Ninbuのスマホで撮った花だって美しい!

サイクリング・テニス・散歩等の道すがら、公園・野原・湖畔・川辺等で見つけた美しい花をスマホで撮っています。

6月の花のアルバム ⑫ (最終回)

2023-07-31 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑪ 2023-07-30

今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 

中国、朝鮮半島、日本の本州から琉球列島に分布します。江戸時代には欧米へ渡り観賞樹木として栽培されています。

花のように見えるのは本来の花弁ではなく、ハナミズキと同様、総苞片(花のつけ根の葉)です。そのため比較的花の観賞期間も長いのが特長です。

ハナミズキに比較すると開花時期が遅く、葉が出たあとに枝先に開花するので華やかさは少ないのですが、梅雨どきの花木としては価値が高い存在です。

名前の由来は中央の丸い花穂を坊主頭に見立て、4枚の白い苞を白頭巾に見立てたものだと言います。

<ヤマボウシ(山法師)  ミズキ科ミズキ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

ホタルブクロの変種です。ホタルブクロとの違いは、本種は萼のつけ根が丸く膨らんでいるのに対して、ホタルブクロの方はその部分がめくれて、反り返っていることで見分けます。

茎に垂れ下がるようにして円筒形をした薄い紅紫色の花をところどころにつけます。花の長さは4~5センチで、先が浅く5つに切れ込みます。

葉は長さが5~8センチの三角形に近い卵形で、互い違いに生えます。花の後にできる実は、熟すると下部が裂け、種子が散布される果実です。

<ヤマホタルブクロ(山蛍袋) キキョウ科ホタルブクロ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

温暖な低地に自生し、西日本の太平洋沿いではごく普通に見られます。葉が密生することや丈夫な性質を持つことから、街路樹、公園樹、防風林として多く植栽されています。

初夏に熟す直径1~2センチの果実は、表面に小さな多汁質の凹凸があり、6~7月になると暗い紅紫色に熟します。甘味、酸味に加え、松脂のような雑味があり、生で食べることができます。

<ヤマモモ(山桃) ヤマモモ科ヤマモモ属>
6/6 近所の雑木林

 



花名はトウダイグサ科の植物を総称した呼び方です。原種は2000種以上あり、形態も一年草、多年草、多肉植物、低木とバラエティに富み、日本にもナツトウダイなど数種が自生しています。

いずれも個性的な草姿と花が魅力で、花は小さいのですが、そのまわりの苞が赤や黄色で大きく広がり、色や形が長く残るので、2か月近く観賞することができます。

<ユーフォルビア(灯台草)トウダイグサ科トウダイグサ属(ユーフォルビア属)>

6/15 アンデルセン公園

 

 

南アフリカ原産のキク科の常緑低木です。樹高は90〜100cmほどで、低木に分類されています。暑さや寒さにはほどほどに耐える性質です。

開花期は11〜5月と長く、しかも冬でも咲いてくれるのが最大の美点。マーガレットのようなキク科らしい花を次々と咲かせます。

<ユリオプスデージー キク科ユリオプス属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

北アメリカ東南部からメキシコ湾岸の湿地を原産とするスギ科ヌマスギ属の落葉高木。日本に来たのは明治時代で、よく似たメタセコイアと共に公園などに植栽されます。

花の後には球形の種子ができ、10~11月になると暗褐色に熟します。種子の大きさは直径2~3センチが普通だが、5センチ以上になるものもあれば、結実しない木もあるなど個体差が激しいようです。

名前は秋になると羽状の葉が枝ごと落下することに因みます。

<ラクウショウ(落羽松) ヒノキ科ヌマスギ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

ラベンダーとヒロハラベンダーの交配種で、花も大きく生育旺盛で大型に育つ株が多く、幅広い葉に強いカンファー臭(樟脳)があります。長い花茎にイングリッシュラベンダーより淡い~明るい紫の花を咲かせます。開花はイングリッシュより1ヶ月ほど遅く、花つきよく多収量のため、営利栽培で切花や採油目的で作られます。

ラベンダーと同じくハーブとして肉料理の臭み消しや風味づけ、お菓子などの匂い付けに利用されます。

<ラバンジンラベンダー シソ科ラベンダー属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

地中海沿岸原産のシソ科の植物で、高さは種類にもよりますが20cm~130cmくらい、細く真っ直ぐな茎の先に紫色の小花を咲かせます。

多くの薬効をもつハーブとして、消毒や防腐、美容など様々な分野で古くから利用されてきました。現代でも、その香りのよさや効能からアロマオイルをはじめ様々な用途に使われています。

<ラベンダー シソ科ラベンダー属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


トルコからイランににかけて分布する多年草で、近年香りの良いハーブとして人気の植物です。

和名の「ワタチョロギ」は、葉が綿のようなチョロギという意味です。「チョロギ」とは梅酢で赤く染めて正月の料理に添えられる「長呂木」のことです。

<ラムズイヤー(綿草石蚕) シソ科イヌゴマ属>
6/15 アンデルセン公園

 

原産地は北アメリカでキク科ユリアザミ属の草花です。

寒さや暑さに強い性質のため育てやすい植物です。

開花期は6〜9月頃で、花色は紫、ピンク、白などです。


真っ直ぐに花穂を立ち上げて小さな花をびっしりとつけ、頂部から下に向かって咲き進むのが特徴的です。

葉は細長い線のような形で、放射状につきます。

葉がユリに似ていることから、「ユリアザミ」と呼ばれることもあります。

<リアトリス(麒麟菊) キク科ユリアザミ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

やや乾いている林に生育している落葉樹です。7月から9月に枝先に長さ10~15cmの花穂をつけ、ウメの花に似た白色の5弁の小さな花をたくさん咲かせます。

樹皮は、サルスベリに似てツルツルして斑に剥げて美しい。柔らかな若葉は食用になり、茹でて干すと長期保存ができるので、昔は重要な救荒食でありました。

平安時代の深刻な飢饉の時代に、民へ田畑に一定量の本種を植え、飢饉に備える様に命じた令法(官令)が出されたところから、令法の字を本種の名で呼ぶ様になったそうです。

<リョウブ(令法) リョウブ科リョウブ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

北アメリカに分布するキク科オオハンゴンソウ属の一年草、二年草、または多年草です。日本ではオオハンゴンソウ属の園芸品種を「ルドベキア」と呼びますが、その大半が本種から作出されています。

花期は7月~9月。花期になると、伸びた茎の頂部に頭花(とうか)を咲かせます。一輪の花に見える部分は、外周の花弁のような舌状花(ゼツジョウカ)と、中心部分の小さな管状花(カンジョウカ)から作られた集合花です。

別名が「アラゲハンゴンソウ」でアラゲとは葉や茎に毛が生えていることが由来です。日本で野生化していて、日本では牧場跡や鉄道跡に生えていたため「牧場花」「鉄道花」とも呼ばれていました。

<ルドベキア・ヒルタ(粗毛反魂草) キク科オオハンゴンソウ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

南米のブラジル南部~ウルグアイ原産で、ガガイモ科オキシペタルム属の半蔓性常緑多年草です。

春から秋までの長期間、葉腋から小さな空色の5弁花を小グループで咲かせます。花色は時間経過と共に、空色、濃青、桃色、紫へと変化し、萎みます。

<ルリトウワタ(瑠璃唐綿) ガガイモ科オキシペタルム属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


キキョウ科ロベリア属の総称で、世界に350種以上あるといわれています。

一般的にはロベリアというと、こんもり丸く咲くロベリア・エリヌス種をさしているそうです。

最大の特徴は、カーペットの様に地面を広がる草姿と葉を覆い尽くす程に咲き誇る花姿にあります。

花は青色の他にも桃色や白色等と多くの花色があります。

和名の由来は瑠璃色を連想させる美しい花が、溝を覆い隠す程に咲き誇る花姿からきています。

<ルリミゾカクシ(瑠璃溝隠) キキョウ科ミゾカクシ属>
6/15 アンデルセン公園

 


明治時代の終わりに、牧草とともに日本にやってきました。野菜のナスと同じ仲間で、花後に黄色く丸い果実ができることもありますが、これは食べられません。

花色は淡い青紫色で、その色の濃淡は株によってちがいます。白い花をつける株も存在します。

花の美しさとは裏腹に茎や葉には鋭い刺が多数あり、触ると非常に痛い思いをします。さらに、繁殖力が強く、一度の家に侵入すると根絶は困難になります。それゆえ、たちが悪いとされています。

<ワルナスビ(悪茄子) ナス科ナス属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

6月の花のアルバムを12回に渡り、220品種の植物などを最後までご覧いただきありがとうございました。次回は「7月の花のアルバム」をご紹介する予定です。次回もご覧いただけると、とても嬉しいです。

6月の花のアルバム ⑪

2023-07-30 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ➉ 2023-07-29

今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 


オーストラリア原産で、自生地では低木のようになる多年草ですが、日本の園芸上は一年草として扱われます。頂部にある総苞片が魚の鱗状で薄く花弁のように見えます。

花色は赤、ピンク、橙、黄、白などたくさんの色があります。花は固くてカサカサした触感で光沢があるのが特徴です。

別名であるムギワラギクや帝王貝細工は、硬い花弁がそれぞれ乾燥した麦藁(むぎわら)・貝細工に見えることから名付けられたようです。

<ヘリクリサム(ムギワラギク・帝王貝細工) キク科ヘリクリサム属>
6/15 アンデルセン公園 

 

 


南アフリカ原産の多年草。葉は50cm程の長楕円形で、縁は波状になり刺があります。

7-8月に花茎の上部に数個の頭状花序をつけます。キク科なので、頭花は舌状花と筒状花からなり、舌状花は淡い藤色~濃い藤色まれに白色、筒状花は紫色です。

<ベルクヘヤ・プルプレア キク科ベルクヘヤ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

世界に200~300種があり、直立する高性種から這い性のものまでバラエティに富み、日本には帰化植物を含めて20種ほどが自生しています。

ルリトラノオなどの仲間で、縦のラインが美しく、スマートな草姿とさわやかな花色が魅力の花です。

英名の「スピードウェル」は、グッドバイの意味があり、花がすぐに散ることに由来しますが、花数が多く、わき芽が咲くものも多いので、長い期間観賞できます。

<ベロニカ(瑠璃虎の尾) オオバコ科クワガタソウ属(ベロニカ属)>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

アフリカ大陸の東部やアラビア半島南部、マダガスカルなどの熱帯が原産です。

本来は多年草ですが、冬越しが難しいため日本では一年草として扱われることが多くなります。

五つの花弁を持ち、星型の愛らしい花をつけます。色はピンクや赤、白、紫などさまざまです。

花の時期が長いのも特徴で、初夏から秋まで次々と小さな花を咲かせます。

「サンタンカ」は熱帯原産の花で、日本では江戸時代には伝わってきていたとされています。姿形が似ていることから、本種が「クササンタンカ」と称されるようになりました。

<ペンタス(草山丹花) アカネ科ペンタス属>
6/15 アンデルセン公園

 



さかもと園芸(群馬県)作出のアジサイ品種です。2014年-2015年ベスト・フラワー(優秀賞)、グッドパフォーマンス特別賞を受賞しています。

<審査講評>
・ビビットなピンクが素敵で、八重の花型が見事なアジサイ。
・とても丈夫であるため消費者の手元で育てやすく、総合的に優れている。
・特にブルー特に青色のものは、夏色になり始める時の絶妙な色の美しさは素晴らしい。
・完成度が非常に高い、秀逸な品種である。

<ポージィブーケ・ビビアン(アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

中国原産の多年草で、日本でも山野などに自生している植物です。別名釣鐘草と呼ばれ、釣鐘型の花を下向きに咲かせる植物です。

控えめな印象の可愛い花が古くから親しまれてきました。昔この筒状の花に子供がホタルを入れて遊んでいたことから、この名前になったと言われています。

<ホタルブクロ(蛍袋) キキョウ科ホタルブクロ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

日本、中国を原産とする常緑の広葉樹で、主に葉や樹形を楽しむ庭木です。耐陰性が強く、排気ガスなどの大気汚染や潮風にも比較的強く生長が早いので生け垣によく利用されます。

葉は楕円形で縁にゆるやかなぎざぎざが入り、革のような光沢があり厚めです。夏に緑がかった白色の小花を咲かせ、冬には赤い実を付けます。

<マサキ(柾) ニシキギ科ニシキギ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

欧州原産の二年生草木。5~6月頃に、淡紅色の直径約10cmの花を咲かせます。

薬用として、古くから肝臓や脾臓の諸病に用いられていましたが、1960年代に有効成分のシリマリンが発見されました。

名前は、葉にある美しい乳白色の班点に由来しており、聖母マリアの母乳が葉の上にこぼれて班点になった、などの言い伝えがあります。

<マリアアザミ(ミルクシスル) キク科オオアザミ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

原産地は中央アメリカ〜アルゼンチン。およそ100種類が分布するとされています。

春から秋にかけて長期間開花し、夏でもよく開花します。

花色は以前はピンクがほとんどでしたが、現在はさらに白や赤、白からピンクに変化するものなどがあります。

近年、サントリーフラワーズの「サン・パラソル」シリーズが普及したことで、「サンパラソル」という呼び名でも認知されるようになってきました。

花名は、この花を発見したアルゼンチンの首都ブエノスアイレス駐在イギリス公使のヘンリー・マンデビル氏に由来しています。

<マンデビラ キョウチクトウ科マンデビラ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

アジサイの一品種で、装飾花がなく両性花のみで構成されています。そのため、緻密で繊細な印象を与える花姿をしており、また雄蕊が突出するためふわふわとした見た目をしている所が特徴です。

花の形はテマリ咲き、花は両性花のみで構成されており、両性花の萼片は一重咲きで形は大小様々、萼片のふち部分が内側にまく事もあります。

<ミカワチドリ(三河千鳥) アジサイ科アジサイ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 

千葉県、神奈川県、高知県及び宮崎県の限られた地域に分布するアカバナ科の多年草。浅い水辺の水中や水辺近くの湿地に自生しますが、環境省レッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

水辺に生じウメに似た黄色い花を咲かせること、花が金の盃のように見えること、あるいはキンバイソウに似た黄色い花であることから名前が付けられました。

<ミズキンバイ(水金梅) アカバナ科チョウジタデ属>
6/21 北柏ふるさと公園

 

 


原産地は中国で、平安時代に日本に渡来しました。韓国の国花としても知られています。

初夏~秋までの長期間に次から次へと涼やかで優しい大輪の一日花を咲かせます。ハイビスカスの仲間であるフヨウ(芙蓉)とよく似ています。

本種とフヨウの違いは葉を比べるとわかります。
・フヨウの葉は花と同じぐらいの大きさで薄い緑色です。葉形は掌状に浅い切れ込みがあります。
・本種の葉は花より小さくて濃い緑色です。葉形は卵型で葉縁に荒い切れ込み(鋸歯)があります。

<ムクゲ(槿) アオイ科フヨウ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

全長24cm。全身は黒味のある褐色で、頭は灰色がかった黒褐色。目の周囲から頬にかけて不規則な白斑があります。この白斑は個体によって違っていることが普通です。くちばし、足は黄色です。

地上を歩いて餌を探すことが多く、その時にはくちばしを草株の間に入れて開くことで、地面や草株にひそむ虫を探しています。「リャー リャー」とか「キュリリッ」といった声を出します。

平地から低山地の人家や人家近くの林で繁殖し、農耕地、公園の芝生、草地などでよく見られます。繁殖が終わると群になり、多い場合は数万羽の群になることもあります。

<ムクドリ(椋鳥) スズメ目ムクドリ科 全長約24cm>
6/21 北柏ふるさと公園

 

 

南アメリカ原産で、江戸時代末期に観賞用として導入されて以降、日本に広く帰化しています。環境省により要注意外来生物に指定されています。

良く似た「イモカタバミ」は葯が黄色、「ベニカタバミ」は、葉が直径約2cmと小さく、小葉は切れ込みの浅い倒心形。花を2〜3個着けます。

<ムラサキカタバミ(紫片喰) カタバミ科カタバミ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 

 

カラマツソウの仲間で、シキンカラマツ のように薄紫色の花を咲かせます。日本では九州北部、長崎県および韓国の済州島に分布する希少種です。

6月から7月ごろ、茎頂に円錐花序を出し、白味を帯びた紫色の小花を多数咲かせます。

花がカラマツの葉のように見えることから名がつきました。

<ムラサキカラマツ(紫唐松) キンポウゲ科カラマツソウ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

秋の紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。

花は直径3ミリほどで目立たなく、よく見ると美しいが、肉眼では分かりにくいようです。

葉の色は実がなりだす初秋の緑から、秋が深まってくると黄色く紅葉し、紫色の実との色合いがとても美しい光景です。


<ムラサキシキブ(紫式部) シソ科ムラサキシキブ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

亜高山帯から高山帯の砂礫地に自生する多年草。葉は互生し、葉身は楕円形で先が尖ります。

雌雄別株。7-10月に葉腋から枝を伸ばし、その先に円錐花序をだし、小さな紅色の花を多数つけます。花被は5深裂する。山草として栽培される。

「イタドリ」の高山型品種で赤い花をつけるものをベニイタドリと称し、とくに本種の名で呼ばれています。

<メイゲツソウ(明月草) タデ科イタドリ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

ツユクサによく似て、少し花が大きく、花弁の白い淵のフリルがとても可憐な品種。

ツユクサと同じように良く分枝し縁から根を出して増える1年草です。

毀れ種から良く増えて、抜くのが間に合わないくらいの生命力で、とても可憐だが増えすぎて困る植物でもあります。

<メガネツユクサ(眼鏡露草) ツユクサ科ツユクサ属>
6/23 自宅

 

 


カバノキ科ハンノキ属の落葉高木。日本固有種で、西日本に多く自生します。近年、花の花粉が花粉症などのアレルゲンとなることが知られるようになりました。

秋に実る果実で鉄とともに染めます。藍と重ねることで、深みのある黒色になります。水戸黄門(徳川光圀)も着物などに好んで使ったようです。

名前の由来は、熟した果穂が夜叉にも似ていることから。

<ヤシャブシ(夜叉五倍子) カバノキ科ハンノキ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

荒れ地や道端に生える南アメリカ原産の多年生の帰化植物で、草丈が高く「三尺バーベナ」と別名がつけられていますが、はるかに大きくなります。

細い葉をヤナギに、上部にまとまって咲く花を花笠にたとえたものが、名前の由来になっています。観賞用によく栽培されています。

<ヤナギハナガサ(柳花笠) クマツヅラ科クマツヅラ属>
6/15 アンデルセン公園

 


主に太平洋側の福島県から四国・九州に分布しています。半日陰の湿り気のある林や沢沿いに生育しています。このことから別名のサワアジサイの名前がつきました。

 

<踊り子甘茶>

中央から花の外側に向かって咲き、縁に沿って装飾花をつけてガクアジサイと同じようにガク咲きとなります。 

 

<霊峰の雪>

装飾花(中性花)の萼片は、白色または白青色で少し反り返りますが、紅色を帯びることもあります。ガクアジサイよりも花序が小型なので、コガクと呼ばれることもあります。

<ヤマアジサイ(山紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「6月の花のアルバム ⑫(最終回)」に続きます。

 

 

 

 

 


6月の花のアルバム ➉

2023-07-29 | みんなの花図鑑

先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑨ 2023-07-24

 

今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 

 


中国中南部を原産とするオトギリソウ科の低木。日本の花にはない華美な雰囲気が好まれ、庭木として庭園や公園に植栽され、切花としても広く使われます。

6~7月頃開花します。花は直径4~6センチで、枝先に7~10輪ずつ咲きます。黄金色の花が上向きに咲き、カールした多数の長い雄しべが突き出すのが特徴です。

夏に咲く黄色い花が美しく、葉の形や垂れ下がる様子が「未央宮」のヤナギに似るとして名付けられました。同じように中国南部を原産とするキンシバイの仲間であり、混同されやすいようです。

<ビヨウヤナギ(未央柳) オトギリソウ科オトギリソウ属>
6/8 柏の葉公園

 

 

 

別名アメリカアジサイとも言いアジサイの仲間で、初夏にピンク色の華やかな花が開花します。

特徴は、耐寒性、耐暑性にすぐれていること、新枝咲きなので剪定が簡単なため、日本全国どこでも育てられます。

<ピンクアナベル アジサイ科アジサイ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 

 

いかにも西洋アジサイといった、大ぶりのてまり咲きです。花はすべて装飾花ですが、1つ1つがとても大きいので存在感があります。

花弁がギザギザ、枝は太く頑丈、葉は尖っています。薄いサーモン系ピンク色の花は満開時は薄い明るいピンク色に変化しながら咲き、やがて咲き進むとグリーンになります。

<ピンクセンセーション(アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

メキシコシナロア州の原産のサボテンです。和名の黄彩(おうさい)は、花の色ではなく、刺の色からきているそうです。

美しい黄色の刺が魅力ですが、少しずつ退色していくようです。サボテンでも、性質は寒暑多湿に強く丈夫で、熱帯夜となる真夏でも元気いっぱいに生長します。

<フェロカクツス・シュワルシィ(黄彩丸) サボテン科フェロカクタス属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


中南米などを原産とする、常緑または落葉低木です。その独特な花姿が美しく、貴婦人のイヤリングと呼ばれることもあります。

たくさんの園芸品種が開発され、花の色や形、咲き方(一重咲き・八重咲き)、葉のつき方、性質が異なります。

多くは、ガクが反り返り、釣鐘のような花が下向きに垂れ下がって咲きます。数本の雄しべが花より外側に出ていて、さらに長い雌しべが真ん中にあるのが特徴的です。

<フクシア(釣浮草) アカバナ科フクシア属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

初夏から秋にかけて小さな花が集まって円錐状の花を咲かせる落葉低木です。香りと蜜に誘われ蝶が集まることから、欧米では「バタフライブッシュ」の名でも呼ばれています。

枝先に小さい花を豪勢に付けます。花は「藤」を思わせ、葉は対生して「空木」のようであることから房藤空木と命名されました。

<ブッドレア(房藤空木)ゴマノハグサ科フジウツギ属>
6/21 北柏ふるさと公園

 

 

 

アメリカに自生する野生種のブラックベリーから品種改良された園芸作出品種です。

4~5月頃、野バラに似た5弁花をつけます。花は淡桃色を経て白色になります。5~6月頃、径5~7cm程度の果実は赤色を経て黒熟します。

数あるブラックベリーの中でも、果実が大きい点と果汁が豊富なことで知られています。

<ブラックベリー・カイオワ バラ科キイチゴ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


オーストラリアの山岳地帯の森林や、沿岸部の砂地に自生しています。ユニークな花と草姿から長年に渡り、世界で栽培されてきました。

花や葉、茎に細かい毛がびっしりと生えていて、まるでネルシャツの素材であるフランネルを触った時の感触に似ていることから名がつきました。

同じように毛織物のフランネルに似た手ざわりの葉をしているフランネルソウがありよく間違われますが、フランネルソウはナデシコ科の全く別の植物です。

<フランネルフラワー セリ科アークチノータス属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

北アメリカ原産のシソ科サルビア属の半耐寒性の多年草(日本では一年草扱い)です。

初夏に種を播いて育苗すると、夏から晩秋にかけて長く咲いてくれます。寿命は半年くらいで、ライフサイクルの短い植物といえます。

本種の名前は、じつのところ通称で、学名はサルビア・ファリナセアといいます。

<ブルーサルビア(サルビア・ファリナセア) シソ科サルビア属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

大粒で粒ぞろいで、ブルームが多く白っぽく、薄い果実の色がとても美しいブルーベリーの品種です。

なりはじめは酸味が強いが、完熟期になると甘み酸味とも味が増して、おいしいという特徴をもっています。

<ブルーベリー(サミット サザンハイブッシュ) ツツジ科スノキ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

アジアか、アフリカ、オーストラリアの熱帯~亜熱帯の広い地域に分布する多年草です。たくさんの種類や品種があり、葉っぱに斑の入るものや花を咲かせるものなど、見た目も様々です。

葉色の美しいものは観葉植物に、花が咲くものは、ピンクや白、紫色をした筒状の花を咲かせるのが特徴です。

<プレクトランサス シソ科ケサヤバナ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

シベリアに1種が分布するほかは、残りすべてが北アメリカに分布しています。仲間は67種が知られています。

茎先にもこもことまとまってかわいらしい花を咲かせます。一年草や多年草などたくさんの種類や品種があり、花色草姿も様々です。

どの種も花茎に房~段状に小花を咲かせボリュームがあります。花期は比較的長めですが、種類によって最盛期が異なります。

小さな花がまとまって咲く姿が特徴です。この様子から、「協調」「一致」「合意」などまとまりを表すような花言葉が付けられました。

<フロックス ハナシノブ科クサキョウチクトウ属(フロックス属)>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

900余りの原種と15000を超える交配種があります。世界中の環境に適応しているため、かなりバリエーションが豊富です。

<ウォーターフォール・バイカラー>

日本で栽培されている種類は生育形態から、叢生型、矢竹型、多肉茎型、つる型に分けられます。

 

<セントフローレンス>

共通する特徴は、葉の形が左右非対称でややゆがんだ形であること、花は雌雄別であり大抵の種は雄花は4枚、雌花は5枚の花びらをもつことなどでです。

 

<ビュービリア・ホットピンク>

一年草(多年草)の植物です。草丈は20~60cmほどに育ち、小ぶりな花を咲かせます。4~10月にはたくさんの花が咲きます。

 

<ビラブ・イエロー>

光沢感のある葉とピンク、黄色のコントラストが見事ですが、赤やオレンジ、白などカラーバリエーションが豊富な花としても有名です。

 

<ビラブ・チェリー>

野菜と同じように、土や肥料にこだわった花は「エディブルフラワー」として食べることができます。

 

<ビラブ・ピーチ>

食用として育てられた本種は、エディブルフラワーの中でも酸味の強い味がアクセントになっています。

 

<ビラブ・マカルージュ>

花言葉は「幸福な日々」「愛の告白」「片思い」です。恋愛の花言葉が多いのは、葉がハート型に見えるため。

 

<ビラブ・マカローズ>

誕生花は10月18日、11月29日です。一年中取り扱われる品種なので、フラワーショップなどに行くと簡単に購入できます。

 

<ビラブ・ローズ>

名前はフランス領アンティル諸島の総督だったミシェル・ベゴンの名前に由来します。

<ベゴニア シュウカイドウ科シュウカイドウ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 

 

南アメリカに自生する原種をもとに、ヨーロッパやアメリカで品種改良が進み、多様な品種がつくり出されました。

日本は特に品種改良が盛んで、最先端の研究が現在もされているまさに本種の大国です。

ガーデニングブームの火付け役となったサフィニアも仲間で、日本人が品種改良した品種です。

初夏から秋にかけて咲く草花で、夏の花壇には欠かせない植物の一つです。

品種改良も多く、500種以上の園芸品種があります。

大輪、中輪、小輪種があり、八重咲き、一重咲きなどのバラエティーもあります。

語源はブラジル先住民のPetun(たばこ)が語源になっています。

たばこの花に似ていることからこの語源になったと言われています。

<ペチュニア(衝羽根朝顔) ナス科ペチュニア属>
6/15 アンデルセン公園 

 

 

 

初夏から夏にかけて次々と花を咲かせる多年草で、日本にはニッコウキスゲやノカンゾウ、ヤブカンゾウが自生し、古くから親しまれています。

「デイリリー」の英名どおり、花は一日花ですが、1本の花茎にたくさんの花を咲かせ、何本も立ち上がるので、長期間花が楽しめます。

<ヘメロカリス ツルボラン科ワスレグサ属(ヘメロカリス属)>
6/15 アンデルセン公園

 

 

今回も全15品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「6月の花のアルバム ⑪」に続きます。

 

 


6月の花のアルバム ⑨

2023-07-27 | みんなの花図鑑


先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑧ 2023-07-24

今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。

 


約250種の野生種があり、主に南北アメリカの熱帯から亜熱帯に分布していますが、日本にもクマツヅラ1種が自生しています。

春から秋にかけての長い間花を咲かせる一年草です。羽状や楕円形の葉をつけた茎先に、桜に似た小さな5弁の花を咲かせます。

その姿から、「美女桜」という和名がつきました。花色は白、赤、ピンク、紫、青紫、紅紫などがあります。

品種によって、1年草・多年草(宿根草)、匍匐性・立性と、生育のリズムや生長の仕方がまったく違います。

花丈も匍匐性のものは15~20cm、高性のものは1m50cmほどに生長します。 

昔から宗教や魔法と関連のある花とされており、学名はヘブライ語でよい植物を意味する「herbabona」が語源とされています。

古代ケルトでは「魔女の薬草」とされ、魔術や薬草として使用されていました。ハーブとして使われるときは、「ヴェルヴェーヌ」とも呼ばれます。

<バーベナ(美女桜) クマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

オミナエシの高山種で、亜高山から高山に生える。本種の変種であるキンレイカと同じく、背丈が20~40センチほどです。

花が咲いているように見えますが、これは実です。イロハモミジ などの実のように羽がついて、風で飛ばされていきます。羽根は1枚で実は細長く大きめです。

白山は古くから山岳信仰の対象で、多くの人がが高山植物と遭遇する機会が多かったことから、ハクサンの名の付く植物が多いようです。ちなみに ハクサンボク 、ハクサンチドリ 、ハクサンフウロ 、ハクサンイチゲ 、ハクサンシャクナゲ 、ハクサンタイゲキなどがその例です。

<ハクサンオミナエシ(白山女郎花) オミナエシ科オミナエシ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 

 

アメリカ合衆国のテキサス州やルイジアナ州に自生する植物です。ガウラという名前でも流通していて、ギリシャ語で華麗なという意味もあります。

ひとつひとつの花は短命ですが、初夏から秋の長い期間、次から次に花を咲かせていくため、長い間観賞することができます。

穂状に咲く小花が風に揺れる様子は、白い蝶が群れて飛んでいるように見えることから、和名が付きました。

<ハクチョウソウ(白蝶草) アカバナ科ガウラ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 


5月~10月頃、平地や丘陵地の水生植物が繁茂する緩やかな流付近に生息し、岸近くに木立などのある薄暗い環境を好みます。

腹長40~52mm、後翅長35~44mm。羽がまっ黒で、胸部や腹部も黒光りする金緑色のスマートなトンボです。メスはやや褐色味のある黒色をしています。

ひらひらと大きく羽をはためかせてゆっくり飛びます。未熟な個体は、羽化した場所からやや離れた薄暗い林内で生活することが多いようです。

<ハグロトンボ(羽黒蜻蛉) トンボ目カワトンボ科>
6/20 つくば実験植物園

 

 


日本・東アジアに自生するヤナギ科ヤナギ属の落葉低木のイヌコリヤナギの園芸品種。五色ヤナギと呼ばれることもあります。

斑入りの葉色の変化を楽しめる落葉広葉樹です。新芽から斑が現れ、鮮やかな色の変化(ピンク、白、クリーム、緑)を楽しめます。

<ハクロニシキ(白露錦) ヤナギ科ヤナギ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 


南イタリアやアルジェリアを原産地として紀元前から薬用及び香辛料として利用されていた歴史の古い野菜です。わが国へは江戸時代に渡来しました。和名では「オランダゼリ」と呼ばれます。

春から初夏が旬の季節で、ビタミン、ミネラルを多く含む緑黄色野菜です。濃い緑色の縮れた葉が特徴で、2年目の夏に緑がかった黄色の花が咲き、種子ができると枯れてしまいます。

<パセリ(旱芹菜) セリ科オランダゼリ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


江戸時代を中心に品種改良が進んだ古典園芸植物です。現在は5000種類以上の品種があると言われています。

アヤメ(菖蒲)、ハナショウブ(花菖蒲)、カキツバタ(杜若)、アイリスは4つともアヤメ科の植物で、見た目がよく似ており、区別が難しいですね。

その違いは花びらを見ればわかるようです。

・アヤメ(菖蒲)・・・・・・・・根元に網目模様がある
・ハナショウブ(花菖蒲)・・・・根元に細長い黄色の模様がある
・カキツバタ(杜若)・・・・・・根元に細長い白い模様がある
・アイリス・・・・・・・・・・・根元に幅の広い黄色の模様がある

<ハナショウブ(花菖蒲) アヤメ科アヤメ属>
6/21 北柏ふるさと公園

 

 


アジアに広く分布するつる性植物。耐寒性が強いので、寒冷地でも安心して育てられます。

5月~6月にかけてたくさんの花を咲かせます。5月頃につぼみをつけ、外側はオレンジがかった赤で内側が黄色のトランペット型の花を一斉に咲かせます。全枝が芳香花に覆われます。

<ハニーサックル スイカズラ科スイカズラ属(ロニセラ属)>
6/20 つくば実験植物園

 

 


東アジアの温帯~冷帯にかけて分布するバラ科・バラ属に分類される落葉性の低木です。日本では北海道から東日本など日本海側の海岸の砂地に多く自生しています。

日本では古くから精油の採取や、漢方薬として利用されてきました。そして江戸時代にオランダ人医師シーボルトによってヨーロッパへともたらされ、バラと交配させて様々な園芸品種が作られるようになりました。

背丈は1~1.5mほどに生長し、太い枝にはたくさんの細かいトゲが生えています。そして初夏になると、野生のバラの仲間では最大級の直径6~10cmほどにもなる花を咲かせます。

紅紫色や白色をしており、豊かな香りを漂わせることが特徴です。その後、赤く熟した実がつきます。この実が、ナスやナシに似ていることから、本種の名前で呼ばれるようになったそうです。

<ハマナス(浜茄子) バラ科バラ属>
6/20 つくば実験植物園

 


本州、四国、九州、沖縄の海岸に生える高さ20~50cmの多年草で、海岸植物らしく葉が暑くつやつやしているのが特徴です。

7月〜10月頃に開花する花は、茎の先に集散花序を出して、多数の花が密に付きます。花は径1.5cm程の紅紫色の5弁花で、先端が歯牙上に浅く切れ込みます。

本種の名前は、海岸の崖や砂地に多く生育していることから名付けられました。また、夏の時期に開花期を迎えることから「ナツナデシコ(夏撫子)」という別名があります。

<ハマナデシコ(浜撫子) ハマナデシコ科ナデシコ属>
6/16 万葉植物園

 

 

北海道を除く日本、中国やフィリピンに自生するやや大型の野草で、白い地下茎を伸ばして毎年育ちます。

6月下旬から7月にかけて、茎の頂点から15cm前後の花穂を伸ばし、花びらを持たない白い小花をたくさん咲かせます。

花が咲く頃、花穂のすぐ下の葉っぱの付け根に近い部分から先端にかけて白い斑が入ります。

白い斑の入る面積はまちまちですが、たいがい先端の方は緑色を残したままになります。

 

名前の由来は諸説あります。夏至から数えて11日目-半夏生と呼ばれる日あたりに花が咲くところから、「半夏生」。花が咲く頃に葉っぱが半ば白く色づく様子が化粧をしているように見えるところから「半化粧」。

<ハンゲショウ(半夏生) ドクダミ科ハンゲショウ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


ラン科バンドプシス属に属し、タイ、インドネシア、フィリピン、ニューギニアなどに広く分布し、常緑樹林の林縁などで着生または岩生して生育する大型の原種ランです。

茎は高さ約1.7m、分厚くて硬い葉を左右に振り分けて付け、その途中から出た花茎は高さ2mに達しています。花茎には渋めの色をした花が咲いています。

“バンダ”に似ているという意味の“バンドプシス”属に属し、“リッソキルス”というマダガスカル原産のランに似ているという意味の“リッソキロイデス”という種名を付けらました。

<バンドプシス・リッソキロイデス ラン科バンドプシス属>
6/20 つくば実験植物園

 


台湾、中国に分布する常緑性の低木です。日本に渡来したのは1681~1687年(天和・貞享年間)のこと。漢名を十大功労という。

初夏にでき始める果実は直径7~8ミリの球形で水分を含みます。秋にはブルーベリーのように黒紫色に熟し、表面に白い粉を吹きます。

遠目で見れば葉の雰囲気はナンテンに似ており、葉の縁にヒイラギのようなトゲがあることから、名前がつきました。

<ヒイラギナンテン(柊南天) メギ科メギ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


南ヨーロッパ原産で日本には明治初期に渡来しました。白、ピンク、赤、青紫、八重咲きといろいろな花があります。千鳥草という別名もあります。

デルフィニウム(大飛燕草)に似た花姿をしており、よく混同されますが、本種は細かく線状に裂けた、コスモスのような糸状の葉が特徴的です。

<ヒエンソウ(飛燕草) キンポウゲ科ヒエンソウ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

200種以上が世界に広く分布しているキク科の植物で、特にメキシコに多くの種が自生しています。

日本の道端に雑草として生え、タネが衣服につくアメリカセンダングサも本種の一種の帰化植物です。

黄と白の花を咲かせる品種がほとんどですが、ピンク色の品種も流通します。

種類によって、夏に花を咲かせるものもあれば、冬に咲くものもあります。

特にBidens laevisは、コスモスに似ていて、冬にも花を咲かせることからウィンターコスモスとも呼ばれます。

その他の夏に咲く本種もウィンターコスモスと呼ばれている場合もあります。

<ビデンス(ウインターコスモス)  キク科センダングサ属>
6/21 あけぼの山農業公園

 

 

 

木立性のヒペリカム。「キンシバイ(金糸梅)」と「ビヨウヤナギ(未央柳)」に似ています。

花期になる6月下旬〜7月頃、雄しべがこんもりと丸く目立つ黄色くなる鮮やかな花を咲かせます。

球状でボンボンのような形をしている、とてもユニークな花姿が可愛い花です。

<ヒペリカム・サンバースト(ポンポン咲き金糸梅) オトギリソウ科ヒペリカム属>
6/15 アンデルセン公園

 

 

 

日本の紀伊半島以西に分布するキンバイザサの仲間で、メキシコや西インド諸島・ブラジルなどに分布する多年草です。

草丈は20~25㎝程度で、葉は艶のある細長い形状をしています。6~9月頃、10~15㎝の花茎を立ち上げ、先端に径2㎝程度の黄色い花を付けます。1茎1花です。

<ヒポクシス・デクンベンス キンバイザサ科コキンバイザサ属>
6/20 つくば実験植物園

 

 


原産地は北アメリカ大陸と言われています。紀元前から、ネイティブ・アメリカンの間で豊富な栄養を持つ大切な食物として育てられていました。

日本には17世紀頃に伝わり、始めは観賞用とされていましたが、明治時代からは油の原料や飼料として重用されたと言われています。

種はそれ自体が食用になるほか、種から採れた油は石けんや塗料の原料になります。また茎や葉は家畜の飼料として使用されることもあります。

大ぶりな黄色の花を観賞用に、または種を食用とするために広く栽培されています。和名で「向日葵」と表記するほか、「日廻り草」「日輪草」「日車」「天竺葵」などとも呼ばれます。

<ヒマワリ(向日葵) キク科ヒマワリ属>
6/15 アンデルセン公園

 

 


日本原産で「夏ツバキ」の別名を持つシャラの木よりも小さな花で、上品で清楚な白い5弁の花を咲かせます。

夏ツバキより花が小さく、茂った葉っぱに守られるようにつつましく咲く様子から「謙虚」という花言葉がつけられました。

朝に咲き夕方には落ちてしまう儚げな花。このことから、平家物語の冒頭にも詠われた文学的な植物です。

<ヒメシャラ(姫沙羅) ツバキ科ナツツバキ属>
6/5 自宅

 

 

 

南ヨーロッパ及び西アジア原産で、キク科の小形の多年草です。日当たりの良い草原に自生します。

開花時期は初夏から秋、黄色の花(頭花)を花束(散房花序)の様に密につけ花を咲かせます。

非常に矮性で地面を覆うように広がり、植物全体が白い毛で覆われシダ植物の様な羽状する葉を持ちます。

<ヒメノコギリソウ(姫鋸草) キク科ノコギリソウ属(アキレア属)>
6/20 つくば実験植物園

 

今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。次回「6月の花のアルバム ➉」に続きます。


6月の花のアルバム ⑧

2023-07-25 | みんなの花図鑑
2023-07-24 | みんなの花図鑑
 
先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑦ 2023-07-20
 
 
今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。
 
今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。
 
 
 
 
 
ツルナ科デロスペルマ属の南アフリカ原産の常緑多年草。本種は「耐寒マツバギク」「花嵐山」「麗晃」とも呼ばれ、古くから緑化植物として広く利用されています。
 
 
 
4~11月頃、菊に似た光沢がある鮮やかな濃桃色の花を多数つけます。花弁はやや隙間が多く、外側にそり気味に開き、花は日中だけ開いて夜や曇天では閉じる開閉運動を繰り返します。
 
 
 
 
類似のマツバギク(ランプランサス属)の葉は細長く、花弁は幾重にも重なって隙間ができず、ややすぼまりぎみに開きます。
 
 
 
 
<デロスペルマ・クーペリ(耐寒性松葉菊) ハマミズナ科デロスペルマ属>
6/20 つくば実験植物園
 
 
 
 
 
中国中部及び西部を原産とするモクセイ科の常緑樹。都市部の劣悪な環境に耐えることから、戦後の高度成長期には公園や高速道路などに多用されましたが、現在では要注意外来生物リスト(環境省)に掲載されています。
 
 
 
 
開花は初夏(6月)で、その年に伸びた枝の先に、白い小さな花が房状に集まって咲きます。小花は直径8ミリほどで、2本ある雄しべと雌しべは花冠から突き出します。
 
 
 
 
葉は卵状の長楕円形で長さは5~10センチほど。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡い緑色。縁にギザギザはなく、ネズミモチに比べると先端が細く伸びます。
 
 
<トウネズミモチ(唐鼠黐) モクセイ科イボタノキ属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
可愛い子つばめが口を開けたような、スミレにも似た小花が春から晩秋まで次々と咲くことで人気があります。
 
 
 
 
花形は唇形で花色が野生のスミレに似ていることから別名にナツスミレ(夏菫)やハナウリクサ(花瓜草)といわれています。
 
 
 
 
<トレニア(夏菫) アゼトウガラシ科ツルウリクサ属(トレニア属)>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
福島及び新潟以西の本州、四国、九州に分布するツバキ科の落葉樹。日本以外では韓国に自生が見られます。ツバキに似た花を夏に咲かせるのでこの名前があります。
 
 
 
 
花はその年に伸びた枝葉の脇に咲き、直径は5~6センチほど。5枚ある花弁の先端は波打ち、まばらにギザギザしています。
 
 
 
 
ツバキの近縁ですが、仲間ではなくナツツバキ属の樹木です。寺の敷地内に沙羅双樹(サラソウジュ)として植えられることが多い樹木です。
 
 
 
 
仏教では釈迦が沙羅双樹の下で入滅したとされています。 日本では本種がこの沙羅双樹(サラソウジュ)と誤認されたようです。
 
 
<ナツツバキ(夏椿) ツバキ科ナツツバキ属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
本州から九州の山地に自生するツツジ科の落葉低木。果樹として人気の高いブルーベリーの仲間で、日本に自生するため、時に「日本のブルーベリー」と呼ばれます。
 
 
 
 
開花は5~6月。雌雄同株で、黄緑色あるいは紅色の混じった釣鐘型の花を下向きに咲かせます。果実は初夏にできはじめ、8月から10月にかけて黒く熟します。
 
 
 
 
新芽は紅く、夏の時季からハゼノキのように美しく紅葉するため本種の名前になりました。
 
 
<ナツハゼ(夏櫨) ツツジ科スノキ属>
6/20 つくば実験植物園
 
 
 
 
 
静岡・伊豆半島東海岸に分布するガクアジサイの1品種です。装飾花のふちがギザギザしているのが特徴です。
 
 
 
 
やや丸みのあるひし形の花弁は、花弁同士がわずかに重なるようにして咲きます。花弁の形や咲き方も相まって、ナデシコの花に似ていることからこの名前がつきました。
 
 
 
 
全体のボリュームは抑えめですが、それがまた楚々とした美しさを引き出していて、見ていて飽きることがありません。
 
 
 
<ナデシコガクアジサイ(撫子萼紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
6/21 あけぼの山農業公園
 
 
 
 
 
原産地の中国南部や台湾などで見られるバラ科バラ属の落葉ツル性原種バラです。とても丈夫なことから、古くから庭木として利用されています。
 
 
 
 
やや厚手の白花で花径6~8cmほどの5枚びらであり、真ん中に黄色い雄しべが複数あります。丈夫で耐寒性を持ちバラ特有のよい香りがします。
 
 
 
 
名前の由来は、江戸時代に難波商人によって、日本に持ち込まれたことによるものとされています。
 
 
<ナニワイバラ(難波茨) バラ科バラ属>
6/15 アンデルセン公園 
 
 
 
 
 
中国原産で、日本では縁起物として庭木として植えられることが多い樹木です。乾燥させた実から咳止めの効果が期待できることから、薬用植物としても扱われています。
 
 
 
 
開花は初夏(5~6月)で、枝先に伸びた円錐状の花序(花の集り)に、白い小花が多数集まって咲きます。花は長さ6ミリほどで雌しべの周りに6個の雄しべがあり、その先端に黄色い葯があります。
 
 
 
 
和名は漢名「南天燭」の略とされています。和名は難を転ずることにも通じるため、縁起木、厄よけ、魔よけとして古くから庭に植えられてきました。
 
 
<ナンテン(南天) メギ科ナンテン属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
キューバ原産で、日本では沖縄以南で露地栽培されています。花名に桜と付くことや、花の形、花色と桜に似ていますが、サクラ科の植物ではありません。
 
 
 
 
春~初夏、枝先から垂れた花茎に集散花序を伸ばし、小さな桃色の五弁花を多数つけます。葉は、緑色の楕円形で、バイオリンに似ていることからテイキンザクラ(提琴桜)とも呼ばれます。
 
 
 
 
また、開花の風情が日本のサクラに似ていることから、本種の名前で呼ばれています。
 
 
<ナンヨウザクラ(南洋桜) ナンヨウザクラ科ナンヨウザクラ属>
6/9 柏の葉公園
 
 
 
 
 
西インド原産で、夏から秋にかけて毎日のように花を咲かせ続ける、清楚で愛らしい姿が特長の草花です。別名ではビンカとも呼ばれています。
 
 
 
 
生長すると草丈は50cm前後になり、5月から11月頃にかけて白や赤・ピンク・紫・オレンジなどの鮮やかな花を咲かせます。
 
 
 
 
ひとつひとつの花は数日で枯れますが、同じ株に次々と新しい花が咲くことからこの名前になったそうです。それぞれの花は1日花ではなく3~5日は持ちます。
 
 
<ニチニチソウ(日々草) キョウチクトウ科ニチニチソウ属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
正式名を「禅庭花(ゼンテイカ)」といいます。日光の霧降高原や霧ヶ峰、尾瀬ヶ原など山地の高原に群生し、冷涼な夏山を鮮やかな黄色の花で染めてくれます。
 
 
 
 
花は、直径7cmほどのラッパ状です。茎の先に蕾を3~10個つけ、下から順番に鮮やかな黄色や橙色(だいだいいろ)の花を咲かせます。花びらは6枚、花の先が少し反り返ります。
 
 
 
 
栃木県の日光地方に多く自生して、黄色の花を咲かせ笠菅(カサスゲ)に似た葉を生やすことが名前の由来です。
 
 
 
<ニッコウキスゲ (日光黄萓) ユリ科ワスレグサ属>
6/28 千葉公園
 
 
 
 
 
中国の西部が原産です。中国では2千年前から栽培されてきました。わが国へも古くに渡来し、日本書記には「岐(き)」として登場しています。
 
 
 
 
花は、花茎を伸ばした頂部に6つの花弁を持つ小さな花が集まって咲き、球状になります。その姿から坊主頭を連想して名付けられたのでしょう。
 
 
 
 
花ができるとネギの成長は止まり、食感も悪くなるので、できる前までには収穫を終えるようにします。
 
 
<ネギボウズ(葱の花) ユリ科ネギ属>
6/20 つくば実験植物園
 
 
 
 
 
らせん状に巻き付くように花をつけるラン科の多年草。 日当たりのよい草地に生えています。日本に自生する原種のランですが、雑草として扱われてしまうことがほとんどです。
 
 
 
 
株の中心から高さ15~40cmほどの花茎をまっすぐに伸ばし、らせん状に花を咲かせます。1つの花は5mmほどですが、明るいピンク色とユニークな咲き方でとても目立ちます。
 
 
 
 
この植物は、特徴的なねじれた花の姿を、そのまま名前にして呼ばれています。
 
 
 
 
 
<ネジバナ(捩花) ラン科ネジバナ属>
6/5 自宅
 
 
 
 
 
関東地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するモクセイ科の常緑樹。日本以外では台湾に分布しています。
 
 
 
 
開花は5~6月で、その年に伸びた枝の先に長さ5~12センチの花序を出し、白い小花を円錐状に密生させる。花は長さ5~8ミリほどの筒状漏斗型で、先端は四つに裂けて反り返ります。
 
 
 
 
秋になる実がネズミの糞に似ていること、葉がモチノキに似ていることから命名されました。
 
 
 
<ネズミモチ(鼠糯) モクセイ科イボタノキ属>
6/8 柏の葉公園
 
 
 
 
 
東北地方以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布するマメ科の落葉樹。痩せ地に育つ代表的な樹木であり、山地のみならず郊外の道路沿いや川原、伐採の跡地など至る場所で目にします。
 
 
 
 
伐採されても再生するほど丈夫な性質を持ち、雑草に近い存在ですが、涼しげな葉と幻想的な花が人気であり、万葉集の時代から「ねぶ」として親しまれてきました。
 
 
 
 
花期は6月~7月。開花するのは夕方で、短時間のうちにピンクの筆のような花が10~20輪ほど枝先に集まって房状に咲き、ほのかな甘い香りを放ちます。
 
 
 
 
葉は暗くなると合わさるように閉じる性質(就眠運動)を持つことから、「眠る」を「ねぶる」といったことから、後に本種の名前で呼ばれるようになりました。
 
 
<ネムノキ(合歓木) マメ科ネムノキ属>
6/20 つくば実験植物園
 
 
 
 
 
南アフリカ共和国を中心とする熱帯アフリカに分布。約60種程度が確認されており、多年草、一年草、亜灌木が含まれます。
 
 
 
 
また、自然種のほかにも、交配など品種改良された園芸品種も多く栽培が盛んです。-3℃以上の気温があれば1年中開花する四季咲き性の性質があります。
 
 
 
 
鮮やかな花色が魅力で、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、白、複色などが揃います。草丈は30cm前後です。
 
 
<ネメシア(海蘭擬:ウンランモドキ) ゴマノハグサ科ネメシア属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
中国原産での落葉性のつる性木本。平安時代には日本に渡来していたと考えられます。古くから観賞用に植えられており、庭園、公園などに庭木として利用されています。
 
 
 
 
夏から秋にかけ橙色あるいは赤色の大きな美しい花をつけ、気根を出して樹木や壁などの他物に付着してつるを伸ばします。
 
 
 
 
近似種に北アメリカ原産がありますが、本種に比べ、花は4㎝程度と小ぶりで、花数が多いのが特徴ですが、比較ができないので本種との区別がよくわからず、自信がありません。
 
 
<ノウゼンカズラ(凌霄花) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
北海道から沖縄まで日本全国に分布するツルボラン科ワスレグサ属の多年草。川原の土手、草原、田畑の畔など身近な場所に群生し、夏に鮮やかなオレンジの花を咲かせます。
 
 
 
 
開花は7~8月で、葉の間から伸びる花茎は二つに分岐し、10輪前後の花が下から順に咲き上がります。花被片(花弁と萼)は6枚で外へ少し反り返り、中央にはクリーム色の筋模様が入ります。
 
 
 
 
日本では本種を片親とする園芸品種の「ヘメロカリス」が流通します。花色にバリエーションがあって美しく、ハナカンゾウともいいます。
 
 
<ノカンゾウ(野萱草) ツルボラン科ワスレグサ属>
6/21 北柏ふるさと公園
 
 
 
 
 
北半球の温帯におよそ100種が分布して、毎年花を咲かせる多年草です。日本にも数種が自生しています。
 
 
 
 
主な開花期は夏で、長く伸びた茎の先端に小さな花が固まって咲きます。花色は黄色、白、ピンク、紅色などがあります。
 
 
 
 
冬は茎葉が枯れて根の状態で越します。葉っぱのフチが細かく切れ込んでおり、その姿をのこぎりに見ててこの名前があります。
 
 
<ノコギリソウ(鋸草) キク科ノコギリソウ属>
6/15 アンデルセン公園
 
 
 
 
 
アジサイの仲間で、本種の原種は、全国の山地で見かけることができます。枝先に円錐状の形の花がつき、白の小さな花が多数ついている形状です。
 
 
 
 
円錐形の花序(花房)を持つため開花時の趣は一般のアジサイと少し異なります。開花期もアジサイより遅く、花の少ない夏にはありがたい樹種です。
 
 
 
 
花弁のように白く円錐花序を彩るのはしべが退化した装飾花の萼片で、雄しべと雌しべをもつ両性花には装飾花のような大きな萼片はありません。
 
 
 
 
私たちが花と思う部分は、装飾花の萼片です。本種の園芸種として流通している「ミナヅキ」、「ライムライト」はほとんどの部分が装飾花です。
 
 
 
 
本種がガクアジサイに似て素朴な雰囲気であるのに対して、園芸種のは華やかな印象があります。
 
 
<ノリウツギ(糊空木) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園
 
 
 
 
今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「6月の花のアルバム ⑨」に続きます。
 
 
 
 

6月の花のアルバム ⑦

2023-07-22 | みんなの花図鑑
先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑥ 2023-07-18




今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。





ユリ科ユリ属に分類される球根植物です。日本が原産で、中部地方よりも北の海岸や崖などに自生しています。自生している環境にちなんで、ハマユリやイワユリなどとも呼ばれます。



ユリの多くは下向きに咲きますが、本種は上向きに咲くのが大きな特徴です。花弁の付け根部分が細くなっていて、花の基部が透けて見えます。これが本種名前の由来になっています。



草丈は20〜60cmほど。花色はさまざまで、オレンジや白、黄色、赤、ピンクなどがあります。ユリの仲間は香りが強いものが多いですが、本種には香りがないのが特徴です。

<スカシユリ(透百合) ユリ科ユリ属>
6/20 つくば実験植物園




北アメリカの南西部(南カリフォルニア、フロリダ、ルイジアナなど)に分布する、毎年花を咲かせるキク科の多年草です。



日本に渡来してきたのは大正の初めで、昭和の初期に人気が出て広く普及したと言われています。花はヤグルマギクを大きくしたような感じで、標準は青紫色です。



<ストケシア(瑠璃菊) キク科ストケシア属>
6/15 アンデルセン公園




原産地はヨーロッパやヒマラヤ、中国などで、ピンク、赤、紫など、花穂が大変美しい落葉高木です。雌雄異株で、モコモコとした花穂をつけるのは雌株です。



ふわふわとして煙がかかっているように見えることから、名前がつけられました。ケムリノキ、カスミノキという別名も持っています。



<スモークツリー ウルシ科ハグマノキ属>
6/15 アンデルセン公園




ヨーロッパ、アジア、北アフリカ原産で、日本でも野生化している多年草です。ヨーロッパでは、古来より痛風やリウマチ、下痢止め等の民間薬として利用されています。英名をセントジョーンズワートと言います。



黄色い花を咲かせる植物で、最近では、ストレス・更年期に起こるうつ症状や、種々の原因による気分の変調の改善などの効果があるといわれています。



<セイヨウオトギリソウ(小連翹:ショウレンギョウ) オトギリソウ科オトギリソウ属>
6/20 つくば実験植物園




ヨーロッパ原産で、ハーブではコモンヤロウと呼ばれ、花壇や切り花として栽培されたり薬用としても植えられてもいます。別名をヤロウ、アキレアとも呼ばれます。



花期は6月~9月頃、白から淡いピンク色の小さな花を散房花序につけます。近年、赤色や黄色で花色の多様な品種があり、切り花やドライフラワーに利用されています。



止血作用や健胃作用の薬効があり、古代ギリシャ時代から重要なハーブとして用いられてきました。

<セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草) キク科ノコギリソウ属>
6/20 つくば実験植物園




中国原産で、ナデシコ科の秋播き一年草もしくは宿根草です。茎が堅く、葉が竹の感じに似ているところから名前が付いたと言われています。



かつて本種を「カラナデシコ(唐撫子)」と呼んだことに対して、日本の「カワラナデシコ(河原撫子)」を「ヤマトナデシコ(大和撫子)」と呼びました。



その清楚な姿から意味を転じて、日本的な女性のことを「大和撫子(やまとなでしこ)」と言うようになったとされています。

<セキチク(石竹) ナデシコ科ナデシコ属> 
6/15 アンデルセン公園




熱帯アフリカ、シリア、オーストラリアなどに分布し、約280種が確認されています。園芸界でゼラニウムと呼ばれている植物群は、大きく分けてゼラニウム、アイビーゼラニウム、センテッドゼラニウム、ペラルゴニウムの4つに分類されます。



本種は、南アフリカのケープ地方が原産地のペルタツムを中心に交配された園芸品種群のことを指します。西洋ヅタのようなフォルムで、肉厚で光沢のある葉が特徴的です。また、枝が下垂する性質を持っています。



※さざんかさん、ピエロさんからのご教示により、ゼラニウム⇒アイビーゼラニウムに、名前と解説内容を変更させていただきました。さざんかさん、ピエロさん、ご指摘ありがとうございました。

<アイビーゼラニウム フウロソウ科テンジクアオイ属(ペラルゴニウム属)>
6/15 アンデルセン公園




熱帯アメリカ原産で、花後に枯れる一年草です。日本には江戸時代前期に渡来したとされます。



主な開花期は夏から秋で、花色は紫紅、白、ピンク、オレンジなどがあります。炎天下でもめげずに茎がよく枝分かれして茂り、球状の花を咲かせます



花びらはもたず、色づいているのは苞葉(ほうよう)と呼ばれる花の付け根に付く葉っぱです。夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前になったそうです。



<センニチコウ(千日紅) ヒユ科センニチコウ属(ゴンフレナ属)>
6/15 アンデルセン公園





北アメリカ原産の草丈1メートル前後の多年草。近縁種のヤグルマハッカを含め、ビーバーム、ベルガモット、モナルダとも呼ばれます。



茎の頭頂に真っ赤な唇花を輪状に咲かせる花姿、花色の様子が、松明の炎を連想させることから名付けられたようです。花は赤のほかにも、桃色、白、紫など多彩です。



<タイマツバナ(松明花) シソ科ヤグルマハッカ属(モナルダ属)>
6/15 アンデルセン公園




アルプス山脈など高地に自然分布する、耐寒性多年草の野草です。日本には、明治初期に牧草として輸入され、野生化しました。



6~8月、真っすぐ伸びた茎の先端に赤紫色の蝶形花を咲かせます。花色もキャンドル状の花形もとても可愛らしい花です。草丈は約60cmで、幅は約40cmほどです。



<タイリンレッドクローバー(大輪レッドクローバー) マメ科シャジクソウ属>
6/20 つくば実験植物園




地中海地方原産でアオイ科の越年草。英名では「ホリホック」と呼ばれます



夏にハイビスカスに似た華やかな花を穂状に咲かせる夏の花です。シンプルな一重咲きから、フリルのような華やかな八重咲きもあります。



花穂の下から上へと順々に咲いていく「咲き上がる」性質を持っています。咲き始めは梅雨のはじまり頃で、てっぺんの花が咲くと梅雨が明けると言われています。



<タチアオイ(立葵) アオイ科ビロードアオイ属>
6/7 あけぼの山農業公園





メキシコ原産のキク科の多年草で、根は球根になっています。日本には江戸時代1842年(天保13年)にオランダから長崎に持ち込まれました。



大輪種から、中輪種や小輪種、一重咲きや変化咲きなど品種が非常に多く、古くから親しまれてきた春植え球根です。



そのほか、葉色の濃い銅葉系の品種や、木のように大きく育つ品種や、チョコレートの香りのする品種など、ユニークなものもあります。



花形のタイプによって、代表的なデコラティブ咲き、弁先が細長くなるカクタス咲きなど、10数種に分類されます。



花名はスウェーデン植物学者ダール氏の名前にちなんで付けられたものです。また、花姿がボタンに似ており、和名は天竺牡丹と名づけられています。



<ダリア(天竺牡丹) キク科テンジクボタン属(ダリア属)>
6/15 アンデルセン公園





加茂花菖蒲園によって開発された純白の八重咲きで、ガク~半てまり咲のアジサイです。白いバラのような雰囲気がとても上品な紫陽花です。2010年に登録出願され、翌年品種登録されています。



樹形は枝葉ともヤマアジサイ系と比べ大型ですが、節の間隔が短く葉が密に付くため、コンパクトな印象になります。

<ダンシングスノー(アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園




ヨーロッパの北部が原産です。石灰岩質の草地や耕作地に生え、高さは50~150センチほどになります。



古くから野菜として栽培され、若い葉はサラダ、花はサラダや砂糖漬け、つぼみはピクルスそして根は焙煎して「チコリコーヒー」に利用されます。



7月から10月ごろ、淡いブルーの花を咲かせます。半日花です。和名では「キクニガナ」と呼ばれます。



<チコリー(菊苦菜) キク科キクニガナ属>
6/20 つくば実験植物園




約24種類が南アフリカに分布する球根性植物で、日本では花に甘い芳香があるフラグランスと比較的開花期間の長いビオラケアの2種が普及しています。



初夏~夏に花茎の頂点に星形の花を放射状に十数輪付けます。花色は淡いすみれ色、白などがあります。



性質は丈夫で花付きも非常によく、荒れ地でも生長し花を咲かせます。葉は細長くニラのような姿です。

<ツルバキア(瑠璃二文字) ユリ科ツルバギア属>
6/20 つくば実験植物園





世界の熱帯・亜熱帯に100種類ほど分布し、主に低木やつる性の植物で、花の美しい種類が栽培されています。



花はラッパ型の合弁花で、葉腋または茎頂に単生するものが多いが、総状花序をなすものもあります。花色は黄色・オレンジ色・白・空色などです。



つる性のアラタ(ヤハズカズラ)や低木のエレクタ(コダチヤハズカズラ)やなどが鉢物として流通するほか、グランディフロラ(ベンガルヤハズカズラ)なども栽培されます。

<ツンベルギア(矢筈葛) キツネノマゴ科ヤハズカズラ属>
6/21 あけぼの山農業公園




さかもと園芸作出のアジサイの園芸品種です。青い海の色よりも深いブルーと例えられる濃い青のアジサイです。



ブルーのアジサイといえば、鎌倉の明月院のヒメアジサイがよく知られていますが、さらに深い色をしています。

<ディープブルーマナスル(アジサイ) アジサイ科アジサイ属>
6/20 つくば実験植物園





南アフリカおよびアフリカ東部原産で、弓状にしなる細い花茎に、漏斗状の花を咲かせる球根植物です。紫、ピンク、白などの花色があります。



英名はエンジェルス・フィッシング・ロッドで、「天使の釣り竿」の名前で扱われることもあります。



<ディエラマ・プルケリムム(天使の釣り竿) アヤメ科ディエラマ属>
6/20 つくば実験植物園




本州、四国及び九州に分布する野生バラの一種で、その数はノイバラに次ぎます。海岸や日当たりの良い河原に多く、開けた山野にも見られます。



開花は6~7月で直径3~4センチほどの白い花が数輪、立ち上がった枝の先に咲きます。花には多数の雄しべと白い毛を持つ花柱があり、5枚の花弁は先端が凹みます。



茎が地面を這って伸びるため別名をハイイバラ(這い茨)ともいいます。

<テリハノイバラ(照葉野茨) バラ科バラ属>
6/20 つくば実験植物園




ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、熱帯アフリカの山地に250種程度が分布します。 ブルーを基調とした涼やかな花を咲かせる多年草です。



草丈高く、すっと伸びた花茎に縦に連なるように、たくさんの花を咲かせます。花色はブルー、濃いブルー、紫、白、ピンクなどがあります。



学名の語源はギリシャ語のDelphis(イルカ)です。つぼみの形がイルカに似ていることに由来します。和名のオオヒエンソウの由来は、中国名の飛燕草(ひえんそう)によるものです。



<デルフィニウム(大飛燕草) キンポウゲ科オオヒエンソウ属>
6/15 アンデルセン公園



今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「6月の花のアルバム ⑧」に続きます。


グウシレン(藕糸蓮)と言う名のハス

2023-07-20 | みんなの花図鑑
グウシレン(藕糸蓮)という名前の珍しい八重咲のハスが、手賀沼湖畔の農家のハス池で咲いていました。(2023年7月2日撮影)



グウシレン(藕糸蓮)は、昭和45年頃、岩国市の佐藤誠氏と土浦市の八島八郎氏の共同開発で世に出されたそうです。



花弁が108~148枚と多いこと、花弁の色が赤くあでやかなこと等が特徴です。地下茎を延ばし、先の方に次々に蕾立ちをして花を咲かせます。



藕糸(グウシ)とは、蓮の茎や蓮根からとれる糸のことで、昔はこの糸で布を織ったようです。



40キログラムの茎から、わずか2グラムくらいしか取れない希少な糸だそうです。



ミヤンマーのインレイ湖では、藕糸の採取が盛んで、ここでは縦糸も横糸も藕糸を使用した製品が作られています。



また、ここから藕糸を仕入れ、日本独特の紡ぎ方で糸を紡ぎ、縦糸も横糸も藕糸の着物と帯を作った方もいるようです。



カンボジアなどでは、聖なる花からつくる特別の織物工場・工房があります。



手作業が主体で、カンボジアでも大変高価な織物のようです。​
(日本国産の生糸の10倍以上の値段)

<カンボジアのLotus Farmでの糸作りの様子(1分41秒)>

Lotus thread making


八島氏の栽培グループは、蓮の茎から糸を採り、皇族の家紋入のふくさを織って愛子内親王ご誕生のお祝いに皇室に献上しています。(立札の説明書きより)





グウシレン(藕糸蓮)の花とハスから作る糸の話、まだ見たことはありませんが、昔ながらの手作業で手間をかけて作られる稀少な繊維のようです。機会があればぜひ見てみたいものです。



6月の花のアルバム ⑥

2023-07-18 | みんなの花図鑑
先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ⑤ 2023-07-16



今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。




ヨーロッパ全土、西アジアに分布する多年草で、サポナリアの学名を持ちます。全草にサポニンを含んでおり、古くから石鹸の代わりに利用されてきました。



6月~9月頃の花期になると、茎の頂部に花序を出し、3~7個の花を咲かせます。花は径2~3㎝程度の大きさで、萼片が合着して長い萼筒となり、萼筒の先に5枚の花弁が開きます。



和名は、葉を水に浸して揉むと石鹸のような泡が出ることに由来しています。

<サボンソウ(石鹸草) ナデシコ科サボンソウ属>
6/15 アンデルセン公園




ブラジル南東部原産のシソ科アキギリ属の多年草です。美しい花を咲かせることから観賞用として導入され、世界中の熱帯から温帯地域で栽培されています。日本には明治時代に渡来しています。



6月~11月の花期になると、茎の頂部に花序を出し、多数の花を咲かせます。花序は20㎝程度の長さになり、2~6個の花が輪散状に密に付きます。



別名では「ヒゴロモソウ」や「スカーレットセージ」等とも呼ばれています。ヒゴロモソウ(緋衣草)の由来は花が緋色の衣を纏ってるかのように見える所からきています。



<サルビア・スプレンデンス(緋衣草) シソ科サルビア属>
6/15 アンデルセン公園




東ヨーロッパから西アジア原産のシソ科アキギリ属の多年草です。草丈は60㎝~90㎝で、根際に生える葉は大きな卵円形です。



7~8月に茎先に穂状の総状花序(柄のある花が花茎に均等につく)を出し、青紫色をした筒状の花をつけます。



<サルビア・タキエイ シソ科アキギリ属(サルビア属)>
6/20 つくば実験植物園




インパチェンスとニューギニア・インパチェンスの交雑種として、「サカタのタネ」が開発した園芸品種です。



インパチェンスと本種の最大の違いは、花と葉の大きさです。インパチェンスに比べると本種はひとまわり大きく、成長が早いことが特徴です。



本種は熱帯の植物のため暑さに強く、春から秋まで休むことなく次々と色鮮やかで美しい花を咲かせます。暑さが増すほどに株が大きくなるのが特徴です。



<サンパチェンス ツリフネソウ科インパチェンス属(ツリフネソウ属)>
6/15 アンデルセン公園




サントリーフラワーズの「マンデビラ」の改良品種がひとり立ちし、品種名として定着するようになりました。



大輪でカラフルな花色が揃い、名前の通りに夏気分いっぱいにしてくれる花です。原種のマンデビラより直射日光に強いのが特長です。



<サンパラソル キョウチクトウ科マンデビラ属>
6/15 アンデルセン公園




一般的なアジサイの開花時期は梅雨の頃の一季咲きであるのに対して、本種は、開花の季節、期間を改良された園芸品種です。同じ年に再度花を楽しめるアジサイの総称です。



初夏に咲いた花の後、同じ年に再び花が開花し、開花期間は初夏から晩秋のアジサイです。一番花が咲きだすのは5月頃ですが、その次の花の開花は育て方(主に剪定)によって変わってきます。



<シキザキアジサイ(四季咲き紫陽花) アジサイ科アジサイ属>
6/15 アンデルセン公園




カナリア諸島に自生するイソフィレクシスとジギタリスが交配されて、2012年に発表された新しいタイプのジギタリスです。強健で花には斑点が少なく花色が鮮明です。



上唇と下唇が大きく裂ける特徴的な花形をしており、外側は赤みの強いホットピンクで中はクリーム色の入る花を穂状に咲かせる園芸品種です。



一般的なジギタリスは春が開花期ですが、本種は耐暑性に優れており、晩春から秋まで長く咲きます。現在はバリニー種(Valinii)として分類され様々な園芸品種が出ています。

<ジギタリス・イルミネーション フレイム オオバコ科キツネノテブクロ属>
6/15 アンデルセン公園




オオバコ科キツネノテブクロ属の二年草で、ヨーロッパからアジアの中・西部が原産です。木漏れ日のさすような林の中や林縁に生育しています。



別名「キツネノテブクロ」とも呼ばれ、花が手袋の指を切り取られた時の形に似ていることに由来します。背が高く茎は直立し、大きな花(漏斗形)を穂状に咲かせる一年草もしくは短命の多年草です。



開花時期は晩春から初夏、花色は茶色や黄色、桃色や紫色、白色の長さ約5cm~6cmの花(漏斗形)を穂状(総状花序)に咲かせます。



<ジギタリス・プルプレア(キツネの手袋) オオバコ科キツネノテブクロ属>
6/15 アンデルセン公園




宮城県及び新潟県以西の本州、四国、九州及び沖縄に分布する常緑樹。



山林に自生するが光沢のある葉が美しく、サカキやヒサカキと同様、神仏事に使う実用性のある木として、江戸時代から寺社や墓地等に植栽されてきました。



葉や樹皮など全草に有毒成分(アニサチン、イリシン、ハナノミン)を含み、秋にできる果実も有毒であるため「悪しき実」とされ、これが転訛し本種の名で呼ばれるようになりました。

<シキミ(樒) シキミ科シキミ属>
6/20 つくば実験植物園




メキシコを中心に南北アメリカに15種類が分布する植物です。



初夏~晩秋にかけての長い期間花を咲かせ続けるところから「百日草(ヒャクニチソウ)」とも呼ばれ、今では5月~11月と百日どころではない長期間咲く草花です。



たくさんの品種と系統があります。草丈も高性種から矮性種まであり、花のサイズも超大輪、大輪、中輪、小輪と色々。咲き方もポンポン咲き、カクタス咲き、ダリア咲き……などとても多様です。



日本には江戸時代末期に入ってきましたが。栽培や品種改良が盛んになったのは戦後になってからで、それまでは仏花として栽培される程度だったそうです。



<ジニア(百日草) キク科ヒャクニチソウ属(ジニア属)>
6/15 アンデルセン公園




美しい小葉が規則的に並ぶ奇数羽状複葉から降り注ぐ木もれ日が、涼しげでさわやかな印象を与え、シンボルツリーとして人気がある庭木です。



5月下旬から7月にかけて、枝先に小さな白花が房のように咲き、やがて結実して白色の翼を持ったタネが見られます。



名前の由来は「沖縄などの島に自生するトネリコ」ということです。「トネリコ」は、「戸に塗る木」が語源です。

<シマトネリコ(島梣)  モクセイ科トネリコ属>
6/15 アンデルセン公園




日本、朝鮮半島、中国に分布する落葉低木です。小さな花が集まってふわふわした丸い形の花を咲かせます。派手な美しさはありませんが、楚々とした美しさと風情があります。



名前は下野国(現在の栃木県)ではじめて見つけられたところに由来します。北海道から九州にかけての山地に幅広く自生している花木です。



<シモツケ(下野) バラ科シモツケ属>
6/8 柏の葉公園




アメリカの著名な育種家ルーサー・バーバンクがフランスギクに日本のハマギクを交配して作出した園芸品種で、作出までに17年を要しました。



しっかりとした株立ちになり、八重、半八重、糸状の花弁の花が色々に咲き乱れる様から、別名はクレイジーデージーと呼ばれ、寒さ暑さに強く、とても丈夫で土質も選ばない育てやすい花です。



名前は、カリフォルニア州にあるシャスタ山に由来します。万年雪に覆われたこの山の近くで育成されたとも、純白の花を雪の白さに見立てたとも言われています。

<シャスタデージー 'スノードリフト’ キク科レウカンテマム属>
6/20 つくば実験植物園





熱帯アメリカに分布するトウダイグサ科の一年草です。ポインセチアの仲間で別名サマーポインセチアとも呼ばれます。日本には明治時代に渡来し、逸出したものが九州以南の一部の地域で野生化しています。



花序はトウダイグサ科の植物に特有の杯状花序(ハイジョウカジョ)で、ユニークな形をしています。杯状花序とは、合着してカップ状になった総苞の中に、雄花数個と雌花1個が包まれる形になった花序のことです。



花名は、その様子が赤ら顔をした妖怪の猩猩(しょうじょう)に喩(たと)えられたものです。なおポインセチアの和名はショウジョウボク(猩猩木)です。

<ショウジョウソウ(猩猩草) トウダイグサ科トウダイグサ属>
6/15 アンデルセン公園




北アメリカ南部~南アメリカに分布するカヤツリグサ科の多年草です。草原や牧草地の湿原など、日当たりの良い湿った場所に分布しています。



日本への渡来時期は不明ですが、湿地で育つため、池や水盤などによく利用され、広く普及しています。5月~10月の花期になると、長く伸ばした花茎の先に花序を出し、小さな花をまとまって咲かせます。



<シラサギカヤツリ(白鷺蚊帳吊り) カヤツリグサ科ミカヅキグサ属>
6/9 柏の葉公園




古くから親しまれている地生蘭の一種で、日本に自生している多年草です。草丈は30~50cmほどで、5月~6月頃に赤紫や白、ピンクの花が開花します。



丈夫で放任で育ち、繁殖力が旺盛で庭植えや鉢植えとして親しまれています。白花シラン、口紅シラン、斑入りシラン等の品種があります。

<シラン(紫蘭) ラン科シラン属>
6/15 アンデルセン公園




地中海沿岸部原産の常緑多年草で、現在ではヨーロッパの広域、北米、オセアニアなどで帰化しています。日本には明治時代末期に渡来しました。



細かい毛が密集した、切れ込みのある葉が美しい植物で。花壇や寄せ植えでよく見かけるシルバーリーフの代表選手です。別名「ダスティーミラー」とも呼ばれます。

<シロタエギク(白妙菊)  キク科セネキオ属>
6/15 アンデルセン公園





多年生の水生植物で世界の熱帯、亜熱帯に約40種類が分布しています。古くからエジプトでは神聖な花として扱われてきました。



花色は白、黄色、ピンク、赤、紫、青紫、青と豊富です。ハスの花と同様、日中に花びらが開き午後になると閉じます。これを3日繰り返して花の寿命は終わりです。



ハスとよく似ていますが、見分け方は、ハスは葉や花が水面から立ち上がり、本種は葉も花も水面に浮かんだままという点が違います。




性質上耐寒性のある温帯スイレンと耐寒性のない熱帯スイレンがあります。



<スイレン(睡蓮) スイレン科スイレン属>
6/21 あけぼの山農業公園




植物の国際ブランドPW(PROVEN WINNERS:プルーブンウィナーズ)の品種です。暑さや雨に強く、育てやすいハイブリッドトレニアです。



スミレに似た花形で、花サイズは2.5~3cm。透き通った優しい色の花が、春から晩秋まで株を覆うように咲き続けます。「ブルーリバー」「ピンクリバー」「アイスリバー」の3品種を展開しています。



PW(ピーダブリュー) は植物の国際ブランドです。「世界中の育種家が生み出す、優れた園芸品種を紹介すること」を目的にアメリカやヨーロッパ、日本など世界の園芸種苗会社7社で発足しました。

<スーパートレニアカタリーナ アゼトウガラシ科ツルウリクサ属>
6/15 アンデルセン公園





オーストラリア原産で、日本で出始めた頃は花色が青いことから「ブルーファンフラワー」と呼ばれていましたが、その後は白やピンク色、紫色の花色も開発されていきました。



花は手を広げたような形の小さな花が沢山咲き、紫や白、桃色の花もあります。花期がとても長く、5月から10月の間、長く花が咲き続けます。和名は末広草です。



園芸品種ではサントリーが開発した「サンク・エール」がよく知られています。従来の品種より耐暑性と連続開花性が優れ、丈夫で、ほぼ植えっぱなしでOKなどの特徴があります。



花言葉は「涼しい風を運ぶ人」です。ブルーやホワイトの涼しげな花色をイメージさせます。他に「祝杯をあげる」「あふれる可能性」「浮気な心」といった花言葉もあります。



<スカエボラ(末広草) クサトベラ科クサトベラ属(スカエボラ属)>
6/15 アンデルセン公園


今回も全20品種と、多くの植物を最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「6月の花のアルバム ⑦」に続きます。


6月の花のアルバム ⑤

2023-07-16 | みんなの花図鑑
先回の続きです。⇒ 6月の花のアルバム ④ 2023-07-12


今回も、前回同様、花の名前や分類(科名、属名)は写真の後に表記しました。まず、写真と説明を見ていただき、花の名前を考えていただけるようにしました。

今回投稿した花や木も樹名板が無いものが多く、Google Lensを参考に名前を記載しています。間違いがあれば、ご指摘いただけると助かります。





南アフリカ原産で、日本には自生種はなく、明治時代に輸入され栽培が開始されました。横向きに整然と並んで次々に咲き上がる様子は壮大です。



別名、トウショウブ(唐菖蒲)、オランダアヤメ。名前は古代ローマの剣であるグラディウスに由来し、葉が剣に類似していることが根拠と言われます。



<グラジオラス(阿蘭陀菖蒲) アヤメ科トウショウブ属(グラジオラス属)>
6/28 千葉公園




南ヨーロッパ、北アフリカ、地中海沿岸原産のキク科の植物で耐寒性木本です。



明るいグリーンの葉が特徴で、夏に明るいイエローのボタン状の花を咲かせます。草丈30〜40cm、株幅40〜50cmに育ちます。 



和名はワタスギギク(綿杉菊)、通称コットンラベンダーですが、ラベンダーとは別品種です。

<グリーンサントリナ(綿杉菊) キク科ワタスギギク属>
6/20 つくば実験植物園





キョウチクトウ科の顕花植物の一種です。一般に紫ゴム蔓として知られ、マダガスカル西部および北部原産の半ツル性低木です。



筒状の濃桃色の花を咲かせます。有毒植物で、繁殖力が強く、各国で厄介者となっている帰化植物です。



<クリプトステギア・マダガスカリエンシス(大花朝顔) キョウチク科オオバナアサガオ属>
6/20 つくば実験植物園 




北海道~本州、四国の山間部に分布する多年草で、サクラソウの仲間です。湿り気のある環境を好み、山野のせせらぎや渓谷の湿地に自生します。



春になると株の中心から花茎を伸ばし、花茎をぐるりと囲むように同じ高さの場所にサクラソウのような花を数輪咲かせ、それが階層状になります。



花の咲き方がお寺の屋根の先端に付いている「九輪(くりん)」に似ているのが和名の由来です。

<クリンソウ(九輪草) サクラソウ科サクラソウ属>
6/20 つくば実験植物園




熱帯アメリカ原産のフウチョウソウ科の一年草です。南米南部を中心に、ブラジル南東部にも分布しています。和名は特徴的な花姿を、蝶が風に舞う姿に見立てたものです。



花期になると、茎の頂部に総状花序を出し、花径3~4㎝程度の花を多数咲かせます。美しい花を咲かせることから、世界の広い地域で観賞用として導入されています。



日本へは明治時代初期に渡来し、夏の花壇を彩る花として広く栽培されています。品種改良はあまり行われておらず、ほぼ原種に近い形で流通しています。

<クレオメ(西洋風蝶草) フウチョウソウ科セイヨウフウチョウソウ属(クレオメ属)>
6/15 アンデルセン公園




西アフリカ原産の常緑半つる性低木。青い蝶のような花を咲かせ、別名ブルーエルフィン(青い妖精)やブルーウイング(青い翼)などと呼ばれています。

<ブルーウィング>


クレロデンドルムの仲間は種類が多く、クレロデンドルム・バケリや、ゲンペイカズラ(源平葛)やドウなどの種類もあります。

<バケリ>


<クレロデンドルム  シソ科クサギ(クレロデンドルム)属 >
6/20 つくば実験植物園




ニューギニア原産で、世界の熱帯(亜熱帯)に観葉植物として植栽(園芸種多種あり)されています。



葉は先が尖った楕円形で、対生します。葉は緑色で中央部にクリーム色や薄桃色の斑が入ります。夏に総状花序をだし、淡紫色~赤紫色の筒状花を咲かせます。



植物名は葉姿がクロトン(トウダイグサ科)に似ていることから付けられました。

<クロトンモドキ(クロトン擬き)  キツネノマゴ科グラプトフィルム属>
6/20 つくば実験植物園





中国南部やインド東部から東南アジアにかけての湿潤な熱帯地域を中心に分布しています。その花は黒く独特の形をしており、黒いコウモリやネコ、悪魔などにもたとえられます。



葉はオリーブグリーンで長さ45cm、全縁、広披針形。コウモリの羽のような黒栗色の幅の広い苞をもち、茎約3cmの暗紫褐色の花を咲かせます。



植物名はこの植物を台湾から初めて日本に持ち込んだ「田代さん」の名前にちなみます。

<クロバナタシロイモ(黒花田代芋) ヤマノイモ科タシロイモ属>
6/20 つくば実験植物園





熱帯アフリカ西部に分布するシソ科クサギ属のつる性常緑低木です。美しい花を咲かせることから、観賞用として世界の熱帯~亜熱帯地域で広く栽培されています。



日本には明治時代に渡来しており、植物園の温室などで栽培される他、あんどん仕立ての鉢物として流通しています。



赤色の花と白色の萼が対照的で美しく、この対比を源氏と平氏に見立てたことが名前の由来です。

<ゲンペイカズラ(源平葛) シソ科クサギ属>
6/9 柏の葉公園




中国北部からシベリア、朝鮮半島に自生するシソ科の植物。日本では薬草や観賞用として栽培されています。



享保11年(1726)に朝鮮半島より種子を取り寄せたとの記録が残されていますが,これは八代将軍の徳川吉宗(1684―1751)が実施した生薬の国産化の一環によるものです。



植物名は花の色ではなく,根の内部の色が淡黄色であるところから名づけられました。

<コガネバナ(黄金花) シソ科タツナミソウ属>
6/20 つくば実験植物園




別名ホウキギ(箒木)、ホウキソウ(箒草)などと呼ばれる雌雄同株の一年草で、ふんわりとした草姿がユニークでかわいらしい非常によく増える植物です。



最初は緑色の樹形ですが、秋になると紅葉しとても鮮やかで美しい赤に変化します。茨城県の国営ひたち海浜公園では、広大な敷地に植え付け、夏から秋の観光名所となっています。

<コキア(箒木) アカザ科ホウキギ属>
6/21 北柏ふるさと公園




メキシコを中心に約20の野生種が知られています。野生種はメキシコの高原が故郷で、夜が長くなると花芽を作る「短日植物」で秋以降に花を咲かせます。



近年は、それほど日の長さに影響されずに開花する早生品種が主流になり、春にタネをまいて初夏から開花を楽しむケースがふえています。



明治に渡来した外来種で、和名は「秋桜(あきざくら)」と読みます。これを「コスモス」と読ませたのが、昭和52年に山口百恵さんが歌った「秋桜」という歌謡曲が大ヒットしてからです。



この曲を作詞作曲した、さだまさしさんが「秋桜」を「コスモス」と読ませて一般化しました。「秋桜」と書いて「コスモス」は図鑑や難読漢字にも取り入れられるほど一般化しています。



<コスモス(秋桜) キク科コスモス属>
6/15 アンデルセン公園




南アフリカ原産の匍匐性低木です。ネーミング通り、ランタナを小ぶりにしたような花が地面一面に開花します。



繁殖力が旺盛で、放任でも広がってたくさんの花が開花します。色はピンクや白、クリーム色、黄色などの単色をはじめ、最近は複色のものもあります。



<コバノランタナ クマツヅラ科シチヘンゲ属>
6/20 つくば実験植物園




ユーラシア大陸原産のキク科の多年草です。日本では野菜・根菜の一種として食用にされます。春に種をまき、その年の秋から冬にかけて収穫します。花が咲く前に収穫するのが一般的です。



収穫せずにおいておくと翌年の6月中旬以降、草丈が1メートルを超え、アザミのような紫色の花を咲かせるそうで、種を取るためにおいておく以外、私たちが目にすることはないそうです。



<ゴボウ(牛蒡) キク科ゴボウ属>
6/20 つくば実験植物園




北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布するシソ科の落葉低木。自生はやや湿気の多い場所ですが、庭木として幅広く植栽されています。日本以外では中国や朝鮮半島に分布します。



開花は6~8月で、葉の脇から伸びた花軸に、淡い紅紫の小花が10~20輪が集まって咲きます。雌雄同株で花には1本の雌しべと4本の雄しべがあり、それぞれが花先から突き出ています。



同属のムラサキシキブとともに平安時代の作家、紫式部にちなんで名付けられました。本種は樹高が1.5m程度に収まり、いわゆる下草として、より広く親しまれます。一般的には誤って本種をムラサキシキブと呼んでいることが多いようです。

<コムラサキ(小紫) シソ科ムラサキシキブ属>
6/20 つくば実験植物園




主として葉を観賞する東南アジア原産のシソ科の植物で、日本では園芸的には一年草扱いとされます。暑さに強く観賞期間が長いこと、群植すると特に見栄えがするので公共花壇などによく利用されます。



葉形や葉色、葉の大きさ、色合いなど様々な品種があり、園芸品種は100を超えています。生長期は、4月~6月と9月~10月で、花に負けない華やかな株姿で、鮮やかな色彩の葉を楽しめます。

<コリウス(金襴紫蘇) シソ科コリウス属>
6/15 アンデルセン公園




原産地はアメリカのコロラド州からワイオミング州一帯のロッキー山脈。樹高5m〜20m程になるマツ科の常緑針葉高木です。日本では5月〜6月頃に開花します。



葉は枝に対して放射状に付き、長さ3cm程の針状で触るとチクチクします。葉は、銀青色と表現され、青みがかった灰色で、緑が混じった「銀青緑色」です。



観賞価値の高い園芸品種も数多くあります。本種はクリスマスツリーのように三角の樹形になる高木です。

<コロラドトウヒ ’ホプシー’ マツ科トウヒ属>
6/15 アンデルセン公園




奄美大島以南の琉球列島、東南アジア~太平洋諸島の湿地に分布します。熱帯では、日陰樹や防風樹として利用されています。



花は夜咲き、良い香りを放ちます。夜に活動するコウモリやガを呼び寄せ、受粉に一役買ってもらいます。大変美しい花ですが、残念ながら朝には散ってしまいます。



<開花した状態> Wikipedia(Barringtonia racemosa)より


<サガリバナ(下り花) サガリバナ科サガリバナ属>
6/20 つくば実験植物園




常緑の低木で、関東地方以西の本州のほか、屋久島に隔離分布しています。開花期は5月下旬から6月上旬で、ヤマツツジなどよりも1か月ほど遅く咲きます。



江戸中期に数多くの園芸品種が作出されました。これらをおおまかに区別するために、4月から5月中旬に開花するものを「ツツジ」、5月下旬から6月上旬に開花するものを「サツキ」と呼び始めました。



<サツキ(皐月) ツツジ科ツツジ属>
6/4 自宅




ジャマイカ、グアテマラ、キューバ、メキシコ原産の多年生球根植物です。ゼフィランサスという名前でも流通しています。



花は6月〜9月頃に開花します。ピンク色になり、径6cm〜8cm程で上向きに咲き、花被は6裂し、花被片の基部は淡い緑色を帯びます。



江戸時代に日本に渡来した当初に、本種が本物のサフランであると誤認されていましたが、明治の初めになって誤りであることが知られ、本種の名前で呼ばれるようになりました。両者の明確な違いは色です。サフランは紫、サフランモドキはピンクです。

<サフランモドキ(サフラン擬き) ヒガンバナ科タマスダレ属>
6/4 自宅


20品種と大変多くの植物にも拘わらず、最後までご覧いただきありがとうございました。
次回「6月の花のアルバム ⑥」に続きます。


珍客の来訪 ②(ツバメのヒナ)

2023-07-14 | 日記
先回の続きです ⇒ 珍客の来訪(キジ) 2023-05-04

私は野鳥の撮影の真似事を始めて2年ほどになります。撮影する野鳥の種類も少しづつ増えつつありますが、ツバメだけはまだ撮影した経験がありません。あのスピードで飛び回る瞬間は、私のカメラスキルではとても無理だと諦めていました。



そんな中、7月10日の朝、わが家の2階の部屋の窓際から騒がしい鳥の声がしました。そっと覗いてみると、ツバメのヒナが6~7羽窓際に止まっています。



巣立ちしたツバメのヒナがどこからかわが家にやってきて、口を大きく開けて親鳥からの餌を待っているように見えます。



そっとカメラを取り出して、ツバメに気づかれないように窓越しに写真を夢中で撮りました。



ツバメのヒナへの給餌は雄雌で分担して行い、ハチ、ハエ、メイガ、カメムシ、ウンカ、ゾウムシ、アブ、トンボなど空中を飛んでいる多数の昆虫です。



ヒナ5羽の巣の観察では1日最高639回給餌した記録があるそうで、雛は1分間に1回食したことになります。給餌は巣立った後もしばらく続けられます。



ツバメのヒナは、孵化後20日前後で巣立ちます。巣立った後、数日間はヒナ同士一緒に行動し、電線などに止まって親から給餌を受けます。



また、巣立ち後1~7日間位は巣に戻って寝るが、1~2週間し、自分で餌を採れる様になるとヨシ原等で集団塒をとる様になり10月中旬頃から南へ渡って行きます。



渡り鳥であるツバメは、3月下旬~4月上旬頃になるとフィリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナムなど東南アジアから海を越えて、日本にやってきます。



距離にするとおよそ2000~5000kmにもなり、ツバメは小さな体ですが、とてもパワフルで沖縄、九州をへて北上し、各地で子育てを始めます。



産卵の時期は、4月末~7月末頃。3~7個の卵を生み、8月頃に巣立ちの時期を迎えます。



産卵から孵化までは2週間ほど、孵化から巣立ちまでは3週間ほどで、雛は親鳥からたくさんエサをもらって大きくなります。



体の小さなツバメには、天敵がたくさんいます。カラス、ハヤブサ、ワシ、猫、ヘビなどを自分たちの巣に近づかせないよう、工夫する必要があります。



そこで、あえて人の多いところに巣を作り、天敵を近づけないようにしていると考えられています。



一方で、ツバメは農作物に被害を与える虫をたくさん捕まえてくれるので、農家の人からはとてもありがたがられるそうです。



巣立ったツバメは集団となって過ごし、親鳥から飛び方やエサの獲り方を教わります。その後、秋が近づく9〜10月に、ツバメたちは日本を離れます。



日本にやってきたときのように九州、沖縄をへて海を越え、遠くの南方へと飛び立ちます。そこで冬を過ごして、次の春、また日本に戻ってくるのです。



私が初めて撮影したツバメのヒナの写真、とっさの登場で夢中になって撮ったものです。画質や構図も悪くて見苦しい写真ばかりにも拘らず、最後までご覧くださりありがとうございました。