、修道者十五條の佛規を定め、この佛規に循(した)えば浄土に還(かえ)られる、修行中に於いて佛規を保守すれば、左道旁門(さどうぼうもん)に惑わされる事もないのです。
また浩(おお)きな災難が醸しつある今日、天道を普渡して世の衆生を丞(たす)けるには、先に修行の方針となるこの佛規を明白にし、これを遵奉(じゅんぽう)しなければ、絶対に聖賢の関所を通過することが出来ないのです。
茲(ここ)に十五條の佛規を挙(あげ)て参考として、説明は別に研究しましょう。
一、尊敬仙仏:仙佛を尊敬す=大事なことは自性佛の尊敬。
二、尊前提後:前人を尊(たっと)び、後輩を堤抜(ていばつ)す。
三、斎荘中正:斎荘中正(さいそうちゅうせい)=斎は斎戒(さいかい)、荘は荘厳(そうごん)、荘敬(そうけい)の意。
四、循規踏矩:規に循(したが)い矩(のり)を踏む=規はコンパス、矩は金尺(かねざし)。
五、責任負起:責任を負(にな)い起こせ。
六、重聖軽凡:聖を重んじ凡を軽んず=聖は聖業、凡は私事。
七、謙恭和靄:謙恭和靄(けんきょうわあい)=謙遜して和気靄々(わきあいあい)で接する。
八、勿棄聖訓:聖訓を棄(す)てる勿(なか)れ。
九、莫着形相:形相に着(つ)く莫(なか)れ。=(金剛経二十六分に、若し色を以てわれを見、音声(おんしょう)を以てわれを求むるとき、この人は邪道を行ずるもの、如来を見ること能(あた)わざるなり。)
十、手続必清:手続きは必ず清くす。
十一、出告反面:出ずるに告げ、反(かえ)りに面(めん)す。
十二、不乱系統:系統を乱さず。
十三、愛惜公物:公物を愛惜(あいせき)せよ。
十四、活溌應事:活溌(活発)で事に應(おう)ず。
十五、謹言慎行:言(げん)を謹(つつ)しみ、行いを慎(つつ)しめよ。
以上のように十五條だけであるけれど、老前人さまは、若しこの十五條を実行すれば、必ず菩薩に成就できると太鼓判を押して保証しているくらいです。
故に佛規に遵(した)わずでは、どうして修行の成就が出来ましょうか。
続く