かいつぶりの日々

山林関係に強い不動産鑑定士「合同会社鳰不動産鑑定」のブログです
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不動産の鑑定評価・相談・コンサルティング

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地価公示発表…

2010年03月19日 | 日記
昨日のニュースで平成22年地価公示が発表されました。ようやく一息つけますね
(実をいうとエラーチェック等でひっかかるかどうかビビりながら日々過ごしてました)

滋賀県の地価は今回は全地点で下落、しかも前回の公示よりも平均の下落幅が拡大した結果となりました。

名古屋や静岡の7地点では上昇が見られましたが、これは地下鉄が延びるとか先進医療センターが誘致されるとか特別な事情があるためだそうです。

東京都などの大都市圏も下落でしたが、半期ごとの下落幅が縮小傾向だとか…。全国的なニュースでは「回復の兆し」というようなこともいってらっしゃいましたが…。


この動きが滋賀県にまで到達するにはあと2年はかかりそうですし(前回のミニバブルのときもそうでした)まだまだ厳しい状況が続きそうです。


利回り君

2010年03月19日 | 日記
今回は初めて鑑定士らしいことを…。かなりざっくばらんに話すので本来の意味と読み違えそうな点や突っ込みどころがあるのはご容赦ください。

現在私が所属している滋賀県不動産鑑定士協会では色んな研究を進めてまして…、それらのうち私が担当しているのは地価動向の分析の中での『利回り』という項目について…。

一般に不動産は他の金融資産と比較されると言われます。というのは1000万を銀行に預けるかこれを元手に株を購入するかそれとも田んぼぶっ潰してアパート建てる資金にするか…、まさか全部パチスロに使うようなのは想定外としておきます。

その1000万を元手にどんだけ収入があるか、銀行なら利息で株なら配当金、アパートなら賃料収入ですね。それぞれ金という単位になるので非常に比べやすいものになります。

これがよく金融商品と比較される理由です。出費(元本)に対する収益(果実)の割合を『利回り』といいます。

っで、金融商品は売ったり買ったりが不動産に比べて容易であり、他方、不動産に比べて景気動向に対する値上がりや値下がりの速度が速い…(弾力性が高いっていうらしい)。
だから、こんだけ性格が違う資産を単純に比較するのはどうもってことで最近トータルリターン(総合収益率)というものに注目しています。

これは、純収益(総収益-総費用)利回り+元本変動率という式で表されます。

具体的には、正月にアパート建てて一年間運用して(アパート経営して)その年の大みそかにその土地建物を売却することを想定し、一年間の経費を引いた収入に対する利回りと土地建物の価格変動率を合算したものです。これで、正月に株を買って大みそかに売り飛ばすのと同じ土俵で比較できる、すなわち土地だろうが株券だろうが一年間でどんだけ得するかを横一線で比較できるものです。

そこで我々不動産鑑定士は滋賀県の投資採算性をみるべく、あちこちにそういった地点を設定して滋賀県の住宅地及び商業地についての総合収益率を算出し、これを基に色々と研究しています。

ただ、総合収益率は投資採算性を判断する材料になりますが、鑑定評価に生かす方法となるとかなり漠然としてきます。(;><)

不動産鑑定評価では、不動産の収益性から見た価値を鑑定評価する方法として、収益還元法という手法がございます。

それは先ほど申し上げた純収益に利回り(還元利回り、割引率等)で割り戻して土地(建物)価格を求める手法です。

この還元利回りがはっきりすれば、不動産の鑑定評価の精度が高くなるんですが…。なかなかこれは神の領域でして、判断が難しい指数の一つです。「還元利回りを見切った」っていう人をたまに見かけますが、説明を求めるとイマイチはっきりしない内容でグニュグニュと…。



今回は、初めての試みとして、上記総合収益率から還元利回り(割引率)にアプローチしてみようということで一生懸命やってました。


現在、その成果物をまとめてる最中ですが…、やはり神の領域に近づいているせいか相当な理論展開と判断力が要求されますな。