誠意正心性自如 誠心正心(せいいせいしん)なれば性(せい)は自如(じじょ)
心主萬化有帰無 心は万化(ばんか)の主(ぬし)で有(ゆう)は無(む)に帰(き)す
抱定宗旨蘊霊啓 宗旨(しゅうし)を抱定(ほうてい)して蘊霊(うんれい)を啓(ひら)き
守道行功私欲除 道を守り功(こう)を行いて私欲を除く
解:人と人の間で一番大事なことは意(い)を誠(真)に、心正しければ、どんな場所でも漸(はじ)る事なく,行動も光明正大(こうみょうせいだい)であるから、性(せい)は自在(じざい)として泰然(たいぜん)であるのです。
心は万物を教化する主であり、あらゆる物は形ある有(ゆう)が、形なき無に帰ります。(色即是空。有無相性の道理)
この道理を納得すれば、世の中での得失に煩(わずら)う事がないのです。
故に真道の宗旨をしっかりと抱いて修行に励むならば、わが蘊霊(たましい)は啓き、是非曲直が明らかになるから、道を遵奉して功徳を積み、我利私欲を除きなさい。と言う詩です。
それで私達は
一、道を得られたその当初の誠心をしっかりと守って、
真理を抱き、人を謗(そし)る言葉に偏(かたよ)ることなく、道に対する信心を失わず、真理を認め、諸々の悪を作す莫(なか)れ。衆(すべ)ての善を奉行(ほうこう)して、精進して惰(おこ)足らず、天に代わりて道理を宣べ、衆生を善に化するのです。
二、易(やす)く犯す過失(あやまち)は
(1)誠心(まごころ)なき:道を求めるまでは真理を知らず、道を求めた後もそれを研究せず、結局は道理が明らかになれないので、ただ一生を空しく過ごして、誓願を行えない。
(2)信心無し:道は真だろうかと疑い、異端を見れば志は遷(うつ)り、人に謗られることや、仲間はずれを畏れ、中途半端で修行から退(ひ)くので、結局は拳拳服膺(けんけんふくよう)できない。
(3)堅き志が缺(か)けている:朝は東に暮れは西、心は波浪(はろう)に蕩(うご)かされて止どまることなし。偶(たま)に見えたと思えば、姿を消し、奇跡の表れるを好喜(よろこび)、形相に執(とら)われての修行で、邪門外道(じゃもんげどう)に入れば、折角の前功も皆台なしとなる。
三、良辰(とき)を惜しんで誓願を了(おわ)れよ・善を択(えら)びて失わず
空談の(くうだん)の立愿(りつがん)は了(おわ)ることができず、まして罪を身に担うを怕(おそ)れず等、目前はその報いに遭(あつ)っていないが、時到れば遅かりし。
歴代の因果故事を信じざれば天網恢恢(てんもうかいかい)踈(そ)にして漏らさず。
輪廻を脱(のが)れず。
続く