日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 了久信 Hisanobu Tachi

2010-06-17 | 太刀
太刀 了久信

 太刀 無銘了久信



 生ぶ無銘で、山城国来派の流れを汲む鎌倉時代末期の了戒派の久信(ひさのぶ)と極められている太刀。鳥居反り深く、身幅広く重ね厚く、がっしりとした造り込み。山城物に特有な小板目肌に鍛えられた地鉄は、微細な地沸が付いて潤い感があり、区上から始まる沸映りで明るく白っぽく感じられる。細直刃基調の焼刃は、わずかに湾れ、刃縁盛んにほつれて淡い金線となり、小互の目を交えて小乱調となる。父である了戒とは作風を異にして、引き締まった感がある。殊に刃中の働きが活発で、一時代上がる風がある。物打辺りから上は刃文が抑揚変化し、乱れ込んで先は丸く返るところなど、山城古伝とは風合いを異にして新趣が求められているようだ。




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