Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

11月の花のアルバム ➉(最終回)

2023-12-28 | みんなの花図鑑

本日のブログで2023年最後の投稿になります。一年間ブログにお越しいただき、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

明日から来年1月5日まで留守にしますので、ブログをお休みさせていただきます。1月6日から再開させていただく予定です。

2024年もブログを通じて、ブロ友の皆さんと交流できることを楽しみにしております。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

 


先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑨ 2023-12-26


11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

からたちの花  井上陽水

 

 

 

山形県以南の本州~沖縄に分布するヤマグルマ科の常緑樹。山の林内、斜面、岩場に自生しますが、屋久杉と共存する屋久島の本種が特に有名です。

開花は5~6月。枝先に黄緑色の花(雌雄同株)を咲かせます。花には花弁も萼もなく、花の中央には5~10本の雌しべがあり、その周囲を多数の雄しべが囲みます。

花の後には袋状の果実が集まった集合果ができ、10月頃に熟すと自然に裂けて、種子を落とします。種子は長さ5ミリほどの楕円形で、両端には長い突起があります。

名前の由来は、花や枝葉が車輪状に生えることから名付けられました。樹皮からトリモチを作ったことから、トリモチノキともいいます。

<ヤマグルマ(山車) ヤマグルマ科ヤマグルマ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ユーフォルビア属の原種は2000種以上あり、形態も一年草、宿根草、多肉植物、低木と多岐にわたります。本種は鋭いトゲの生えた枝が大きな特徴です。

ドイツ生まれのマダガスカル植物コレクター、ギュンター・ゴットレベ氏にちなんで命名されまし
た。

<ユーフォルビア・ゴッドレベイ トウダイグサ科ユーフォルビア属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 


ユーフォルビア属の原種は2000種以上あり、形態も一年草、宿根草、多肉植物、低木と多岐にわたります。本種は春から晩秋まで小花を咲かせ、花期が長いのが特徴です。

チョコレート色のブロンズリーフに、薄いピンクの小花が良く映えるユーフォルビアです。小さい花が、株一面に咲き乱れ、次々と咲き進んでいきます。

<ユーフォルビア・スターブラスト-ソフトピンク トウダイグサ科ユーフォルビア属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

ユーフォルビア属の原種は2000種以上あり、形態も一年草、宿根草、多肉植物、低木と多岐にわたります。本種は戸外で初夏から秋に開花する特徴があります。

近年、本種のように、まるで白い花が咲いているような非耐寒性低木が人気を呼んでいます。観賞する白い部分は、ポインセチアなどと同様、苞と呼ばれる花序のすぐ下の葉で、本当の花は目立ちません。

<ユーフォルビア・ダイアモンドフロスト トウダイグサ科ユーフォルビア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 


北アメリカ原産の帰化植物です。山野や街中、庭や花壇の植え込み、アスファルトの割れ目まで、あらゆるところで力強く生息しています。

ゴボウの仲間ではありませんが、根がゴボウのように長いことから、この名前がつきました。夏になると濃いピンク色の枝の先に、小さな花穂を咲かせます。

夏に咲いた花は、秋に紫色のブルーベリーのような房状の果実をつけ、熟すと黒くなります。全草に毒性があり、特に根の誤食と種子を口にしないよう注意が必要です。

<ヨウシュヤマゴボウ (洋種山牛蒡) ヤマゴボウ科ヤマゴボウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

熱帯アメリカ原産のキョウチクトウ科の植物で、低木または小木として成長します。一般的には獣の静止木または悪魔の胡椒(デビルペッパー)として知られています。

観賞用として、また伝統医学での使用のために広く栽培されてきました。現在ではオーストラリア、インドシナ、インドを含む熱帯地方全域に帰化しています。

<ラウヴォルフィア・テトラフィラ(四葉羅芙木)キョウチクトウ科インドジャボク属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北アメリカ東南部からメキシコ湾岸の湿地を原産とするスギ科ヌマスギ属の落葉高木。日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽されます。

花の後には球形の種子ができ、10~11月になると暗褐色に熟します。種子の大きさは直径2~3センチが普通だが、5センチ以上になるものもあれば、結実しない木もあるなど個体差が激しいようです。

名前は秋になると羽状の葉が枝ごと落下することに因みます。

<ラクウショウ(落羽松) ヒノキ科ヌマスギ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 


中南米や南欧原産の約150種の低木または多年草。熱帯・亜熱帯では広く野生化し、オーストラリアや東南アジアではやっかいな雑草として問題になっています。

他方、花には多くのチョウが集まり、花自体の美しさも相まって見応えがあります。日本の一般的な気候下では初夏~秋まで咲き続けることが多く、園芸植物として公園や庭に植えられています。

和名で「七変化」と呼ばれる通り、徐々に花の色が変化する不思議な常緑性の花木です。

<ランタナ(七変化) クマツヅラ科シチヘンゲ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

原産地は世界各地に及び、日本では約18種が確認されています。日本のほぼ全域に自生しており、もともとは野生の花で群生することなく、単独で自生する特性があります。

「枕草子」でも記述がある程、日本で古くから親しまれている植物(多年草)で、薬草としても親しまれてきました。寒さに強く本州、四国、九州の山野を中心に自生しています。 

主に根が生薬にされ、中国では「竜胆」と名づけられました。それが日本に伝わり「リュウタン」と呼ばれていましたが、いつの間にかなまって本種の名となったようです。

<リンドウ(竜胆) リンドウ科リンドウ属>
11/1 京成バラ園

 

 

 

 



本種は中国原産のオオバコ科の多年草。中国原産の野草であるが、日本では園芸栽培用に導入されています。

草丈は1mまでなります。茎は円柱状で茎頂は地面に着いて根を出します。葉は紙質で、先端が尖る長卵形~披針形で、葉縁に粗い鋸歯があり、互生します。

7月~9月に、葉腋から2cm程の花序を伸ばし、筒形で先端4浅裂した花を咲かせます。花色は紫~赤紫色をしています。

<ルリスズカケ(瑠璃鈴懸) オオバコ科(ゴマノハグサ科)クガイソウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ヒマラヤ、アジア東北部原産。普通のレモンの約2~4倍で、最大で約500gほどになるジャンボサイズレモンです。

気温が高い時期には常に香り高い花が咲き、次々と実が成る豊産種で、観賞用としても人気の高い品種です。

自家結実性で1本でも結実しやすく、定植後1~2年で実が成り始めます。500g前後の大型の果実は、マイルドでジューシー、生ジュースや果実酒にも最適です。

<レモン・ポンテローザ(ジャンボレモン) ミカン科ミカン属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

地中海沿岸地方原産の常緑性低木のハーブです。全草に爽やかな芳香があり、料理やお茶、薬用、化粧品、香料として幅広く利用されています。

体調を崩した中世ハンガリーのエリザベート王妃が本種のハーブチンキを使用したところ元気と若さを取り戻し、ポーランド王に求婚されたことから「若返りの妙薬」「若返りのハーブ」などの別名があります。

近年は、本種の香りが脳を活性化し認知症予防に効果的であることがメディアで紹介され、介護の現場などでも使われています。

<ローズマリー(迷迭香) シソ科マンネンロウ属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 


立性タイプで、成長すると高さは180cmほどになります。他のローズマリーと比べると葉の幅が広くツヤツヤした特徴のあるローズマリーです。

花色は紫色の花が咲きます。葉は幅広、やや肉厚綺麗な緑色をしています。強健種ですが寒さには弱いので注意が必要です。

<ローズマリー・レックス シソ科マンネンロウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

クリサンセマム(キク)の仲間で、北アフリカの山岳地帯に分布する耐寒性多年草です。

美しい切れ込みの入ったシルバーリーフに、マーガレットのような可憐な花が次々に咲き続けます。

茶褐色の筒状花と白い舌状花のコントラストが美しい、しなやかでやさしい雰囲気の花です。

<ローダンセマム・アフリカンアイズ キク科ローダンセマム属>
11/1 京成バラ園

 

 

11月の花のアルバム①~➉ 全223品種の花、野鳥、昆虫を最後までご覧いただきありがとうございました。

次回は「12月の花のアルバム」を2024年1月上旬に投稿予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

本日はコメント欄を閉じております。m(__)m


11月の花のアルバム ⑨

2023-12-26 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑧ 2023-12-24


11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

原 由子 花咲く旅路

本種はイスラエルのダンジカー社が育成したマーガレットの一品種で、その中の「ローリーズ」というブランドシリーズの1つになります。

よく分枝し、花数が多く、ドーム状に花が展開する点が特徴です。四季咲き性があり、咲き終わった花を切り取ってあげると、次々と花が咲き続けます。

<マーガレット・ホワイトチョコレート キク科キク属>
11/14 あけぼの山農業公園

北海道南部~九州の高山帯~亜高山帯に分布するキジカクシ科の多年草。針葉樹林の林床など薄暗い場所に群生します。

花の後には水分を含んだ直径5~7ミリの球形の果実がなり、秋には赤く熟します。実は紅葉とのコントラストが美しく観賞の対象になり、甘味があって食用にもなります。

名前は葉の様子が翼を広げて舞う鶴に似ているとして名付けられました。日本以外でも東アジアと北アメリカの温帯~亜熱帯に分布します。

<マイヅルソウ(舞鶴草) キジカクシ科マイヅルソウ属>
11/4 つくば実験植物園

南アフリカ原産の多肉植物で、多肉質の細長い葉が密生し、キクのような花を咲かせます。

キク型の花を初夏を中心に秋まで断続的に咲かせます。赤やオレンジ、黄色、白など花色が豊富に出回っています。

葉と花の形から本種の名前が付きました。菊の名がついていますが、キク科の植物ではありません。

<マツバギク(松葉菊) ハマミズナ科マツバギク属(ランプラントゥス属)>
11/8 東邦大学薬用植物園

北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種で、山地の草原に生育します。

葉を出して冬を越し、花を付けてから枯れる冬型一年草ですが、高地では枯れずに2年目の葉を出す多年草です。

開花は8~10月で、長く伸びた花柄の先端に直径4~5センチ大の半球形をした花が一輪ずつ咲きます。

松虫が鳴く晩夏から初秋にかけて開花すること、松虫が好みそうな草地に生えること、あるいは果実が風に揺れて生じる音が松虫鉦という、小さな鐘の音に似ることからと名付けられたようです。

<マツムシソウ(松虫草) マツムシソウ科マツムシソウ属>
11/4 つくば実験植物園

本種の仲間は美しい種が多く、いずれも南北アメリカ大陸の原産です。日本には1870年頃に観賞用として渡来し、逃げ出して全国に広がりました。

夏の夕暮れを待って、月の滴が零れ落ちたかのような黄色い花を咲かせます。またの名を「ヨイマチグサ(宵待草)」とも呼ばれます。

夕方から翌朝まで開花し翌朝には萎んでしまう一日花で、一夜限りのはかない草花です。

<マツヨイグサ(待宵草) アカバナ科マツヨイグサ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

自生地の熱帯アジアでは半つる性の常緑低木で、地植えで一年中花を咲かせます。香料用植物として知られるジャスミンの1種で、漢方では花と根を生薬として用います。

仏陀の歯にたとえられる純白の花はやや肉厚で、クチナシに似た強い香りを放ち、仏教では仏の住む国に香るとされます。

夏の夕方から早朝に花開き、時間がたつと紫がかったピンク色に変色する一日花ですが、涼しい気温の初夏や秋口にはより長もちします。和名は、漢名の茉莉花を日本語読みしたものです。

<マツリカ(茉莉花) モクセイ科ソケイ属>
11/1 京成バラ園

本州、四国、九州、沖縄 の山地に自生する常緑低木。雌雄異株。イヌツゲの園芸品種で、公園・庭園などで丸く刈り込まれたものをよく見かけます。

初夏~夏、白い4弁花を咲かせます。葉は小楕円形で、光沢のある緑色をしており皮質で肉厚、裏側に反り返っています。花後に緑色の果実が成り、秋に黒熟します。

名前の由来はイヌツゲの葉を豆粒サイズにしたもの、ということから来ています。

<マメイヌツゲ(豆犬黄楊)  モチノキ科モチノキ属>
11/14 アンデルセン公園


沖縄を除く日本全国に分布するニシキギ科の落葉樹。山地や丘陵の林縁に自生するが、紅葉や個性的な果実を観賞するため、古くから庭木あるいは盆栽として親しまれてきました。

開花は5~6月。花は直径1センチほどの淡い緑色で、あまり目立たないものの1~7輪ずつ咲きます。雌雄異株であり雌の木には雌花を、雄の木には雄花を咲かせます。

秋(10~11月)になるとサイコロステーキのような四角い薄紅色の実が鈴なりになり、熟すと自然に四つに裂けて中から暗い紅色の仮種皮に包まれた種子が顔を出します。

果実は熟すと、四つに裂け、中からオレンジ色の種が顔を出します。この様子を繭(まゆ)に例え、繭実が命名の由来であるとする説もあります。

<マユミ(真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
11/14 アンデルセン公園

メキシコ原産のキク科植物から品種改良された花です。品種は大きくフレンチ種とアフリカン種に分かれています。

5月~11月頃、独特な香りがする花を咲かせます。花色は黄、オレンジ、白、赤、複色など様々で、花の大きさは小輪から大輪まであります。咲き方も一重咲き、八重咲き、クレスト咲きなど多様です。

名前は、聖母マリアに由来します。聖母マリアの祝日に咲いていることから、「マリア様の黄金の花」(本種の名前)で呼ばれるようになりました。

<マリーゴールド キク科コウオウソウ属(マンジュギク属)>
11/2 近隣の畑

原産地は中央アメリカ〜アルゼンチン。およそ100種類が分布するとされています。春から秋にかけて長期間開花し、夏でもよく開花します。

花色は以前はピンクがほとんどでしたが、現在はさらに白や赤、白からピンクに変化するものなどがあります。

近年、サントリーフラワーズの「サン・パラソル」シリーズが普及したことで、「サンパラソル」という呼び名でも認知されるようになってきました。

<マンデビラ キョウチクトウ科マンデビラ属>
11/14 アンデルセン公園

日本の本州中部地方以西に分布する多年草です。草丈70~120cmになり、8~10月に花を咲かせます。環境省レッドリスト2017では絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。

生薬「サイコ」は本種の根で、サイコサポニンなどの成分を含み、解熱、解毒、鎮痛、消炎などの作用があります。

名前は、江戸時代から静岡県の三島地方で産出されるサイコの根が非常に良質であったことや三島がサイコの大集荷地であったことに由来します。

<ミシマサイコ(三島柴胡) セリ科ミシマサイコ属>
11/8 東邦大学薬用植物園


タデ科の一年草で、春にはほとんど目立ちません。夏にかけて地面を静かに匍匐(ほふく)するように枝葉を伸ばし、秋に入ると急に立ち上がって花を咲かせます。

ほのかなピンクと白のグラデーションがなんとも愛らしい花で、金平糖のようにみえるので、コンペイトウグサ(金平糖草)とも呼ばれます。

本種の名前は畑のソバに対して、水湿地の溝に咲くソバという意味で名づけられたようです。

<ミゾソバ(溝蕎麦) タデ科タデ属(イヌタデ属)>
11/4 つくば実験植物園


日本の野山に自生し、古くから和紙の原料として利用されてきました。春早くにポンポンのような花が木の先端に咲く落葉樹です。

早春に枝の先に花が咲き、その後に同じ場所から3本の枝が伸びます。そのため、枝は常に3本セットで先端が3つに枝分かれしています。この独特の枝ぶりから名がついたといわれています。

本種はは高級和紙の原料として利用されています。紙の原料として使われるのは樹皮です。日常生活で使う紙幣も本種を原料として作られているため、繰り返しの使用や、水濡れにも強いのです。

<ミツマタ(三椏) ジンチョウゲ科ミツマタ属>
11/14 あけぼの山農業公園


関東地方以西の温暖な地域に分布しています。地方によってはアケビともいいますが、アケビと異なり常緑性で、果実は熟しても割れないのが特徴です。

昔は不老長寿の果物とされ、毎年秋になると本種の果実が皇室へ献上されていました。今でもその習慣は続いていて、縁起の良い果物とされています。

葉は幼木のころは3枚、生長するにしたがって5枚、7枚と増えていくので、七五三の縁起木と言われています。

<ムベ(郁子) アケビ科ムベ属>
11/4 つくば実験植物園



秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。

花はいずれも淡い紫色です。じっくり見るときれいな色彩ですが、熟した果実に比べると目立たずやっぱり見劣りしてしまいます。開花時期は6月~7月頃です。

葉の色は実がなりだす初秋は緑、秋が深まってくると徐々に黄色く色づき、紫色の実との色合いがとても美しい光景です。その美しい実から英名ではJapanese beautyberryとも言われています。

<ムラサキシキブ(紫式部) シソ科ムラサキシキブ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

ユーラシア大陸が原産のマメ科シャジクソウ属の多年草です。わが国へは明治時代のはじめ、牧草として輸入されました。今では各地の道端や草地に野生化しています。

「シロツメクサ(白詰草)」よりも大きく、高さは50~60センチになります。5月から10月ごろ、茎の先の球状花序に、小さな紅紫色の花を咲かせます。別名で「アカツメクサ(赤詰草)」や「赤クローバー」とも呼ばれます。

本種の花は保湿効果、抗炎症効果、シワの抑制効果などが期待されており、スキンケア化粧品に配合されています。

<ムラサキツメクサ(紫詰草) マメ科シャジクソウ属>
11/2 近隣の路傍

東北地方南部以西の本州、四国及び九州に分布する日本原産の落葉低木。原種は山地や丘陵の疎林に自生します。本種の名は、枝を煎じて洗眼薬にしたことからきています。

園芸では、基本種の緑葉はほとんど用いられず、赤紫や黄金葉などの美しい葉色を楽しむカラーリーフとして利用されています。

花は非常に小さい黄色花。春から初夏に咲きますが観賞価値は低いです。実は、秋に赤く熟しますが、こちらも小さく観賞価値はあまりありません。

<メギ(目木) メギ科メギ属>
11/14 アンデルセン公園



中国南西部を原産とするスギ科(またはヒノキ科)の落葉高木。端正な樹形や四季折々に変化する葉色が美しく、各地の公園、庭園、街路などに植栽されています。

日本に渡来したのは1950年のことで、アメリカで育苗された100本の苗木が皇居を始めとした各地に配られたのがきっかけです。

中生代(約2億5,217万年前~約6,600万年前)から生きている植物で、日本をはじめ、北半球の各地で化石として発見されています。

<メタセコイア(曙杉) ヒノキ科メタセコイア属>
11/14 あけぼの山農業公園



7月~9月に大輪の花が開花する草丈が2m近くになる大型宿根草です。沼地によく見られることから、沼ハイビスカスの別名があります。

花は、近縁のフヨウやムクゲとよく似ています。一番簡単な見分け方は、葉の形です。本種の葉は掌状のモミジに似た形で、3~5裂に深く切れ込みがあります。

実はホオズキやフウセンカズラのような大きさと形をしています。蜘蛛の足のような細いガク片がユニークです。

葉は大きく5つに裂け(正確には3裂~7裂くらいまで差がある)、線の細いモミジ(カエデ)のような姿をしており、そこから本種の名前が付きました。

<モミジアオイ(紅葉葵) アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)>
11/15 北柏ふるさと公園



南アフリカ原産のアヤメ科モラエア属の多年草。草丈は50~60センチで、根際から生える葉は線形です。

開花時期は11~3月で、藤紫色を咲かせます。花被片は6枚で内花被片は立ち上がり、外花被片のつけ根の部分に黄色い模様が入ります。

属名のMoraea はイギリス人の植物学者「ムーア(R. Moore)さん」の名からきています。種小名の polystachya は「穂をたくさんつける」という意味です。

<モレア・ポリスタキア アヤメ科モラエア属>
11/4 つくば実験植物園

日本原産の常緑低木で、本州の福島より南~沖縄まで広く分布します。ヨーロッパには1838年に入ってきたという記録が残っており、今では世界で広く栽培されています。

冬、球状にまとまった白っぽい花がたくさん咲き果実が付きます。果実は翌年5月頃に黒く熟します。

漢字で書くと「八つ手」です。ちなみに「八つ」は数を表しているのではなく「多い」という意味のようです。

<ヤツデ(八つ手) ウコギ科ヤツデ属>
11/14 あけぼの山農業公園

荒れ地や道端に生える南アメリカ原産の多年生の帰化植物で、草丈が高く「三尺バーベナ」と別名がつけられていますが、はるかに大きくなります。

細い葉をヤナギに、上部にまとまって咲く花を花笠にたとえたものが、名前の由来になっています。観賞用によく栽培されています。

旺盛な繁殖力を誇る本種は、環境省が2015年に発表した「我が国の生態系に影響を及ぼすおそれのある外来種リスト」にもその名が記載されています。

<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
11/14 北柏ふるさと公園


 

日本最古の観賞用花木あるいは代表的な茶花として知られ、江戸時代には本種とユキツバキを掛け合わせるなどして数多くの品種が作られました。

一般的には「ツバキ」と呼ばれていて、本種の呼び名は植物学上の名称です。単にツバキという場合は本種を示します。花は2月ごろから咲き始め、花径5~8センチくらいの筒状の5弁花を咲かせます。

実(果実)は、7、8月ごろから赤く色づき始めます。果実は蒴果で、果皮は厚く、中に大きな種子がはいっています。熟すと背が三つに割れて、硬い暗褐色の種がとびだします。

<ヤブツバキ(藪椿) ツバキ科ツバキ属>
11/14 アンデルセン公園

日本全土に見られるイラクサ科の多年草で、平地や低山の藪などで普通に見られます。

花の少ない晩夏から初秋にかけてクリーム色の長い花穂を出し、草丈も1m近くになるため、開花時期にはよく目立ちます。花らしくない花であり、観賞価値は乏しいようです。

カラムシと近縁で、和名はカラムシの別名であるマオに藪を冠したものです。かつてはカラムシと同様に茎の植物繊維から糸を紡いで布を織っていました。

<ヤブマオ(藪苧麻) イラクサ科カラムシ属>
11/4 つくば実験植物園


中国、日本原産で、キジカクシ科の常緑多年草です。藪や林内の日陰に自生します。 日本では一般家庭の庭で見られます。花名にランと付きますが、ラン科の植物ではありません。

初夏から秋に、藪で光沢のある細長い根生葉の間から、細い花茎を出し先端から穂状花序を伸ばし薄紫色の小花を多数咲かせます。

緑色だった実が、秋には黒色に変わり、日に日に寒さが増すごとに、一つ一つ実を落としていきます。1月に入っても残っている実は、光沢だけは秋と変わらず元気です。

<ヤブラン(藪蘭) キジカクシ科ヤブラン属>
11/4 つくば実験植物園

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑨」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ➉(最終回)」に続きます。


11月の花のアルバム ⑧

2023-12-24 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑦ 2023-12-22


11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

JUJU 『花』 Music Video

 

 

 

コバトベラ(小葉トベラ)の仲間で中国が原産の常緑低木。東アジアからアフリカにかけて200種くらいが分布します。日本では庭園や公園に植えられています。

5~6月頃、白色(最初は黄色で、やがて白色へと変わる。)の5弁花を見せ、花には芳香があります。花後にはトベラ同様、実が熟し、割れた殻のなかから顔を出した赤い実が出てきます。

和名のヒメトベラは、トベラに比して全体的に小形であるため付けられました。

<ピットスポルム・ヘテロフィルム(姫海桐) トベラ科トベラ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

愛知県犬山市、対馬列島、岐阜と長野の県境などに自生するモクセイ科の落葉広葉樹。絶滅が危惧されるほど天然の個体数は少ないが、公園、庭園、植物園などには多数植栽されています。

ナンジャモンジャと呼ばれる木の代表種ですが、ナンジャモンジャとは、名前が分からない大木全般の総称であり、特定の樹種を示すものではありません。

タゴノキ(=トネリコ)に似ていますが、複数の葉が集まるタゴノキと異なり、葉が一枚ずつ生じることから、本種の名前が付けられました。

<ヒトツバタゴ(一つ葉田子) モクセイ科ヒトツバタゴ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

ナイジェリア等の中央アフリカ西部を原産とするシソ目キツネノマゴ科の観葉植物となる非耐寒性常緑多年草です。

高さは1~1.5メートルほどになり、よく分枝します。葉は卵形で先端が尖り、茎に対生して付き苞が萼を抱く。葉縁には荒い鋸歯があります。

開花期は温室では周年、外だと9~4月咲かせます。穂状花序に薄紫色の花を咲かせます。花冠は円筒形で、先端が大きく唇状に裂けています。葉縁には荒い鋸歯があります。

<ピポエステス・アリスタタ シソ目キツネノマゴ科>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

原産地は北アメリカ大陸と言われています。紀元前から、ネイティブ・アメリカンの間で豊富な栄養を持つ大切な食物として育てられていました。

日本には17世紀頃に伝わり、始めは観賞用とされていましたが、明治時代からは油の原料や飼料として重用されたと言われています。

種はそれ自体が食用になるほか、種から採れた油は石けんや塗料の原料になります。また茎や葉は家畜の飼料として使用されることもあります。

大ぶりな黄色の花を観賞用に、または種を食用とするために広く栽培されています。和名で「向日葵」と表記するほか、「日廻り草」「日輪草」「日車」「天竺葵」などとも呼ばれます。

<ヒマワリ(向日葵) キク科ヒマワリ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

インドネシア・ソロモン諸島・バヌアツ・ニューギニア原産の常緑高木。インドネシアでは高さ20mにもなるそうです。小さな実が幹から突き出ています。 

イチジクと同じ無花果で花は果実の中に咲き、赤く熟すとソースなど食用になるそうです。ニューギニアでは葉も野菜として食べられます。

<フィクス・ワッサ クワ科イチジク属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

南アフリカ原産の植物で、毎年花を咲かせる多年草です。棘のある果実がユニークな観賞用のトウワタ(唐綿)です。

初夏になると枝先に近い位置にある葉の付け根から花茎を伸ばし、小さな乳白色の花がぶら下がるように下向きにたくさん咲きます。

果実は表面がうす緑色で先が少しとがって風船のようにふくらんでおり、表面にはややグロテスクな感じで棘というか、毛のような突起物がびっしりと付いています。

果実が成熟すると縦に裂け、ワタというよりもむしろシルクのような冠毛のついたタネが飛散します。

<フウセントウワタ(風船唐綿) ガガイモ科フウセントウワタ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

本種は長い円錐形の花穂が甘く香り、チョウが集まるため、英名では「バタフライブッシュ」と呼ばれています。また、属名からブッドレアと呼ばれることが多い植物です。

藤色を基本に、白や紫などの花色があり、ほかに葉に斑が入るもの、小型のものなど、数多くの園芸品種があります。

ブッドレアの仲間は、約100種があり、アジア、南北アメリカ、アフリカに分布します。日本にもフジウツギとウラジロフジウツギが自生しています。

一般に栽培されるのは、中国原産の落葉低木のブッドレアで、花の少ない7月から10月までの長期間開花します。

<フサフジウツギ(房藤空木) マノハグサ科フサウツギ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

中国原産のキク科の多年草です。遠い昔に薬草として大陸から渡ってきたものが日本で野生化した帰化植物だと考えられています。

「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。夏の終わりから秋の初め、茎の先端に直径5mmほどの小さな花を、長さ10cm前後の房状に多数咲かせます。

川沿いの湿った草原やまばらな林に見られ、まっすぐに伸びる茎に、3裂する葉が対になってつきます。現在の日本には自生に適した環境が少なくなったため激減し、絶滅危惧種となっています。

本種の名で市販されているものの多くは、サワフジバカマ(フジバカマとサワヒヨドリの雑種)です。

<フジバカマ(藤袴) キク科ヒヨドリバナ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、ニューギニアに、60~70種が分布する半耐寒性の一年草または多年草で、オーストラリアで品種改良された多年草タイプの品種が多く流通しています。

コスモスをコンパクトにしたような花姿がかわいらしい花です。春から晩秋までの長い間、やわらかな雰囲気をもつ花を次々と咲かせます。

<ブラキカム キク科ヒメコスモス属(ブラキスコメ属)>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

北半球を中心に世界中に500種以上が分布するといわれている多年草です。日本にも20種類近くが自生しています。

本来多年草ですが、夏の高温多湿に弱く、夏越しが難しいため一年草として扱われています。

本種は非常に種類が多く、草丈高く生長するものから、小さく葉の上に鎮座するように花を咲かせるようなものまであります。

花色も多様で、白やピンクといった優しい色から黄色やチョコレート色のような渋い色まで揃います。

<プリムラ(桜草) サクラソウ科サクラソウ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

ブラジル南東部原産の常緑多年草。高さ0.9~1.8m、ときに2.4mになり、卵形の地下茎が連なってつき、コロニーを形成します。

開花時期:9~11月ですが、気温が十分にあれば周年開花します。茎先に長さ20cmほどの総状花序を出し、青紫色の花を多数密につけます。

花は径2cmほどの3弁花で、雄しべは6本あり、葯は黄色です。原産地のブラジルでは全草を薬用として利用します。葉の形などが生姜科植物に似てることから本種の名前が付きました。

<ブルージンジャー(大立唐草) ツユクサ科ディコリサンドラ属(タチカラクサ属)>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ブラジル南部原産の、毎年花を咲かせる多年草です。1990年の大阪花博で導入され、普及するようになりました。

自然環境下での開花期は主に秋ですが、鉢花は初夏~秋まで出回ります。温室では夏から咲いているものを見かけるので、温度があれば季節に関係なく開花するようです。

花は唇型で2枚の花びらが上下に開きます。色は青紫で真ん中の部分が白くなります。

花姿をネコの目に見立てて、本種の名前があります。また、ブラジリアンスナップドラゴンの別名があります(スナップドラゴンはキンギョソウの英名)。

<ブルーキャッツアイ(オタカンサス) ゴマノハグサ(オオバコ)科>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 


南アメリカなどの熱帯地域に自生する植物で、一年草タイプと、多年草タイプがあります。

その名の通り、青い花弁と黄色い中心部とのコントラストが鮮やかな花です。最近は、葉に黄色い斑が入る品種も店頭に並ぶようになりました。

デージーによく似ており、一見青色のデージーのようにも思えますが、デージーはキク科ヒナギク属、本種はキク科フェリシア属なので別種です。

<ブルーデージー キク科ルリヒナギク(フェリシア)属>
11/1 京成バラ園

 

 

 

 

 

アジア、アフリカ、オーストラリアの熱帯~亜熱帯の広い地域に分布する多年草です。

たくさんの種類や品種があり、葉っぱに斑の入るものや花を咲かせるものなど見た目も様々です。

葉っぱは丸かたまご型で、縁にギザギザが入るものが多いです。葉色の美しいものは観葉植物に、花が咲くものは、ピンクや白、紫色をした筒状の花を咲かせるのが特徴です。

本種の名前(学名)は、ギリシア語の「Plektron(雄鳥の蹴爪)」と「anthos(花)」の2つが合わさったもので、筒状の花の見た目に由来しています。

<プレクトランサス シソ科ケサヤバナ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

メキシコ原産で、キク科コウオウソウ属の常緑一年草です。アフリカンマリーゴールドと共に、マリーゴールドの代表的な観賞用品種の一つです。

濃いオレンジ色の花を、夏季の間長く楽しめます。また、土中の線虫を殺すとされ、野菜栽培のコンパニオンプランツとしても利用できます。

草丈はコンパクトで横に密に枝を広げ、小輪の花をたくさん咲かせます。


ヨーロッパに導入されたときにフランスを経て広がったことに由来し、孔雀草と呼ばれることもあります。

<フレンチマリーゴールド キク科コウオウソウ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

インド原産で、900余りの原種と15000を超える交配種があります。世界中の環境に適応しているため、かなりバリエーションが豊富です。

一年草(多年草)の植物です。草丈は20~60cmほどに育ち、小ぶりな花を咲かせます。4~10月にはたくさんの花が咲きます。

園芸的に利用されているのもを形質的に分けると「木立ち性」「根茎性」「球根性」の三つになります。

共通する特徴は、葉の形が左右非対称でややゆがんだ形であること、花は雌雄別であり大抵の種は雄花は4枚、雌花は5枚の花びらをもつことなどでです。

光沢感のある葉とピンク、黄色のコントラストが見事ですが、赤やオレンジ、白などカラーバリエーションが豊富な花としても有名です。

<ベゴニア シュウカイドウ科シュウカイドウ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 


南アメリカに自生する原種をもとに、ヨーロッパやアメリカで品種改良が進み、多様な品種がつくり出されました。

日本は特に品種改良が盛んで、最先端の研究が現在もされているまさに本種の大国です。ガーデニングブームの火付け役となったサフィニアも仲間で、日本人が品種改良した品種です。

初夏から秋にかけて咲く草花で、夏の花壇には欠かせない植物の一つです。品種改良も多く、500種以上の園芸品種があります。

<ペチュニア(衝羽根朝顔) ナス科ペチュニア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

草原に生息し、成虫は明るく開けた草地の地面近くを飛び回り花の蜜を吸います。春から秋にかけて数回発生し、冬は幼虫が越冬します。

大きさ13~19mm。とてもキュートな色合いがその名になりました。春は明るいオレンジ色、季節とともにベニ色も深みを増して、秋にはレンガ色に近いベニ色になります。

市街地の草地、畑地、湿地と草があればどこでも見ることができます。人なつっこくて、すぐ近くまで寄っても平然としているので、写真がとりやすいチョウです。

<ベニシジミ(紅小灰蝶) チョウ目シジミチョウ科>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 


猫じゃらしのような穂を付けるのが特徴的なアフリカ原産イネ科の多年草です。園芸品種も多く出回っており、チカラシバ等たくさんの種類があります。

夏から秋に咲く柔らかな白い穂が涼しげでとても美しい。寒さにはやや弱いが暖地ではよく殖え、たくさんの花を上げる切り花にも人気があります。

和名の「銀狐」のしっぽを連想させるネーミングも納得の、大変に美しい穂が楽しめるグラスです。大株に育つと数えきれないほどの白い穂が上がり、実に見事です。

<ペニセタム・ビロサム(銀狐:ギンギツネ) イネ科チカラシバ属>
11/23近隣の道の駅

 

 

 

 

 

ベルギー、オランダなどで交配された親株の挿し芽をブラジルやアフリカで育て、逆輸入した苗を今度は短日調整した温室で開花株に仕立てた、自然光を見たことが無い工場製品です。

一年草扱いで量販され、秋には鮮やかな色合いで八重の花を次々と咲かせる、最新種のわい性夏秋菊で、ガーデン用としても優れています。

<ベルギーマム キク科キク属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

アフリカ大陸の東部やアラビア半島南部、マダガスカルなどの熱帯が原産です。本来は多年草ですが、冬越しが難しいため日本では一年草として扱われることが多くなります。

五つの花弁を持ち、星型の愛らしい花をつけます。色はピンクや赤、白、紫などさまざまです。花の時期が長いのも特徴で、初夏から秋まで次々と小さな花を咲かせます。

「サンタンカ」は熱帯原産の花で、日本では江戸時代には伝わってきていたとされています。姿形が似ていることから、本種が「クササンタンカ」と称されるようになりました。


<ペンタス(草山丹花) アカネ科ペンタス属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 


中国に分布する多年草で、山裾の明るい低木林、草地などに自生する雌雄異株の多年草です。江戸時代に渡来し大和地方や尾張、佐渡で栽培されていましたが、現在では薬草園で栽培されている程度です。

草丈40~60cmになり、9~10月に開花します。葉は硬く、縁には刺状の刻みがあり、同属のオケラと比べて細長いことから本種の名前が付いたと考えられます。

生薬「ソウジュツ」は本種の根茎で、アトラクチロジンなどの成分を含み、健胃、整腸、利尿などの作用があります。

<ホソバオケラ(細葉朮) キク科オケラ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

1950年代にアメリカで矮性園芸品種として育成された鉢植えのキク(マム)を指し、本種の名前で販売されました。

キクは自然開花期によって夏菊、夏秋菊、秋菊、寒菊に分けられ、本種は秋菊です。

<キクの仲間の分類例>
大ギク(大菊) …菊花展などで見られる観賞菊など
古典ギク(古典菊) …伝統菊、江戸菊、伊勢菊、肥後菊など
小ギク(小菊) …懸崖仕立てや盆栽仕立てで楽しむ小ギクなど
ポットマム(洋菊) …ポットマム、スプレーマム、ガーデンマムなどの洋菊の仲間
野生ギク …山野草として楽しむキクなど

<ポットマム(洋菊) キク科デンドランセマ属>
11/2 近隣の畑

 

 

 

 

 

 
本種は北半球の涼しい地域で栽培されることが多く、最も多く栽培されているのはドイツ、次いでアメリカです。

ビールの大事な原材料として使われています。アサ科のつる性の植物で、雌しべは松かさに似た花のような形をしています。

ビールづくりに用いられるのは、雌しべの「毬花(まりはな)」という部分です。ビール特有の「苦味」「香り」を付けるだけでなく、泡持ちをよくしたり、殺菌効果を高めたりという働きもあります。

<ホップ(勿布) アサ科カラハナソウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑧」24品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ⑨」に続きます。

 

 

 

 

 

 


11月の花のアルバム ⑦

2023-12-22 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑥ 2023-12-20

 

11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

花はどこへ行った 原題:Where have all the flowers gone? 作詞作曲:Pete Seeger

 

 


原産地はアメリカ東部、メキシコでイネ科カスマンティウム属の多年草です。河川敷、川の近くの岩場、森林の斜面など、水場の近くの日当たりの良い場所に自生しています。

風に揺れる花穂が美しく、世界で広く栽培されているグラス類の一種です。花期は7月~8月。花期になると、茎の上部に花序を出し、コバンソウに似た小穂を多数付けます。

ワイルドオーツと呼ばれ、園芸界ではワイルドオーツで通っています。和名は穂の様子がコバンソウに似ていることから。

<ニセコバンソウ(贋小判草) イネ科カスマンティウム属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

西インド原産で、夏から秋にかけて毎日のように花を咲かせ続ける、清楚で愛らしい姿が特長の草花です。

生長すると草丈は50cm前後になり、5月から11月頃にかけて白や赤・ピンク・紫・オレンジなどの鮮やかな花を咲かせます。

ひとつひとつの花は数日で枯れますが、同じ株に次々と新しい花が咲くことからこの名前になったそうです。それぞれの花は1日花ではなく3~5日は持ちます。

<ニチニチソウ(日々草) キョウチクトウ科ニチニチソウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

南アメリカ原産の常緑つる性の木。沖縄では露地栽培されますが、本州では温室や熱帯植物園などで栽培、展示されています。

花はラッパ状で先端が5つに分かれて、手まり状にまとめて咲かせます。咲きはじめは紅紫色ですが、徐々に色が抜けていくように白っぽくなります。

仲間にはノウゼンカズラ 、アメリカノウゼンカズラなどがあります。名前のように近づくだけで ニンニクそっくりな匂いがします。

<ニンニクカズラ(大蒜蔓) ノウゼンカズラ科ニンニクカズラ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

熱帯アジア、インド一帯に自生するヒユ科セロシア属の一年草。日本でも関東地方以西の暖地では野生化し荒地や休耕地一面を覆う光景などがみられます。

花色は淡いピンクから濃い赤紫色で、ロウソクの炎のような形をしています。園芸植物として主に観賞されてきたのは本種とケイトウの2種で、ともに高温と乾燥に強く荒れ地でもよく育つ丈夫な植物です。

園芸品種として「セロシア」という名称で鉢花や切り花として流通しています。

<ノゲイトウ(野鶏頭) ヒユ科ケイトウ属(セロシア属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

北半球の温帯におよそ100種が分布する、毎年花を咲かせる多年草です。日本にも数種が自生しています。

主な開花期は夏で、長く伸びた茎の先端に小さな花が固まって咲きます。花色は黄色、白、ピンク、紅色などがあります。

冬は茎葉が枯れて根の状態で越します。葉っぱのフチが細かく切れ込んでおり、その姿をのこぎりに見たて、この名前があります。

<ノコギリソウ(鋸草) キク科ノコギリソウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本各地の低地から高原までの草原に広く見られる多年草です。いわゆる「野菊」を代表する植物の一つです。

一般的に用いられる「野菊」という呼名は、本種を含めた野山に咲く野生菊、約350種の総称であり、「野菊」というキクは存在しません。

野に咲く紺色の菊という意味合いで命名されましたが、花の色は白~薄紫と個体差や地域差が見られバラエティに富みます。紺色が濃い「紺菊」という園芸品種もあります。

<ノコンギク(野紺菊) キク科シオン属(アスター属)>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

日本在来種で、兵庫県から西日本の太平洋側に分布している野菊の一種。牧野富太郎博士が発見して命名しまた。

秋に咲く野菊の仲間で、葉は菊と同じような丸っこい葉をしています。野草としては美しく、白い花が沢山密集して咲きます。

兵庫県の県花であり2006年に兵庫県で開催された国民体育大会「のじぎく兵庫国体」の名称の由来はこの花にあります。

<ノジギク(野路菊) キク科キク属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 


イロハモミジの園芸品種で、江戸時代から庭木として使われてきました。春先から赤い色をしていることで有名な種類です。

春先から秋まで、やや紫がかった紅色の葉をつけるため、庭のアクセントとして使われることが多いようです。ただし、地域や環境によっては季節に応じて色が変化していきます。

ノムラという名前は人名ではなく、濃紫=葉の色からきています。また、かつてこの木は「武蔵野」と呼ばれていました。

<ノムラモミジ(濃紫紅葉) ムクロジ科カエデ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

 

約250種の野生種があり、主に南北アメリカの熱帯から亜熱帯に分布していますが、日本にもクマツヅラ一種が自生しています。

春から秋にかけての長い間花を咲かせる一年草です。羽状や楕円形の葉をつけた茎先に、桜に似た小さな5弁の花を咲かせます。

その姿から、「美女桜」という和名がつきました。花色は白、赤、ピンク、紫、青紫、紅紫などがあります。

<バーベナ(美女桜) クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

中国南部原産の半落葉性つる性植物。本種は、原産地の標高400~2000m程度の丘陵地~山地に自生する樹種です。

花はランのような形で淡いピンク、それぞれに紫色の中央線のハイライトがあり、8月終わりから降霜まで咲きます。花後には長さ8~15㎝、幅1.5~2㎝程度の莢果をつけます。

マメ科ですが、一般的なマメ科の花とは異りクサギやハクチョウソウのようにシベが長く上にそりあがる姿をしています。

<バウヒニア・ユンナネンシス  マメ科ハカマカズラ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

都市部でも普通に見られる野鳥です。草木が少ない地上に多く、スズメより長い尾を上下に振ります。「チチン、チチン」と、スズメより強い声で続けて鳴きます。

海岸、河川、池沼など水辺の他に、農耕地、駐車場、道路、工場内の舗装地など他の鳥が利用しない無機質的な場所にも生息できています。

日本では昭和になって繁殖地が北海道、東北地方、関東地方と年を追って南下してきました。現在では四国、九州でも繁殖記録があります。

<ハクセキレイ スズメ目セキレイ科 全長約21cm>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

 

アメリカ合衆国のテキサス州やルイジアナ州に自生する植物です。ガウラという名前でも流通していて、ギリシャ語で華麗なという意味もあります。

ひとつひとつの花は短命ですが、初夏から秋の長い期間、次から次に花を咲かせていくため、長い間観賞することができます。

穂状に咲く小花が風に揺れる様子は、白い蝶が群れて飛んでいるように見えることから、和名が付きました。

<ハクチョウソウ(白蝶草) アカバナ科ガウラ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

 


南アフリカに130種ほど自生していることが知られる本種は常緑の多年草です。本来はステラ属ですが、主に水生植物である近縁の本種の名前で流通しています。

花は白やピンク、紫などがあり、直径1~1.5㎝程度の小ぶりな花です。花弁は5枚、緩い半円を描き等間隔に連なっています。八重咲種や葉が斑入りの品種もあります。

冬の寒さには耐性があるので、夏の高温多湿に弱い傾向がありますが、夏を越せば次の一年も同じ株で楽しむことができる植物です。

<バコパ(ステラ) オオバコ科ステラ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

インド、熱帯アジア原産のハーブで、イタリア料理には欠かせないハーブの一つです。

原産地では多年草として扱われている種類もありますが、耐寒性がないため、日本では一年草として扱われていることが多いようです。

古代ギリシアでは王家など貴人の香水や薬に使われたことから、「王様のハーブ」と呼ばれました。

日本では、水に浸した種で目に入ったゴミを取り除いていたことから、「メボウキ(目箒)」と呼ばれていました。

<バジル シソ科メボウキ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

赤道付近の熱帯地域に生息するマメ科のつる性の植物です。大きく開いた花びらの形が蝶々に似ていることから、この名前で呼ばれるようになりました。

日本では蝶々と豆をくっつけて、「チョウマメ」とも呼ばれてます。暑さに強く、夏場にはぐんぐんとつるを伸ばし、6~9月にかけてコバルトブルーの美しい花をたくさん咲かせます。一日花で夕方には萎んでしまいます。

花はそのまま使ったり、ドライハーブにして使うことが可能です。花は非常に美しい色をしているため、ハーブティーやカクテルなどの飲み物をはじめ、スイーツやコスメなどさまざまなものに活用されています。

<バタフライピー(蝶豆) マメ科チョウマメ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

八丈島を含む伊豆諸島に分布する、高さは50~150センチと背の高いアザミです。

花期は9~11月で、頭花は紅紫色、総苞は椀形~鐘形です。花期に根性葉のつくタイプとつかないタイプがあります。

葉は普通卵形~倒卵形で,ときに狭卵形。葉が肉質でトゲがあまり発達しない特徴があります。

<ハチジョウアザミ(八丈薊) キク科アザミ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

栽培のキクとイソギクの雑種で、海岸の崖地でみられる草丈20~60cmの多年草。

葉は互生する単葉で、倒披針形~倒卵形となり、厚みがあります。葉の縁は全縁または上部が浅く羽状に裂けます。

茎の上部に密な散房状の花序を出し、頭花を数多くつけます。頭花は黄色の管状花と、白または黄色の小さな舌状花からなります。

<ハナイソギク(花磯菊) キク科キク属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

南米原産とされる常緑樹とその果実で、16世紀初めにヨーロッパ人によって世界に伝わり、多くの熱帯や亜熱帯の国々で栽培されるようになりました。日本でも沖縄や鹿児島などで生産されています。

品種によって形が違い、電球のように先が出っ張っているもの、ラグビーボールのような楕円形のもの、細長く大型のものなどがあります。熟したものは黄色く柔らかくなり、果物として食されます。

未熟の状態の青くて硬いものは野菜として利用することもでき、沖縄やタイ、フィリピンなどでさまざまな料理に使われています。

<パパイア(蕃爪樹) パパイア科パパイア属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

原産地の西ヨーロッパでは古くから野菜として扱われていました。和名の由来は美しくて立派な葉姿を牡丹の花に見立てたものです。

大和本草(1709年)に『オランダナ』の名前で登場する植物が本種とされ、その頃には日本に入ってきていたとされます。

品種の育成や選抜は主に東京の鹿骨で江戸時代から始められ、現在は大きく4つの系統に分けられています。①東京丸葉系②名古屋ちりめん系③大阪丸葉系④さんご系

<ハボタン(葉牡丹)アブラナ科 アブラナ属(ブラシカ属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 


青森県から茨城県までの太平洋岸に分布。海岸の崖・砂浜などに生えます。草本ではなく、茎が完全に木質化する低木で、完全な木本になる数少ないキク科植物です。

葉は互生し、へら形で肉厚、光沢があり,海岸植物の特徴を示します。頭花は直径6〜8cmで、白い舌状花と黄色い筒状花からなります。 

<ハマギク(浜菊) キク科ハマギク属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

中国の固有種で、湖北、四川、貴州、云南の各省に自生するミズキ科の落葉樹。4月下旬から5月に、前年枝に白いハンカチのような姿の花を咲かせます。

しかし、花弁はなく、たくさんの雄花と1個の雌花が1つの球形をつくり、大型の2枚の苞に抱かれるような形で開花します。ハンカチに見立てられるのは、この2枚の大きな苞です。

両性花の後には果実ができ、秋はキウイフルーツほどの大きさになります。果柄は4センチほどあり、果実は一つずつぶら下がります。

<ハンカチノキ ミズキ科ハンカチノキ属(ダヴィディア属)>
11/1 京成バラ園

 

 

 

 


本種は野生のスミレが交配されて生まれました。日本には明治時代末期に渡ってきたと言われています。

本来春に咲く植物ですが、品種改良が進んでいる今ではまだ暑さが残る初秋から春まで花を咲かせ、長い期間開花を楽しめるようになっています。

現在は品種改良が進み、何百種もの品種が存在していて、毎年新品種が出ています。色合いも豊富ですが、咲き方もフリル咲き、八重咲きなど、変わった咲きの品種なども流通するようになりました。

本種とビオラの違いは、見た目の大きさで判断できます。本種は花が小輪から大輪まで。小輪は4cm~5cm、中輪は5cm~7cm、大輪は7cm~10cm。10cm以上のものも存在します。


<パンジー( 三色菫) スミレ科スミレ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

サカタのタネ育成の中小輪系パンジーです。パンジーの華やかさと、ビオラの強さと多花性を併せ持つシリーズで、中小輪系パンジーの定番品種です。

連続開花性に優れ低温短日期でもよく開花します。ビオラの性質を受け継ぎ、花つきや株張りも抜群です。花径はパンジーとビオラの中間で4cm内外です。

<パンジー・よく咲くスミレ スミレ科スミレ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

オーストラリアに分布するスミレ科スミレ属の多年草です。原産地では海岸沿いの荒れ地や空き地などに自生しています。

花期は、4月~6月、9月~11月。花期になると、株の中から花茎を伸ばし、花径2~2.5㎝程度の花を咲かせます。

花には5枚の花弁があり、中心部は紫色、花弁の外側は白色をしています。花弁にはそれぞれ名前が付いており、上部の2枚が上弁、左右の2枚が側弁、下部の1枚が唇弁(シンベン)と呼ばれます。

<パンダスミレ スミレ科スミレ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

草丈が3mほどに生長するイネ科の多年草です。雌雄異株で花穂が白っぽいのが雌花、茶色っぽいのが雄花として見分けることができます。

ススキに似てると言われることの多い植物ですが、日本のススキのような軽やかさはありません。夏の終わりから秋に、真直ぐに伸びた茎の先に魔女の箒のような穂を咲かせ、花穂だけでも50cmほどある姿は圧巻です。

<パンパスグラス(白銀葭) イネ科シロガネヨシ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

中国地方から中部地方にかけて分布する比較的まれな植物で、山の草地にはえる多年草。絶滅のおそれが高い植物です。

8月から10月にかけて直径約2cmの淡紅色花を咲かせます。網目状の脈が目だって美しい花です。雄しべは10本で葯はすぐに落ちてしまい、葯が落ちる頃に雌しべの柱頭が開き始めます。

<ビッチュウフウロ(備中風露) フウロソウ科フウロソウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑦」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ⑧」に続きます。

 

 

 

 

 

 

 


11月の花のアルバム ⑥

2023-12-20 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ⑤ 2023-12-18

 

11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

あいみょん - マリーゴールド【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

 

初夏から秋にかけて白い花を咲かせる南米原産の球根植物です。 日本への渡来は古くて明治時代初期にしたので日本でも馴染みのある植物です。

「ゼフィランサス」や「レインリリー」と呼ばれることもありますが。これらはゼフィランサス属やハブランサス属の総称でもあり、本種だけを差して呼ぶものではありません。


和名の由来は、純白の花を「玉」(真珠などの丸い白い宝石)に、棒状の葉が集まっている様子を「簾」(すだれ)に見立てて名付けられたと言われてます。

<タマスダレ(玉簾) ヒガンバナ科ゼフィランサス属(タマスダレ属)>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

メキシコ原産のキク科の多年草で、根は球根になっています。日本には江戸時代1842年(天保13年)にオランダから長崎に持ち込まれました。

花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。外国から輸入された花の名前には天竺をよくつけたそうです。

大輪種から、中輪種や小輪種、一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。

そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ品種や、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。

花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。

花名は名前はスウェーデン植物学者ダール氏の名前にちなんで付けられたものです。また、花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。

<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

日本、朝鮮半島、中国、台湾などに分布する多年草で、日当たりのよい草原や岩場の斜面に群生します。日本では主に九州に分布し、対馬で多く見られます。

暖地や平地では灌木のように茂って毎年花を咲かせますが、寒冷地では寒さで枯れてしまうこともあります。春にタネをまくとその年の夏から花を楽しむことができます。

江戸時代の園芸書『花壇綱目』(1681)に記載されており、その頃から栽培されていたようです。花壇や鉢植えの他、切り花としても利用できます。中国では漢方薬の原料として用いられていました。

<ダンギク(段菊) クマツヅラ科カリガネソウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

熱帯から温帯に生育するカンナ科の多年草。カリブ諸島、熱帯アメリカ原産ですが、園芸目的で世界各地に移出しています。

園芸種のカンナの原種のひとつです。日本には江戸時代初期に観賞用として渡来しました。

花は黄色~赤色で、カンナより花が小さめです。花後は、棘のある球形の蒴果ができます。種子は数珠やネックレスなどに用いられます。

<ダンドク(檀特) カンナ科カンナ属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

本種の名前はいくつかの品種の総称で、とても長い期間(5月~11月)開花する多年草(宿根草)です。

本種の名前で流通しているのは、サルビア・グレッギー、サルビア・ミクロフィラ、サルビア・ヤメンシスの3種です。

初夏~秋まで咲き続け、基本種の花色は鮮やかな緋色で非常に目立ちます。葉は軽くもむと甘みのあるフルーツのような香りを放ち、ハーブティーやポプリに利用できます。

<チェリーセージ シソ科アキギリ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

乾燥した野原や道ばたなどに生え、しばしば群生します。特に砂利道に沿って多く見られる傾向があります。多年草で、何年もかけて根をがっしりと張っていきます。

夏の終わりから秋にかけて、エノコログサを大きくしたようなブラシ状の穂を次から次へと出します。穂の剛毛は紫がかった色をついてるのが普通ですが、ごく稀に緑色のものも見られます。

漢字で書くと力芝。多年草で何年もかけて大株に育ち、がっしりと力強く根を張ることが名前の由来となっています。

<チカラシバ(力芝) イネ科チカラシバ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

大きく分けて中国の四川~雲南地方原産の中国型とインドのアッサム原産のアッサム型があり、ツバキやサザンカに近い樹木です。

葉は先のとがっただ円形で光沢のある濃緑色でフチに細かめのギザギザがあります。晩秋から冬の初めにかけてツバキのような白い花を咲かせ実を付けて、翌年の秋に熟してタネができます。

葉を加工したものが緑茶やウーロン茶、紅茶になる製茶用の作物として有名ですが、大気汚染にも比較的強く庭木や生垣などにも利用され鉢植えで育てることもできます。

<チャノキ(茶の木) ツバキ科ツバキ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

本州の一部(紀伊半島、広島、島根、山口)、四国及び九州に分布する多年草。日本の固有種であるミカエリソウの変種で、低山の林内に生じ、時に大きな群落を作ります。

開花は9~10月で、茎の上部に伸びる長さ10~20センチの花柄に小花が穂状に密生します。花は長さ1センチほどの筒状で雌雄のシベが突き出します。花後には多数の小さな果実ができます。

正式な和名はオオマルバノテンニンソウで、テンニンソウに比べると大きくて丸い葉を持ちます。「ツクシ」は「筑紫」で九州を、「見返り」は花の美しさに人々が振り返ることを意味します。

<ツクシミカエリソウ(筑紫見返草) シソ科テンニンソウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

紅地に白斑の入る、菊のような花型の椿です。 華やかな紅地に白斑が入る菊冬至は、江戸時代から愛でられてきた誠に美しい椿のひとつでもあります。10月中旬~4月上旬頃まで咲きます。

秋より咲く希少な八重咲品種で、寒暖差が大きくなると花色が藤色から紫色っぽくなり椿とは思えないような艶やかな花姿となります。

本種は名付けられた当初は菊が咲き終わる(閉じる)頃に咲き始める椿であることから「菊閉じ」と呼ばれていたそうです。

しかし、いつしか「菊冬至」と呼ばれるようになり、読みも「きくとじ」から「きくとうじ」に変わっています。

<ツバキ・菊冬至 ツバキ科ツバキ属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

 

インド~中国、台湾、日本原産で、日本では沖縄島北部及び宮古島、奄美大島以南に分布し、常緑樹林下など湿った場所に群生します。

夏にピンク、白色、紫色のトランペット型の花を咲かせます。葉は卵形から槍形です。同属に、トレニアがあります。

希少植物で一般的に流通していませんが、花の美しさから盗掘が後を絶ちません。個体数が減少しており、環境省の絶滅危惧IA類に指定されています。

ツルウリクサ(蔓瓜草) アゼナ科(アゼトウガラシ科)ツルウリクサ属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

東南アジアを中心として、日本(九州南部、沖縄)、中国、台湾、オーストラリア北部など広い範囲に分布するランの仲間で、山野草として広く親しまれているエビネの一種です。

主な開花期は夏~秋で、茂らせた葉の間から花茎を最長80cmほどに伸ばし、その先端に30輪前後の花を密に付けます。

花色は白~黄色がかった象牙色、中心に黄~赤色の突起があります。花の大きさは径3~4cm、花びらの一部が「大」の字形になります。

ちなみに、この突起の色を丹頂鶴の頭に見立て、本種の名前が付けられました。

<ツルラン(鶴蘭) ラン科エビネ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

原産地は日本で、本州の東北南部より南、四国、九州、沖縄に分布する毎年花を咲かせる多年草です。

秋から冬に地際から長く花茎を伸ばして、キクに似た一重の黄色い花をまとめて咲かせます。長い軸を持った葉っぱはフキに似ており、その表面はワックスを塗ったような光沢があります。

「ツヤのあるフキ(蕗)→ツヤブキ」が転じて「ツワブキ」となったと言われます。冬から春にかけて、若葉をつみとって塩ゆでにすると美味しいようです。

<ツワブキ「石蕗」 キク科ツワブキ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

南アフリカ原産のシソ科の多年草(亜低木)。原産地での草丈は3m以上にも及ぶそうです。

花期は夏場を通して長く、枝先の葉腋から短い花柄の先に濃青紫色で唇形花をつけます。花径は2㎝前後程度です。

属名は、南アフリカの植物調査隊への支援者だったオランダのティネアファミリーへの献名。種小名は本種の発見地である南アフリカのバルバータ山の名に因んでいます。

<ティネア・バルバータ シソ科ティネア属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 


ヒマラヤ山系(インド・ネパール)原産のラン科の多年草。ヒマラヤ山系の降雨林帯の樹木に着生している野生ランです。

10~11月頃に長い花茎を下垂させます。花色は白色ですが、下唇弁はクリーム色状となります。花径は1~2㎝程度で下向きに開花し、とにかく花数が多いことが本種の特徴でもあります。

<デンドロビウム・デヌダンス ラン科セッコク属(デンドロビウム属)>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 


大航海時代、コロンブスがアメリカ大陸からスペインに持ち帰ったことで世界中に広まり、香辛料として使われています。

辛みのある種類と辛みがない甘み種があり、一般的には辛み種を指します。日本での主流はタカノツメです。和名唐(中国)から伝わった辛子(辛いたね)の意味です。

メキシコ原産の「ハバネロ」やタイ原産の「プリッキーヌ」、ペルー原産の「アヒ・リモ」など世界各国に様々な品種があります。「島とうがらし」は沖縄原産の小型トウガラシで、泡盛に漬けた「こーれーぐーす」は沖縄料理に欠かせないものとなっています。

トウガラシ(唐辛子) ナス科トウガラシ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

緑や紫、クリーム色から赤や黄、オレンジ色に変化するカラフルな果実を主に観賞しますが、紫や斑入りの葉をもつ品種もあり、果実とあわせて、観賞期間がとても長い植物です。

最も多く栽培されているアンヌム種は、2000年以上前から栽培され、コロンブスがスペインに伝えたことでも知られており、日本でも1500年代には栽培が始まったとされています。

食用、観賞用を問わず、日本で栽培されるトウガラシのほとんどは、このアンヌム種を改良したものですが、花色が少し緑がかったシネンセ種や、花が紫色のプベスケンス種などが交配されて、多様な品種が流通しています。

<トウガラシ(観賞用) ナス科トウガラシ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

観賞用トウガラシの園芸品種です。ピンクや黄色といったかわいい花とは違う、まるで黒真珠のような輝きを放つ、丸くてきれいな実の、ラグジュアリー感満載の花と言えます。

黒真珠のような輝きを放つ黒とも紺ともいえないきれいな実が、時間が経つにつれて対照的な赤い実に変化していく様がとても魅力的です。

<トウガラシ・ブラックパール ナス科トウガラシ属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

日本原産の落葉性の低木~小高木です。主な開花期は3月下旬~4月、葉が出る前に枝からぶら下がるように黄色い花を咲かせます。

早春から明るい黄色の花を咲かせ、レンギョウやマンサクと同様、江戸時代から庭木や盆栽、切り花として親しまれてきました。 

花の後は鮮やかな黄金色の葉が出てきますが、丸みを帯びたハート形がとても愛らしく、葉の紅葉は、黄金色が次第に黄色からオレンジへと色づき、華やかに冬へと向かいます。

高知(土佐)の蛇紋岩地に野生のものが多く見られるため、この名前があります。

<トサミズキ(土佐水木) マンサク科トサミズキ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

東南アジアに広く分布し、ミャンマーからタイ、ラオス、マレー半島、スマトラから知られます。低山帯の渓流沿いの樹上から日当たりのよい岩場などに生育します。

常緑性多年生の着生植物で、洋ランとして栽培されることもありますが、コチョウランの交配親として重視されます。

花茎は茎の側面から出て、ほぼ直立して伸び、花はこの茎の先端に近い方に10-20花をつけ、下の花から順に咲きます。開花期は秋から冬で、花は径が2-4cm、全体に鮮桃紅色です。

<ドリティス・プルケリマ ラン科ドリティス属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

原産地のインドシナ半島やアフリカで約40種が知られています。スミレに似た小さな花は可憐で、夏から秋の長期間にわたって花を咲かせ続けます。

花色も豊富、カラフルで暑さや乾燥に強く、育てやすいことから、夏の花壇に人気の草花のひとつです

花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。

<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

アフリカ、マダガスカルに200種類以上が分布する常緑性の低木です。花の咲く時期は品種により差がありますが、だいたいが晩秋~春です。

花色はピンク、赤、白、紫などがあり小さな花がたくさん集まって直径20cmほどのボール状になり、満開の時は非常にボリュームと存在感を見せてくれます。

日本ではピンク色の花を咲かせるウォリキーや、白に近い淡いピンク色のバージェッシアエ(ブルゲシアエ)などが出回っています。

<ドンベア アオギリ科ドンベア属>
11/1 京成バラ園

 

 

 

 

 

中国の中南部を原産地とし、江戸時代に種子から蝋を採る有用樹として長崎に渡来したものが、後に街路や公園に使われるようになりました。

新緑、紅葉、そして寂しい冬の街路を彩る風変わりな果実など、年間を通じて観賞価値が高い樹木です。開花は5~7月で、枝先に黄緑色をした小花が、長さ5~15センチの穂状に連なって咲きます。

秋に熟す果実は黒褐色の殻(種皮)に覆われているが、寒くなるにつれて殻が割れ、中からポップコーンのような三つの種子が飛び出します。

<ナンキンハゼ(南京櫨) トウダイグサ科ナンキンハゼ属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

野原や林の縁など、里山の環境にたくさん生えている多年草です。春の新芽が身近な山菜として親しまれているほど、ありふれた草ですが、開発の進んだ平地ではめっきり少なくなってしまいました。

初夏から秋にかけ、葉のわきから柄を出し、柄の先に赤紫色の花が数個ずつ穂になって咲きます。結実率はあまりよくありませんが、花後は細長い豆のさやができます。

成熟すると音を立てて弾け、中のタネを飛ばします。葉がナンテンに、花がハギに似ることから名付けられました。

<ナンテンハギ(南天萩) マメ科ソラマメ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

北海道から九州までの広い範囲に分布するニシキギ科の落葉樹。山地や丘陵だけでなく、人家に近い林の中にも自生します、庭木として庭園や公園にも植栽されています。

本種はスズランノキ、ニッサボクと並ぶ世界三大紅葉樹の一つとされ、日本庭園では名脇役となっています。紅葉の美しさを「錦」のような織物に例えてと名付けられ、錦木紅葉とも呼ばれます。

葉は長さ2~7センチの楕円形で先端が尖り、縁には細かなギザギザがあります。両面とも無毛。基部はクサビ形で短い柄があります。春の新葉は山菜として食べられます。

秋にできる果実は長さ8ミリほどで、10~11月頃に熟すと自然に破裂し、中からオレンジ色の仮種皮に包まれた種子一粒が顔を出します。

<ニシキギ(錦木) ニシキギ科ニシキギ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑥」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ⑦」に続きます。

 

 

 

 


11月の花のアルバム ⑤ 

2023-12-18 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ④ 2023-12-15

 

11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

SEKAI NO OWARI「サザンカ」

 

南アメリカのアンデス山脈原産で、ナス科ナス属の多年草の植物。世界中で栽培され、デンプンが多く蓄えられる地下茎が芋の一種として食用されます。

本種の花は、葉の付け根から花茎を長く伸ばし、先端に多数の花を付けます。薄紫色やピンク色、白い花などがあり、品種によって色が違い、清楚でとてもきれいな花です。

フランス最後の王妃マリー・アントワネットが好み髪飾りにしていたことは有名ですが、中世のヨーロッパの食糧危機に、庶民に本種を広めるための国王のアイデアだったともいわれています。

<ジャガイモ(馬鈴薯) ナス科ナス属>
11/2 近所の畑

 

 

 

 

東アジア沿岸地方が原産の双子葉、常緑、低木樹の植物です。温暖な海岸地方に自生しています。

初夏に咲く花はバラ科特有の5弁の花で、白色の梅に似た花はとても美しいです。秋から冬に稔る黒紫色の実は食べられませんが、奄美大島の「大島紬」は本種を使って染めているそうです。

名前の由来は花がウメ(梅)に似ているので梅に似た花をつけ、葉が車輪状に集まることから。

<シャリンバイ(車輪梅) バラ科シャリンバイ属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

中国が原産となる帰化植物で野山に多く自生しています。秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。名前に菊とありますが、学名からもわかるように菊ではありません。


 
花弁に見える部分はがくが花弁化したもので実際には花弁はありません。華道の素材としてや秋の茶花としても親しまれ、切り花として流通しています。

濃いピンク色の花は別名で京都の貴船地方に多いことから「貴船菊(きぶねぎく)」とも呼ばれます。

<シュウメイギク(秋明菊) キンポウゲ科イチリンソウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

シソ科アキギリ属には900以上の種があり、多くは宿根草ですが、二年草や低木となるものもあります。

宿根草タイプは薬用サルビアとも呼ばれるコモンセージをはじめ、数多くの種があり、ハーブや観賞用として幅広く利用されています。世界各地に分布し、日本にもアキギリなど9種が自生しています。

宿根草タイプは大きく育つものが多く、一株でも見ごたえのある存在になります。

<シュッコンサルビア(宿根サルビア) シソ科アキギリ属(サルビア属)>
11/4 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

日本には10種ほどのホトトギスの仲間が自生していますが、本種は、四国の太平洋側の地域に特産する種類で、山地の渓谷の湿った岩場や崖に見られます。

釣り鐘形で明るい黄色で長さ5cmほどの花を、葉のわきに1~2輪咲かせます。内側に赤紫色の斑点が多数あり、質は厚くてロウを塗ったような光沢があります。

1885年、牧野博士が23歳のときに日本で初めて横倉山で発見し、「宮中の貴婦人・上臈(ジョウロウ)」に例えて博士が名づけました。高知県の固有種で、県の絶滅危惧種に指定されています。

<ジョウロウホトトギス(上臈杜鵑) ユリ科ホトトギス属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

地中海沿岸部原産の常緑多年草で、現在ではヨーロッパの広域、北米、オセアニアなどで帰化しています。日本には明治時代末期に渡来しました。

細かい毛が密集した、切れ込みのある葉が美しい植物で。花壇や寄せ植えでよく見かけるシルバーリーフの代表選手です。

別名「ダスティーミラー」とも呼ばれます。6月頃その先端に黄色の花をつけます。

シロタエギク(白妙菊)  キク科セネキオ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

本種はヤマジノホトトギスの変種で、突然変異により花弁から色素が抜けた純白の花びらで、基部に少し黄色い斑点模様が入る花を咲かせます。「白楽天」という名前の園芸品種で流通しています。

ホトトギス(杜鵑)は花に斑点模様が入る種類が多く、それが「ホトトギス(不如帰)」という野鳥の胸にある模様を思い出させるのでこの名が付きましたが、本種は斑点模様が全くありません。

<シロバナホトトギス(白花杜鵑) ユリ科ホトトギス属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

本種はスイートアリッサムにとって難しい、厳しい暑さの時期でも開花するように改良された、開花期間が長い画期的なスイートアリッサムです。

真夏や真冬は花が少なくなることがありますが、ほぼ一年中小さな手まりのような花を株いっぱいに咲かせ、一年中花が途切れない花壇を作ることができるようになりました。

カラーバリエーションが豊富なことと花期が長いこともあり、人気のある花で、花壇や鉢植え、寄せ植え、グランドカバーに利用されるのが特徴です。

<スーパーアリッサム アブラナ科ニワナズナ属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

育てやすさに徹底的にこだわって改良された本種は、早春から晩秋まで長い間株を覆うようにたくさんの花を咲かせます。

本種は、雨に弱かったペチュニアの弱点を克服した厚みがある花弁のペチュニアです。たとえ長雨で花が傷んだとしても、強健で生育が早いため、すぐに回復します。

2001年に日本で初めてPWブランド(植物の国際ブランドPROVEN WINNERS)の販売が始まった時に、デビューしました。

<スーパーチュニア ナス科ペチュニア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

別名「アマランサス・クルエンタス」とも呼ばれる中央アメリカ原産の一年草です。花の寿命が長く装飾的であり、背が高く最大約2mまで垂直に成長します。

開花時期は夏から初秋、花色は赤色もしくは紫色で複穂状花序に花を咲かせます。草姿は直立して高さ約90(200)cm × 幅は約60(120)cmまで成長します。

種(実)が紀元前4000年頃から北米や中央アメリカで食料源として利用されてきました。

現在も栄養価の高い穀物としてポップコーンの様に炒り膨らませて食べられたり、お粥の様にして食べられます。

<スギモリケイトウ(杉森鶏頭) ヒユ科ヒユ(アマランサス)属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

 

南米パラグアイとブラジルの国境地帯に自生する多年生キク科の植物で、同属には154以上の種があると言われています。 

甘味はその葉部に集中しており、その葉を口に入れ、噛むだけで甘さが口中に広がり、植物由来の穏やかな甘味です。パラグアイでは400年も前からマテ茶の甘味付けに使用していました。

しかし、パラグアイは本種の生育に適さなかったことから、日本で栽培方法、甘味成分などの詳細な研究がされるまで世界に紹介されていませんでした。

本種が日本に導入され、品種改良・精製技術の確立・用途開発・安全性試験を繰り返すことにより、砂糖の200~300倍の甘さを持つ天然甘味料として世界に先駆けて製品化されたものがステビア甘味料です。

<ステビア キク科ステビア属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

本種は、ラン科の多年草です。ニューギニアに自生する地生蘭です。日本の八重山諸島に自生の見られるコウトウシランの仲間です。

草丈は50~100㎝程度。葉は数枚束生し、披針形で、互生し、基部は鞘状に茎を抱きます。

本種の開花期は不定期で、長い花茎をアーチ状に伸ばし総状花序を出し、径5㎝程度で紅色の花を数個つけます。花は長い花柄の先に下垂し、唇弁には黄色い斑模様が入ります。

<スパトグロッティス・ポルツスフィンシイ ラン科コウトウシラン属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

原産地はヨーロッパやヒマラヤ、中国などで、ピンク、赤、紫など、花穂が大変美しい落葉高木です。

雌雄異株で、モコモコとした花穂をつけるのは雌株です。秋になると葉が美しく紅葉するので、一年を通して季節の移り変わりが楽しめます。

ふわふわとして煙がかかっているように見えることから、名前がつけられました。ケムリノキ、カスミノキという別名も持っています。

<スモークツリー ウルシ科ハグマノキ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

本種の原産地は南アメリカのスリナムで、マメ科ベニゴウカン属(カリアンドラ属)の常緑低木。

高さは4~5メートルほどになり、自然に傘状樹形となり、花の形は同属のオオベニゴウカンに似て、多数の長い雄しべが球形のブラシ状になります。

その雄しべの色、オオベニゴウカンの紅色に対し本種は先端は淡い桃色、根元は白色。開花期は3月から6月ですが、11月でも咲いていました。

名前は原産地の一つのスリナム共和国に因みます。因みにゴウカンはネムノキのことです。漢字でネムノキのことを合歓と書くことから来ています。

<スリナムゴウカン(スリナム合歓) マメ科ベニゴウカン属(カリアンドラ属)>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

ヨーロッパ原産で、ハーブではコモンヤロウと呼ばれ、花壇や切り花として栽培されたり薬用としても植えられてもいます。別名をヤロウ、アキレアとも呼ばれます。

花期は6月~9月頃、白から淡いピンク色の小さな花を散房花序につけます。近年、赤色や黄色で花色の多様な品種があり、切り花やドライフラワーに利用されています。

止血作用や健胃作用の薬効があり、古代ギリシャ時代から重要なハーブとして用いられてきました。

<セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)  キク科ノコギリソウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

 

スリランカ原産の常緑低木。日当たりから半日陰を好み、乾燥に弱く、高温多湿に強い性質です。

夏の花木として花壇植えや寄せ植え、鉢植えに使われます。5月~11月頃に白い清楚な花を次々と咲かせます。

寒さに弱いため、日本では一年草扱いされることも多いですが、冬の間室内の明るい窓辺に取り込むと翌年も花を咲かせます。

<セイロンライティア キョウチクトウ科ライティア属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

東南アジアに広く分布する着生ランです。多くは木に着生しますが、岩などに着生することもあります。花の色・形状が色々とあり、マニアが多種集める植物でもあります。

本種には2種類あります。一つはヒマラヤの高山に育つ北方系で、もう一つは平地に育つ南方系です。北方系は多少寒さに強くて夏の暑さに若干弱く、南方系は寒さに弱くて夏の暑さに強いという違いがあります。

<セロジネ ラン科セロジネ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

弾けたような花型が面白いセンニチコウの品種。一年草タイプと違い、暖地では露地での越冬が可能で、初夏から冬近くまで絶え間なく咲き続けます。

品種名の「花火」が示すとおり、弾けたような花型がユニークです。マゼンダ色の鮮やかな花色に黄色シベが飛び出て、とてもカラフルです。

この品種のルーツは判明していませんが、葉の様子や宿根の様子などから、南米産の原種プルケラと、ハーゲアナ(高性センニチコウ)の交配種であると思われます。

<センニチコウ 'ファイヤワークス'  ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

本種は、センニチコウをごく小さくしたような、かわいらしい花(花穂)が多数咲き、ふんわりとしたやさしい風情が感じられる多年草です。

花はセンニチコウの小型品種‘千夏’よりもさらに小さく、花穂の大きさは5~10mmくらいです。開花期間が長く、一つ一つの花も長もちします。

本種が属するアルテルナンテラ属の他の種は観葉として栽培されますが、本種は花を観賞し、秋以降は多少紅葉します。

<センニチコボウ(千日小坊) ヒユ科ツルノゲイトウ属(アルテルナンテラ属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

 

お正月のお飾りでよく目にする赤い実は、縁起物として愛されている本種です。花言葉は利益、祝福、富、財産ですが、どれもたくさん実をつけることから付けられています。

葉は革質でつやがあり長さ8~18 cmほどで対生、先は鋭くとがり、縁には鋸歯があります。マンリョウ(万両)に対し、実の数が少ないことから本種の名前となりました。

<センリョウ(千両) センリョウ科センリョウ属>
11/23 近隣の道の駅

 

 

 

 

 

本種は日本では万葉集に読まれたり、異名である「常夏」は源氏物語の巻名の1つとなっているように、昔から愛された植物です。特に平安時代には貴族に愛されました。

本種は種類が多く、一季咲き、四季咲きがあります。一般的に和名でナデシコと呼ぶことが多いですが、昔は日本原産のカワラナデシコの事を呼んでいたようです。

現在の言葉で「ヤマトナデシコ」と言うと、それは「清楚でおしとやかな女性」を意味します。これは咲き姿が咲き乱れるというものではなく、凛としていることから来ています。

<ダイアンサス(ナデシコ)  ナデシコ科ナデシコ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

台湾ではごく普通にみられるホトトギスですが、日本での自生地は南西諸島の一部に限られ、絶滅危惧1類Aに指定されています。

絶滅危惧種なのですが、多くの庭で栽培されるため、目にする頻度は高い品種です。ホトトギスは、交配による品種改良がさかんで、いくつもの園芸品種が生まれています。

一般には、本種とホトトギスとの交配種も「ホトトギス」として売られています。多く流通しているのは、丈夫な本種とその交配種です。

日本のホトトギスと本種との大きな違いは、花の付き方です。本種は茎の上部が枝分かれして、花だけを複数つけます。対して日本のホトトギスは、葉腋に花を付けます。

<タイワンホトトギス ユリ科ホトトギス属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

 

中国南西部と台湾が原産のシセンテンノウメの仲間で、小笠原諸島に分布する固有種。

緑から赤、赤から黒紫になると熟した状態で、わずかに甘みがあります。なお、同じ品種でも熟すと白くなるものもあるとのことです。ウメより小さめの実をつけ、熟すと食べることができます。

名前は小さな梅の花が天の星のようであり、枝が立ち上がって伸びることから。だたし、ウメの仲間ではなく、バラ科テンノウメ属です。

<タチテンノウメ(立天の梅) バラ科テンノウメ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

 

中国原産で、バラ科の耐寒性常緑広葉低木です。短枝に棘があります。葉に殆ど鋸歯はありません。春~初夏、木全体が真っ白に見えるほどたくさんの白い小さな五弁花を咲かせます。

花が終わった秋~冬、黄色い小さな実を枝が撓むほど沢山付けます。姿が美しいので木は観賞用とされます。

園芸では本種をピラカンサと呼びますが、ピラカンサは本種やトキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシの総称です。本種は果実が橙色。ヒマラヤトキワサンザシは赤または橙色。トキワサンザシは赤色。

<タチバナモドキ(橘擬き) バラ科ピラカンサ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

 

東南アジアから中国にかけて自生するタデ科の植物です。本州の東北南部、以西の太平洋側と四国、九州の低山帯・平野部に分布します。

日本で古くから漢方薬や藍染めの原料として、人々の生活に昔から係わってきた植物です。特に日本の藍染めは、奈良時代に伝わった長い歴史を持っています。 

本種の葉を乾燥させ、100日間かけて発酵させたものが蒅(すくも)と呼ばれます。この蒅を用いて染めた藍染めは「本藍」「正藍」と呼ばれました。

<タデアイ(蓼藍) タデ科イヌタデ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム⑤」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ⑥」に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


11月の花のアルバム ④

2023-12-15 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ③ 2023-12-9


11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

布施明 シクラメンンのかほり

 

江戸時代に伝播した熱帯アメリカ原産の一年草。世界中に広がっている草で、日本では本州以南に分布し、河川敷等に生育する在来植物や農作物への競合・駆逐のおそれがあります。

1年草でふつうは冬が来る前に枯れてしまいますが、街中の暖かい場所では越冬していることも少なくありません。

小さな黄色い筒状花が多数集まり、束のようにまとまって、ひとつの大きな花のようになっています。本種の花は筒状花のみで舌状花(1枚の花びらのような花)はありません。

<コセンダングサ(小栴檀草) キク科センダングサ属>
11/2 近所の路傍

 

 

 

 

本種の仲間は北半球に約400種が分布する落葉、または常緑の木本植物です。5月から6月が花期で白く小さな花を咲かせます。花は5枚花弁で大きさは1cmも満たないほど小ぶりです。

花が終わり9月から10月になると果実ができます。赤く熟し葉が落ちる冬まで残るためよく目立ちます。一般的に赤い果実ですが、種類によっては白い果実がつくものもあります。

寒さに強くまた果実や紅葉が美しく、小型の種類があるために庭園樹としてよく栽培されています。ピラカンサによく似ていますが、本種の葉には鋸歯がないこと、枝にはとげがないことで区別されます。

<コトネアスター(紅紫檀) バラ科シャリントウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 


本州、四国及び九州に分布するマメ科の落葉低木。草原や路傍などで普通に見られ、ハギに似た花を咲かせるため、ノハギ、カワラハギ、ウシハギ、クサハギなどの地方名で親しまれます。

開花は7~8月で、葉の脇から伸びた花序に、淡い紅紫の花が穂状に群がって咲きます。花の後には長さ3ミリほどの円柱形の豆が黒く熟し、中には数個の種子が入ります。

和名の由来は諸説ありますが、太くて逞しい根が地中に張り巡らされるため、葉が馬の大好物であり、馬がこの木から離れなくなることによるとする説が有力視されます。

<コマツナギ(駒繋) マメ科コマツナギ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

北海道から九州までの各地に分布する落葉低木で、原野の水辺や山地の林内に多く自生します。モミジと並んで紅葉が美しいため公園等に植栽されることもあります。

開花は5~6月で、花は直径7~8ミリほどで黄緑色の花弁が4枚あります。早い場所では8月上旬から紅葉し、その色合いも鮮明であるためモミジに次いで美しい紅葉樹とされることもあります。

9~11月にはニシキギ、ツリバナ、マサキと同じようにオレンジ色の仮種皮のある果実ができます。本種の名前は、葉、果実及び樹高が、マユミよりも小さいことから付けられました。

<コマユミ(小真弓) ニシキギ科ニシキギ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布するシソ科の落葉低木。自生はやや湿気の多い場所ですが、庭木として幅広く植栽されています。日本以外では中国や朝鮮半島に分布します。

開花は6~8月で、葉の脇から伸びた花軸に、淡い紅紫の小花が10~20輪が集まって咲きます。雌雄同株で花には1本の雌しべと4本の雄しべがあり、それぞれが花先から突き出ています。

同属のムラサキシキブとともに平安時代の作家、紫式部にちなんで名付けられました。本種は樹高が1.5m程度に収まり、いわゆる下草として、より広く親しまれます。

<コムラサキ(小紫) シソ科ムラサキシキブ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 


主として葉を観賞する東南アジア原産のシソ科の植物で、日本では園芸的には一年草扱いとされます。

暑さに強く観賞期間が長いこと、群植すると特に見栄えがするので公共花壇などによく利用されます。

葉形や葉色、葉の大きさ、色合いなど様々な品種があり、園芸品種は100を超えています。

現在ではグリーンやイエロー系をベースにしたものや、深い赤色、チョコレート色、ほどよく斑が入りアンティークな大人っぽい印象のカラーなど色彩の幅も広くなりました。

生長期は、4月~6月と9月~10月で、花に負けない華やかな株姿で、鮮やかな色彩の葉を楽しめます。

種子系では秋に伸びた茎から小さな花もつきます。ただ花をつけると葉が色褪せるため、葉の美しさを優先するなら摘心も必要です。

<コリウス(金襴紫蘇) シソ科コリウス属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

日本特産の花木であり、暖地の林内や林縁に自生します。晩秋~冬に咲く花を観賞するため、庭木や鉢植えに多く使われています。

花の後にできる果実は直径1.5~2センチほどの球形で、ツバキよりも小さい。翌年の花が咲く10月頃に熟すと三つに裂け、中から黒褐色の種子が三粒ほど顔を出します。

果実から採取される油は良質で、食用油や髪油として使うことができます。種子を蒔けば繁殖できますが、栽培品種は実生ではなく、挿し木や接ぎ木で増やすのが一般的です。

<サザンカ(山茶花) ツバキ科ツバキ属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

古くから関東地方で栽培されてきたサザンカ系園芸品種です。木は立ち性で非常に花つきが良いのが特徴です

濃いピンク色で大輪系の半八重咲き。少し上向きにカップのように咲きます。

<サザンカ・七福神 ツバキ科ツバキ属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

南アフリカ東ケープル州周辺が自生地です。珪岩が多く露出した岩山の斜面や、川の峡谷の斜面などに自生しています。

地面から細い幹を立ち上げ、そこから横に広がるように地面と水平に枝を伸ばして成長します。

成長期かがピークに差し掛かると、直径3㎝ほどの白い花を次々と開花させます。

<サルコカウロン・バンデリエティエ フウロソウ科サルコカウロン属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

本種はローズリーフセージとも呼ばれる大型の宿根サルビアです。濃い桃色の丸いホウ葉が愛らしく、咲き進んでも花穂の先端は球状を保ちます。

とても強健で栽培しやすい品種です。葉にはほのかな芳香があり、株は横によく広がって枝が木質状になります。

7月頃から少しずつ咲き始め、最盛期は秋から初冬です。秋に一斉に咲く姿はみごと。秋の澄んだ空気に鮮やかな花色が映えます。

<サルビア・インボルクラータ シソ科サルビア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

サルビアには、900種類以上の品種が知られています。本品種の最大の特徴は開花期の長さです。初夏から長い間花が咲き続けます。

寒さが苦手で霜にあたると枯れてしうので、基本的に一年草扱いですが、暖地では越冬可能です。

<サルビア・サリーファン(ディープオーシャン)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

サルビアには、900種類以上の品種が知られています。原産地の北アメリカでは宿根草ですが、耐寒性がないため、日本では一年草として分類されています。

ラベンダーに少し似ている美しい青紫の花を長期間咲かせることからブルーサルビアとも呼ばれます。

花の美しさに加え、株がそんなに大きくならないこともあって人気があります。

<サルビア・ファリナセア(ブルーサルビア) シソ科サルビア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

サルビアには、900種類以上の品種が知られています。アメリカ南部・メキシコに分布する低木性のサルビアで、近縁種のサルビア・グレッギーとまとめて、チェリーセージと呼ばれることが多いです。

茎の先端から花穂を伸ばして、ちらほらと花を付けます。1度に咲く花数は少ないですが、茂ってくるとたくさんの花穂を出し、初夏~秋まで咲き続けます。

<サルビア・ミクロフィラ シソ科サルビア属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

熱帯アメリカ大陸原産のトウダイグサ科の多肉植物です。その珍しい外観のため、世界の多くの地域で観賞植物として栽培されています。

樹高30〜100cm程で、幹はトックリ形をしています。葉には長い葉柄があり、明るい緑色で掌状に3〜5裂します。

赤サンゴの様に枝分かれした花柄の先端に20~30個の橙色の花を咲かせます。殆どが雄花で、雌花は1割くらいです。

<サンゴアブラギリ(珊瑚油桐) トウダイグサ科タイワンアブラギリ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

中国中南部の原産のバラ科の落葉低木。別名では、サモモとも呼ばれます。

日本には江戸時代に中国から薬用の樹木として小石川御薬園に持ち込まれて、その後は庭木や盆栽として栽培されています。

高さ2mほどの低木で、春に小さな白い花を咲かせ、1cmくらいの丸い実を付け、秋に赤に色づきます。

<サンザシ(山査子) バラ科サンザシ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

朝鮮半島及び中国を原産とするミズキ科の落葉樹。春に咲く黄色い花や、秋にできる赤い果実を観賞するため、江戸時代から庭木として各地に植栽されてきました。

果実は直径1~2センチの扁平球。9~11月になると鮮やかに赤く熟すため、アキサンゴ(秋珊瑚)という別名があります。

また、漢字表記は山のグミを意味する「山茱萸」であり、これを音読みしたものが名前に由来します。

<サンシュユ(山茱萸) ミズキ科ミズキ属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

サントリーフラワーズの「マンデビラ」の改良品種がひとり立ちし、品種名として定着するようになりました。

大輪でカラフルな花色が揃い、名前の通りに夏気分いっぱいにしてくれる花です。原種のマンデビラより直射日光に強いのが特長です。

<サンパラソル キョウチクトウ科マンデビラ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

原産地は日本、中国、朝鮮半島、シベリアなど。日本に古くから自生してきたことから、環境にも馴染み、育てやすい植物です。

しかし、日本での自生種は九州、中国地方の山間部にわずかに確認されているくらい数を減らしており、絶滅危惧種に指定されるほどになりました。

古典の『今昔物語』に登場するほど、昔から日本人の心に訴えかけてきた植物の一つ。紫苑の「苑」は広い土地や庭といった意味があり、紫の花が群れて咲き誇る様子に由来するようです。

<シオン(紫苑) キク科シオン属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 


ヨーロッパ原産の多年草で、高さ1メートルから1.5メートルになります。花は紫紅色の長い筒状で、下から順番に上に向かって開花します。

全草に毒性があり、誤食すると、胃腸障害、おう吐、下痢、不整脈、頭痛、めまい、重症になると心臓機能が停止して死亡することがあります。

英名フォックスグローブ、和名「狐の手袋」とも呼ばれ、花が手袋の指を切り取られた時の形に似ていることから由来します。

<ジギタリス(狐の手袋) ゴマノハグサ科キツネノテブクロ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 


宮城県及び新潟県以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布する常緑樹。

山林に自生するが光沢のある葉が美しく、サカキやヒサカキと同様、神仏事に使う実用性のある木として、江戸時代から寺社や墓地等に植栽されてきました。

土葬の時代は動物に掘り起こされないよう、本種の枝葉を共に埋葬したという風習から、ハカバナ(墓花)と呼ばれ、地方によっては縁起の悪い木として、庭に植えるのをタブー視されてもいます。

葉や樹皮など全草に有毒成分を含み、秋にできる果実も有毒であるため「悪しき実」とされ、これが転訛し本種の名前で呼ばれるようになったという説もあります。

<シキミ(樒) シキミ科シキミ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

ブラジル原産の常緑低木です。花は朝咲いて翌日には散る1日花で、鮮やかな紫色の花が次から次へと開花します。

まるでクモが歩いているように見える雄しべの形から「ブラジリアン・スパイダー・フラワー」の別名もあります。

和名の由来は「紫紺色の野牡丹」で、アジアを中心に分布する別属のノボタンより、花色が濃い紫色であることを意味します。

<シコンノボタン(紫紺野牡丹) ノボタン科シコンノボタン属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

中国四川省を原産とする常緑のカキ。共に庭木や盆栽として使われるロウヤガキに似ていますが、ロウヤガキは落葉性であることが異なります。

花の後にできる実は直径2~3センチで文字どおり豆サイズですが、甘味があって食用できます。しかし、雌雄異株であるため雌雄それぞれの株を植える必要があります。

実は一般的なカキとは異なって枝に直接できず、柄にぶら下がってできるのが特徴です。実には羽根のようなヘタがついています。

<シセントキワガキ(四川常磐柿) カキノキ科カキノキ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。初夏~晩秋にかけての長い期間花を咲かせ続けるところから「百日草」とも呼ばれ、今では5月~11月と百日どころではない長期間咲く草花です。

たくさんの品種と系統があります。草丈も高性種から矮性種まであり、花のサイズも超大輪、大輪、中輪、小輪と色々。咲き方もポンポン咲き、カクタス咲き、ダリア咲き等とても多様です。

<ジニア(百日草) キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

日本の山野で見られる多年草。冬になると枯れた茎に霜柱ができることで以前から花名は知られていたものの、鉢花や花苗として出回ることは山野草店を除けば稀でした。

近年、宿根草の植栽が盛んになるにつれ、花の少ない秋に咲く丈夫な多年草として注目され、出回る機会も増えました。花は筒状で白色、やや長めの総状花序になり、全体的に片側にかたよって花がつくのが特徴です。

冬になると名の通り、枯れた茎に霜柱ができます。霜柱は根から吸い上げられた水分が枯れた茎からしみだし、冷たい外気に触れて凍っていくことで作られていきます。

<シモバシラ(霜柱) シソ科シモバシラ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム④」25品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ⑤」に続きます。


東漸寺(とうぜんじ)の紅葉

2023-12-13 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 本土寺の紅葉  2023-12-11

12月8日にブロ友さんから教えていただいた「本土寺」と「東漸寺」に紅葉を見に行ってきました。今回は東漸寺の紅葉をご紹介します。

私の写真はブロ友さんのように目を見張るような、美しい紅葉写真ではなく拙い写真です。私の記録として東漸寺の紅葉を投稿しますので、さらっと眺めていただけると嬉しいです。

 

紅葉

 


千葉県松戸市の東漸寺は、今から約540有余年前の文明13(1481)年、経譽愚底運公上人により、当初、この地より1キロ北東の根木内に開創しました。

<総門> 写真は東漸寺HPよりお借りしました。

総門の向かって右には「勅願所」の石碑が建っています。「勅願所」というのは、皇室の繁栄無窮を祈願する寺として指定されたものです。

<本堂>


この後、約60年後の天文年間、現在地に移され、江戸初期に関東十八檀林の1つとされた名刹です。

<本堂>

江戸時代に幕府の擁護を受けた東漸寺も、廃仏毀釈等で神殿、開山堂、正定院、浄嘉院、鎮守院などの堂宇を失ってしまいました。

<鐘楼>

昭和40年後半より、開創500年記念復興事業として、熱心な檀信徒の協力を得て、本堂、鐘楼、中雀門、山門、総門の改修、書院の新築、平成8年に観音堂の再建を完遂し、現在に至っています。

<鐘楼>

千葉県で最も歴史のある街のひとつとして知られる旧水戸街道小金宿は、東漸寺を中心に形成されていました。

<中雀門>

近所に旧水戸徳川家の旅館もあり、旧水戸街道沿いを南に下ると、かつての旅篭「玉屋」があります。

<中雀門>

このあたりは、今でも「屋号」で呼び合っている家も多く、宿場町であった名残を偲ぶことができます。


現在の北小金駅北口より700メートルほど行くと、あじさい寺で有名な本土寺があります。

ほかにも旧小金宿界隈には、由緒ある寺院や神社が多数点在しています。

<寺務所>

境内には、樹齢340年を超えるといわれているシダレザクラやマツがあり、松戸市の保護樹木に指定されています。

しだれ桜や、鶴亀の松、参道の梅やあじさい、もみじなど、四季折々の自然に触れ、日本の伝統美を感ずることのできるお寺として、多数の参詣者が訪れます。

仁王門は文化元年(1804)に楼門造り(竜宮門風)の門に再建され、昭和52年に営繕しました。

<仁王門・表(仁王像)>

昭和62年には、西村公朝東京芸術大学名誉教授監修、京都・佐川定慶仏師により仁王像を新しく迎えました。

<仁王門・裏(狛犬)>

<狛犬(阿)>

<狛犬(吽)>

現在では賑わいを求めて4月の御忌まつり、12月の除夜の鐘など毎年、多数の参詣者が訪れます。

 

2回に渡り、「本土寺の紅葉」と「東漸寺の紅葉」をご覧いただきありがとうございました。

 


本土寺(ほんどじ)の紅葉

2023-12-11 | みんなの花図鑑

今年は酷暑の夏と短い秋で、紅葉を見るのを諦めていた私です。でも、ブログを巡回すると、ブロ友さんの投稿に目を見張るような美しい紅葉を目にします。

遅まきながら、12月8日にブロ友さんから教えていただいた「本土寺」と「東漸寺」に紅葉を見に行ってきました。

紅葉

 

今回は私の記録として、本土寺と東漸寺を2回に分けて投稿します。私の写真はブロ友さんのように、目を見張るような美しい紅葉写真ではなく拙い写真です。さらっと眺めていただけると嬉しいです。

 

千葉県松戸市にある本土寺(ほんどじ)は、日蓮宗の本山で、山号は長谷山本土寺(ちょうこくざんほんどじ)です。松戸市内屈指の花の名所で、別名「あじさい寺」として名高い日蓮宗の名刹です。

<本堂>

文永6年(1269年)、日蓮に帰依した蔭山土佐守が「小金の狩野の松原」の地に法華堂を建てたのが本土寺の起源といわれます。

境内に入ると高さ約18mの五重塔が印象的です。初夏に約50,000株のあじさいが境内を埋め尽くす光景はまさに圧巻です。

<五重塔>

五重塔とあじさいの共演が美しく、花菖蒲とともに名所として知られています。

<五重塔>


五重塔は平成三年に、日像菩薩六百五十遠忌記念として建立されました。高さ18m、中にインドのネール首相より贈られた真仏舎利の一粒を納め、千体佛と共に祀られてます。

秋になると約1000本のモミジが境内を彩り、赤色に染まる境内はより一層風情豊かな彩りになります。

そのほか、梅や木蓮、コブシや藤、曼珠沙華などの花も見ることができ、年間を通して多くの参拝者が訪れます。

<本堂>

本堂はもともとは祖師堂でしたが、明治十五年宗祖六百遠忌に場所を移し本堂とし、昭和五十二年宗祖七百遠忌に時に五間四面の拡大改造され今日に至ります。

<本堂>

本土寺の「本土」とは法華経壽量品に説かれる「我此土(わがこのど)」つまり、久遠実成の本仏であるお釈迦様がお住まいになる国土を意味しています。


また本土寺の草木・花々は、仏土を鮮やかに彩る「宝樹」であり、お釈迦様だけでなく我々衆生をも「心の安らぎ」へ導くという祈りが込められています。

鐘楼は二間四面、茅葺。梵鐘は建治四年(1278)の鋳造銘があり、千葉県下第二の古鐘です。昭和五十二年に国重要文化財に指定され、実物は宝物殿の中に保管されています。

<鐘楼>

境内には、日像聖人をお祀りする像師堂の側らに「乳出のご霊水 日像菩薩誕生水の井戸」が遺されおり、安産・子育てに霊験があると伝えられています。

宝物殿は間口三間、奥行四間。以前は三坪程の土蔵であったのを、宗祖六百五十遠忌の時に日真上人が発願し、 昭和五年に建造されました。

<宝物殿>

宝物殿には当山の霊宝、什物、古文書など収められ、代表的なものとして宗祖真筆加判の御本尊、宗祖御真筆諸人御返事等御書、梵鐘など収められています。

 

長々と「本土寺(ほんどじ)の紅葉」をご覧いただきありがとうございました。次回「東漸寺(とうぜんじ)の紅葉」に続きます。


11月の花のアルバム ③

2023-12-09 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 11月の花のアルバム ② 2023-12-5

11月に出会った植物の花や鳥の写真を整理してみました。11月はやっと秋らしい気候になり、植物・野鳥・昆虫など約230品種ほど撮影できました。毎月恒例の記録として10回に分けて投稿しています。

今回も、10月の花のアルバム同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

 

あざみの歌 倍賞千恵子


クリスマスが近づくと街のあちこちで見かけるのがシクラメンです。シクラメンというと屋内の鉢花が定番ですが、これは耐寒性のある戸外で育つシクラメンです。

比較的耐寒性が強いので、冬の屋外でも楽しむことができます。花色は、白やピンク、赤などがあり、形もいろいろあります。最近は、八重咲きで、高級感のある品種もあります。

なぜクリスマスにはシクラメンなのかを調べてみました。日本では「恋人と過ごす日」としてクリスマスが定着しています。そんなクリスマスに「誠実な愛の誓い」という意味が込められいるシクラメンはピッタリな花なのです。

<ガーデンシクラメン サクラソウ科シクラメン属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

アメリカ原産のアゲラタムで、現在ではアメリカ南東部の他、アフリカやアジアなど世界の広い地域で帰化状態にあります。日本でも沖縄で帰化植物として定着しています。

5月~10月の花期になると、ふわふわとした質感の青や紫のアザミに似た花を咲かせます。仲間は約40種あり、花色はブルー系が一般的ですが、白やピンクの花が咲くタイプもあります。

和名は、葉っぱのかたちが薬草のカッコウ(シソ科の多年草)に似ていて、アザミのような花が咲くことから付けられました。

<カッコウアザミ(霍香薊)  キク科カッコウアザミ属(アゲラタム属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

沖縄を除く中部地方以南の各地に分布するバラ科の常緑広葉樹。山地の沢沿いや海辺の丘陵で稀に見られます。赤みを帯びた新芽や光沢のある葉が美しく、庭木として垣根などに使われています。

開花は初夏(5~6月)で、小枝の先に直径10センチほどの傘形をした花序ができます。花の後には直径5mm弱の楕円形の果実がなり、11~12月になると赤く熟します。

名前の由来には、葉がモチノキに似て、材質が堅く、扇子の要(かなめ)や骨に使われたことに由来するという説と、赤い芽のモチを意味する「アカメモチ」からの転訛とする説があります。

<カナメモチ(要黐) バラ科カナメモチ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 

 

カリブラコアは1990年にペチュニア属から分かれて独立した新しい属で、1994年にサントリーが「ミリオンベル」というブランド名をつけて販売したのが始まりです。

本種はPW(Proven Winners:アメリカの優れた草花をセレクトするブランディング機関)が選んだ暑さや雨、病気に強いカリブラコアです。

<カリブラコア・カプチーノ ナス科カリブラコア属>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

のど飴の材料として有名な本種。名前は聞いたことがあっても、どんな果物なのかはよくわからないという人も多いのではないでしょうか?

中国東部原産のバラ科の果物です。ピンクの5弁花の美しさや新緑、紅葉を楽しめることに加え、香りのよい大きな果実がなることなどから庭園樹としてもたいへん人気があります。

果実は350~500gほどの大きさで、パパイヤのように楕円形をしています。皮の表面はつるりとしていて、薄い黄色です。日本には平安時代までには伝わり、薬や鑑賞のために利用されていたようです。

名前が「借りぬ」に似ていることから、借金をしないですむという願いを込めて庭に植える習慣がある地域もあるそうです。

<カリン(花梨) バラ科カリン属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 



 

東アジアの温帯から日本各地の山野に生える多年草で、全体に特有な香りがあります。草丈は40~100cmで、茎は四角で直立し、よく分枝します。

葉は対生、広卵形をし有柄です。花期は8~10月、10cm程の花穂に青紫色の小さな唇形花を密生します。雄しべ4本が花の外に突き出ているのが特徴です。

中国の「薬材学」では本種を藿香(カッコウ)としています。現在日本で藿香として市販されているのは、広東省、海南島で栽培されているパチョリです。

藿香の香りはウッディかつ東洋的で、優しく上品さを感じさせる香りです。パチョリは、1960年代にサイケデリックやフラワームーブメントを象徴する香りとして、白檀やジャスミンと並んで世界中で大流行しました。

<カワミドリ(川緑) シソ科カワミドリ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 


日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに広く分布する多年草です。日当たりのよい草原に見られますが、国内ではそのような場所が激減したため絶滅危惧種になっています。

古来より美しい花が人々に愛され、万葉集のなかで秋の七草と歌われている朝貌(アサガオ)と表記されています。秋の七草はの始まりは奈良時代、山上憶良が万葉集で詠んだ歌が由来とされます。

<キキョウ(桔梗) キキョウ科キキョウ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

 


春のサクラに対して日本の秋を象徴する花です。日本で観賞用多年草植物として発展した品種群を和菊、西ヨーロッパで育種されて生まれた品種群を洋菊と呼びます。

名前は「窮まる(きわまる)」がその語源となり、「一年の最後に咲く花」という意味であるともいわれます。

しかし、旬の季節は秋ですが、園芸品種では1年を通じて栽培されており、年間通じて観賞することができます。

<キク(菊) キク科キク属>
11/15 柏の葉公園

 

 

 

 

日本で育つ本種は草丈30~100cmほどで、一般的なコスモスより背が低くて、深い切れ込みと幅のきいた葉っぱが特徴です。

もともと、黄色とオレンジ色の花しかなかった本種ですが、1966年以降品種改良によって赤色の品種も流通するようになりました。

キク科に属する一年草で、コスモスの仲間であること、花の色が黄色やオレンジしかなかったことから本種の名前で呼ばれるようになりました。

<キバナコスモス(黄花秋桜) キク科コスモス属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 


ヨーロッパ、西アジア原産の多年草。薬用の他、観賞用として栽培される多年草。近年では根を食用として栽培しているところがあります。タンポポに似た花を咲かせ実もタンポポに似ています。

西域の婆羅門が中国の皇帝に献じたことからついた名だそうです。もともとは紫色の花をつける同種があり、本種は黄色の花なので「キバナ」となったようです。

<キバナバラモンジン(黄花婆羅門参) キク科フタナミソウ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 

 

地中海原産の宿根草ですが、夏の暑さに弱いため日本では半耐寒性の一年草として扱います。草丈は20cm~1m程まで品種によって異なります。

古くからヨーロッパで品種改良が進み、最近ではペンステモン咲きや八重咲きの品種も人気があります。花色は白、黄、桃、赤、紅紫、橙、複色など豊富にあります。

花穂を大きく伸ばして金魚に似た色鮮やかな花を咲かせることから名前がつきました。

<キンギョソウ(金魚草) ゴマノハグサ科キンギョソウ属(アンティリナム属)>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

東アジア原産のナス科クコ属の落葉低木。荒れ地などに見られ、夏から秋にかけて薄紫色の花を咲かせて、秋に赤い果実をつけます。

中国では古くから「不老長寿の薬」とされ、世界三大美女のひとり、楊貴妃も毎日食べていたとも言われています。

日本でも古くから健康長寿の食材と知られ,「徒然草」にも登場する久米仙人も愛用し186歳まで長生きしたとされます。

<クコ(枸杞)ナス科クコ属>
11/8 東邦大学薬用植物園

 

 

 


熱帯アメリカ原産のフウチョウソウ科の一年草です。南米南部を中心に、ブラジル南東部にも分布しています。和名は特徴的な花姿を、蝶が風に舞う姿に見立てたものです。

花期になると、茎の頂部に総状花序を出し、花径3~4㎝程度の花を多数咲かせます。美しい花を咲かせることから、世界の広い地域で観賞用として導入されています。

日本へは明治時代初期に渡来し、夏の花壇を彩る花として広く栽培されています。品種改良はあまり行われておらず、ほぼ原種に近い形で流通しています。

<クレオメ(西洋風蝶草) フウチョウソウ科セイヨウフウチョウソウ属(クレオメ属)>
11/14 あけぼの山農業公園

 

 

 

 

西アフリカ原産の常緑半つる性低木。蝶が舞うような形のブルーやピンクの可愛らしい花を咲かせます。

青花はブルーエルフィンやブルーバタフライフラワーという名前でも流通したりします。青花ではなくピンクのパピヨンローズなどもあります。

本種の仲間は種類が多く、ウガンデンセ、ゲンペイカズラ(源平葛)、クラリンドウ、ブンゲイ(ボタンクサギ)という種類もあります。

クレロデンドルム  シソ科クサギ(クレロデンドルム)属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

日本には野生種は存在せず、インドなどの熱帯アジア原産の植物です。平安時代以前に大陸から渡ったとされ、万葉集に「韓藍(カラアイ)」の名称で登場しています。

日本原産ではない植物ですが、日本の気候が生育に適するため、日本での品種改良が盛んで、世界で園芸品種や切り花品種として流通している本種はほぼすべて日本で育種されたもののようです。

「花に見える部分は本当は花ではなく、隠れて小さい花が付いている」というパターンの植物は、アジサイやカラーなど、とても多いですが、本種の花もそのタイプです。

<ケイトウ(鶏頭) ヒユ科ケイトウ属>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 

 

メキシコや中米を原産とするキク科の球根植物です。一般的なダリアは生長しても1m程度にしかなりませんが、本種は5m程度の草丈にまでなります。

その貫禄ある花姿から、「ダリアの王様」と呼ばれることも。他の花々を見下ろすように咲き乱れる姿は、圧倒的な存在感があります。

花色は、ピンクや紫色で、直径20cmの大輪の花が茎の頂上に咲きます。その花姿はダリアの王様にふさわしい気高さがあります。

<コウテイダリア(皇帝ダリア) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
11/14 アンデルセン公園

 

 

 


日本では冬鳥です。オスの色彩はカラフルですが、メスは茶色系で地味で細かい模様をしています。

湖沼、河川、池、海岸などに群れでいることが多く、都市部の小さな川や公園の池でも見られます。地上や、水面で餌を摂ることが多いですが、時に逆立ちして水面下の餌もとります。

地上に巣をつくるので、害敵から見えにくい色彩でいることは種の連続のために大切なことです。日本の水辺にやってくるカモ類ではいちばん小さいカモです。

<コガモ(小鴨) カモ目カモ科マガモ属 全長38cm>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

キクにはさまざまな分け方がありますが、一つの分け方の例として以下の項目でキクの仲間を扱っています。本種は日本で作出された花径6cm以下の小輪多花性のキクです。

大ギク(大菊) …菊花展などで見られる観賞菊など
古典ギク(古典菊) …伝統菊、江戸菊、伊勢菊、肥後菊など
小ギク(小菊) …懸崖仕立てや盆栽仕立てで楽しむ小ギクなど
ポットマム(洋菊) …ポットマム、スプレーマム、ガーデンマムなどの洋菊の仲間
野生ギク …山野草として楽しむキクなど

<コギク(小菊) キク科キク属>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 


長い首を伸ばしたまま飛ぶトキ、ツル、コウノトリの仲間と違い、サギ類は縮めて飛びます。

白いサギ類にはさまざまな種がいて、種の同定は簡単ではありません。多くの白いサギは黒いくちばしが秋冬に黄色くなりますが、本種だけは1年中黒いのが特徴です。

白いサギ類はカラスより大きい種が多い中で、ほぼカラスサイズで比較的小さいことから本種の名前になりました。

白いサギ類では最も数が多いとされてきた本種ですが、繁殖地が減ってしまい、地域によっては絶滅危惧種に指定されています。

<コサギ(小鷺) ペリカン目サギ科 全長約61cm>
11/15 北柏ふるさと公園

 

 

 

 

コスタリカ、ホンジュラス、ニカラグアが原産で、海面から標高約1000メートルまでの湿った森林に生息しています。

高さは90cmになり、葉は濃緑色で軟らかく、長さ35cm、幅20cmで表面には不明瞭な縞模様があります。葉に被われた茎の先に、赤い縞に彩られた黄色い花を咲かせます。

<コスタス・マロルティアヌス ショウガ科ホザキアヤメ属>
11/4 つくば実験植物園

 

 

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

「11月の花のアルバム③」20品種を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「11月の花のアルバム ④」に続きます。