Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

楽しいシュウカツ ④

2021-09-12 | 日記
”デジタル遺品”という言葉を耳にしたことはありますか?
今回はデジタル遺品について考察していこうと思います。

2020年1月に行われた、衆議院財務金融委員会での質疑での金融庁の答弁です。

「デジタル遺品につきまして、明確な定義はないと承知していますが、一般的には持ち主の方がお亡くなりになって遺品となったPCやスマートフォンなどのデジタル機器に保存されたデータや、インターネット上の登録情報などを指すものと承知しています」

<私のパソコン、スマホなどのデジタル機器>


つまり、デジタル遺品とは 故人が生前に利用していたパソコンやスマートフォンなどデジタル機器の中に残したデータのことです 。 デジタル機器には膨大な個人情報が含まれており、遺族は故人の機器から情報を正しく引き継がなければなりません。

しかし、故人が生前管理していたデータやサービスに遺族がアクセスが出来ないと、後になって大きな負債を背負ったり、相続トラブルに発展することもあります。

<私のデスクトップパソコン>


私がデジタル遺品の重要性について認識したのは、義弟が脳梗塞で倒れた時からでした。2017年1月、突然、五島列島宇久島の診療所の先生から電話が入り、「独り住まいの義弟が脳梗塞で倒れ、診療所に入院した」との連絡でした。

<長崎県佐世保市宇久島>


離島の診療所で応急処置はできても、手術などはできず、佐世保市の総合病院に運ばれたのは発症から2日後でした。病院の先生方の懸命の手術のおかげで一命は取り留めたのですが、左半身不随と重い記憶障害が残ってしまいました。



それからが大変でした。このような症状ですから、本人からは何一つ情報が聞き出せません。病院の入退院手続き、高額医療費の請求手続き、介護施設捜しと入所手続き、車や船の処分、各種保険や会員の解約手続き等々で各所に奔走しました。

その後暫くしてから、自宅(町営住宅)を整理していたところ、偶然に「遺言書」と「私が死んだら」というメモが見つかりました。



そのメモには、銀行、PC、スマホのパスワード、死亡した時にを連絡してほしい人の名前や電話番号が記載されており、それを手掛かりに各種手続きを進めることができました。特にPCとスマホには詳細な情報が残っており助かりました。

2020年8月に永眠するまでの3年半の間、大したトラブルもなく、デジタル遺品や住宅内の遺品、家具類の整理を完了することができました。

<私のノートPCとスマホ>


このような経験から私も
・ネットバンキングやネットショッピング、各種会員などお金にかかわるもの。
・SNSの個人登録情報や、第三者の情報など扱いに困るもの。
・遺族や他人に知られたくないメール情報や写真などの記録。
これらデジタルデータを、もしものときに備えて、どのように管理するべきなのか考えるようになりました。



<遺言ノートの用意>
遺言状、事前確認書、銀行、PC、スマホ等のIDとPW、各種証書の保管場所などを全てこちらに保存・記録します。

<事前確認書の作成>
最初に用意したのは、事前確認書です。これは自分の延命治療は必要ないという意思を記述したメモです。病院等で最期を迎える場面で、延命治療の判断で遺族が悩まないために用意しておくべきものです。

<私の遺言ノートに、これらすべてをまとめて記録を残します>


<ID管理ファイルの作成>
次に、ID管理ファイルの作成です。(USBと遺言ノートに記録)
分野ごとに分けてIDとパスワード、秘密の質問などを記載して、いざという時に遺族がアクセスできるようにするためです。

分類として、PC、スマホ、電話、住宅、銀行・証券、クレジット、メール・SNS、ネットショッピング、公的書類、動画・音楽・各種会員情報など。

<ID管理ファイル(デジタル機器のID、PWなど)の例>


<各種証書、契約書、公的証明書の保管>
また、住宅、生命保険、火災保険、自動車保険、株券などの証書、公的証明書類の原本はまとめて封筒に入れ保管。(原本は貸金庫、コピーは遺言ノート)

コロナ禍の時代はここ数年は間違いなく続きます。自分だけは絶対に大丈夫という幻想は捨てる時代です。たった今、何があっても遺族が困らないように、日頃から最低限の準備をしておくのは、家族への愛情の証だと思うようになりました。