日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 國分寺助國 Sukekuni Tachi

2017-08-01 | その他
太刀 國分寺助國


太刀 國分寺助國

 ちょっと面白い存在が、備後国の古鍛冶助國である。大和鍛冶との関連が強く考えられる三原派に先行して備後国で活躍した鍛冶である。時代は鎌倉中期から後期。この太刀は、磨り上げられて「備州」と「正中」のみ遺されている状態だが、「備州國分寺住人助國作元徳元年十一月日」の銘が刻された作と銘振りや造り込みなど作風が全く同じであることから、同工の作と鑑て間違いない。寸法は二尺三寸、反り五分半。板目鍛えと微塵に詰んだ小板目肌が交じり合って濃淡変化に富んだ映りが顕著に現れた地鉄には、古く備前刀工と言われていた国分寺助國が、備前鍛冶とは異なる性格を備えていることが良く判る。刃文は直刃に浅い湾れ交じり。刃縁に細やかなほつれが掛かり、逆足を切る様に刃中には金線沸筋が流れる。焼刃から映りに向かって足のような働きが生じており、これも見どころ。□




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