かいつぶりの日々

山林関係に強い不動産鑑定士「合同会社鳰不動産鑑定」のブログです
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不動産の鑑定評価・相談・コンサルティング

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【業務】査定書と鑑定評価書(乱文注意)

2018年01月11日 | 日記
業務していたらやたらと「査定書」でいくら?とか、鑑定までいらないけど内部資料なんで「査定」を安く知りたいという話を良く受けます。

実際に『価格調査報告』を発行して対応することとしてます。


建前上は、「査定書」は内部資料向け(現在は価格調査報告書という言葉になっております)、「鑑定評価書」はどこに出しても恥ずかしくない装備の評価書。

鑑定評価の基本的なものでできることは全部やって価格を出しましょうという文言があります(鑑定評価基準)ので、基本は鑑定評価書を発行。

ただ、世の中のニーズも変わり予算や目的が社内の資料しか使わないのであれば価格調査報告書、手続きの一部を省略して問題ないと判断した場合に発行できます。

そのほかの場合は鑑定評価書となります。(裁判所とか銀行とか、その他の利害関係人に影響ある場合は特に)


査定書でええから安く!というお客様に対しては、どういう風に使うかどうかをすごく気にします。

誰に出すのか、これで裁判沙汰にならんかとか、融資断られる可能性があるか、とか…。


そうなると責任問題が発生してきますので、鑑定評価書を発行していただくことをお勧めします。

鑑定評価書のメリットとしては

・どこに出しても恥ずかしくない内容の価格査定根拠⇒裁判所、弁護士の先生、税理士の先生、金融機関、公共機関に通用しますし、未来永劫使えます。
・路線価、公示価格等とどのように違うかはっきりわかります。⇒素人の方に対してもわかりやすく説明していますので、相場が少し変わってるんだなと理解しやすい内容となっております。
・不動産の過去からの経緯、現在、これからを踏まえた価格判断を行っております。今後の不動産の利活用や運用の参考資料として活用していただけます。
・ちゃんと「不動産鑑定士」の名前と印鑑をついている以上、その案件の最後まで面倒をみることとしております(これば僕だけかもしれません)

調査報告書のメリットは
・手順を省くので比較的安価で短期間で作成可能。
・ボリュームが薄いのでわかりやすいかも。
・さまざまなニーズに対応できる


鑑定士の出す「価格調査報告」についても同様ですが、手順を省いてることなどから、すべてを担保し切れていない点で、鑑定評価書を薦める場合がございます
(もちろん、価格調査報告で十分と判断する場合もございます)




こうズラズラ書くとどっちがどっちやねん!!という話になりますね(笑)。

車で例えると、鑑定評価書はフルオプションの新車、調査報告書はオプション抜いた新車(新古車)というランク付け。使い道は同じだけど、若干勝手が違う。

フルオプションいらないって人は調査報告書でOKかなということです。




ただ、危険なのが裁判や調停で使用されるもので仲介業者様の「査定書」というものを未だに使ってらっしゃる方がいます、一番安価で(場合によっちゃタダですし)サクッと価格が書いてるので使えるかなと思うかもですが、

私からすれば先ほどの車の話でいえば、年式古い中古車車検なしをノークレームノーリターンで買うようなもの(笑)、何か事故が起こっても自己責任です。

査定書の端っこにも(裁判資料として使わないでください)と書いているものもありますので、要注意です。


ずらずらと書きましたが、不動産の価格というものは、過去の歴史から未来へ繋がるものであり、その歴史の一端を担った鑑定士が価格を付けるものです。

よく、子供さんに僕の仕事を説明するのに使っている言葉が「不動産とお金と人は切っても切れない関係だから、不動産に関するお金のことを計算する人が必要やで」と説明します。



自分のほしい不動産、持っている不動産、について処分や運用、時価評価が必要な場合、それぞれの場面で不動産鑑定士が活躍します。
価格の根拠、査定の根拠、考え方、それぞれを盛り込んで価格を提示します。なぜ一生けん命になるか、それはこれからのお客様の生活、人生はもちろんその不動産の存する町を作ることになり、さらに歴史を作る仕事であるからです。

なんかとりとめのない話になりましたが(笑)、少なくとも私は不動産鑑定という仕事が好きでやっておりまして、軽く見ている人々が現実に関係者にもいたので、自分で再度仕事の素晴らしさの見直しの意味で書いてみました。