もう春ですね。彦根では桜の開花宣言がありました。花見のシーズンになりましたが、春といえば杉花粉…。今年はえらく多い年だそうで…。
周囲の山を見てふと山の鑑定についてご説明しようかとおもいました。
現在山に生えている杉の木は戦後の日本の政策で全国一斉に植林されたものが多いと聞いております。
杉の伐木樹齢(切って商品に出来る樹齢)はだいたい40~50年…。戦後の政府が住宅用資材に使えるように植林後の50年後も見越した思われますが、そのシミュレーションした50年の間に、外国製の材木が大量に輸入されることは想定されていなかったようで、材木価格が値崩れを起こし、せっかく生えている山林の材木を切り出しても採算が取れないような状況にあります。
ですので、採算がとれない→後継者もいない→林業会社の閉鎖が目立ちはじめ、私の住んでいる滋賀県の周辺の山でも手入れされていない山が多くなり、問題となっております。
採算が取れない林業の存在により、不動産鑑定士のほとんどの先生は林地の価値をほとんど土地値のみで判断されることが多いです。
他方、相続税評価では立木価格も評価対象として見ております。実際に価格がゼロというわけでもなく、木が生えていたら何らかの価値があるものと考えてます。ですのでいくら不採算の山であっても立木価格がゼロとはいわないようです。
以上により、実勢と公的(相続税評価)との間には著しいギャップが発生しているわけです。
ですので、ケースバイケースですが材木の価値をゼロと判断するのはかなり危険なことだと私は思っております。
次回はどこで何を調べるかをご説明したいかと思います。