日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 越州光行 Mitsuyuki Katana

2016-11-10 | 
刀 越州光行


刀 越州光行

 京の来派の流れを汲む刀工が越前に移住している。元来、それらの刀工は山城伝で作刀していたが、南北朝時代に隆盛した相州伝の影響を強く受けたものであろう、中にはこのように相州色を強くした作も遺している。磨り上げられて銘はないが、光行と極められている。磨り上げによって反りの少ない姿。身幅は南北朝時代の特徴で元先は広いのだが鋒は尋常。地鉄は良く詰んだ小板目肌と大板目の混成。小板目肌は本流来派の特質で、これに大肌が現れたもの。微細な地沸で覆われて明るい。刃文は湾れに互の目が交じり、互の目の所々が角のように尖っており、相州伝の要素を秘めている。だが、互の目の多くは不定形に乱れており、湾れに加わって深い互の目の構成も相州伝の特徴。刃境が沸でほつれ掛かり、地中には湯走りが広がり、刃中へも沸足、砂流し、沸筋が肌目に沿って流れるように入る。相州本流物でなくても、このように激しく、働きの濃密に現れた作があるのだ。

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