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脇差 武蔵大掾藤原忠廣 Tadahiro Wakizashi

2018-09-13 | 脇差
日本刀買取専門サイト 銀座長州屋

脇差 武蔵大掾藤原忠廣


脇差 武蔵大掾藤原忠廣

江戸時代初期の脇差には大きな特徴がある。大小揃いで腰に帯びる際の小さな方が脇差。江戸時代に、武士が登城する際に帯びる式正の大小に則ったものを、脇差であると認識している方も多いようだ。しかも脇差は町人の持ち物であるため、出来があまりよろしくないのではなかろうかと、間違った認識の方も多い。以上の説明は正しいところもあるが間違いもある。加えて、現代の法律では一尺から二尺に満たない刀を脇差と分類することからややこしくなっている。
ま、脇差の分類と意味についてはこれまでも説明したので改めて言わないが、二尺を超える脇差もあるし、二尺以下の刀もあることは理解しておくべきだ。江戸初期の造り込みは、当時はやった婆娑羅に通じる傾奇者の美意識を鮮明にする、がっしりとした造り込みが多い。即ち寸法は使い勝手の良さを追求してやや短め、身幅広く重ね厚くどっしりとして、反り深めに先反りが付いており、南北朝時代の脇差を厚手にしたもの、或いは薙刀を脇差に直したような造り込み、と考えれば分かり易い。
写真は初代忠吉の晩年、武蔵大掾忠廣と改銘した後の、頗る完成度の高い作。刃長一尺二寸四分四厘、反り四分二厘、元幅一寸一分五厘、重ね二分四厘。完成された肥前肌に特徴的な小沸出来の直刃。区も深く残されている。先反りが深く付いて、いかにも武用の、実際に激しく打ち合い、切り込むことを想定した覇気ある造り込みで、しかも美しい。170□





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