日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

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脇差 貞末 Sadasue Wakizashi

2017-09-19 | 脇差
脇差 貞末


脇差 貞末文安二年

 遺されている作例が少ない石見国の貞末の、室町初期応永頃の作風を伝える一尺二寸強の脇差。上級武将が室内で備えとした腰刀であろう。腰元に彫物が施されて所持者の信仰が示されている。地鉄は板目肌に小板目肌が交じって所々肌立つ風があり、地沸が厚く付き淡く映りが立つ。刃文は浅い湾れで、帽子も調子を同じくして浅く返る。小沸が付いて匂口の締まった焼刃は、刃境ほつれ、金線走り、物打辺りは二重刃風に乱れる。貞末は石州直綱の門流。だがこの頃になると古伝の相州振りはおとなしくなっている。

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