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日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

脇差 近江大掾藤原忠廣 Tadahiro Wakizashi

2011-03-22 | 脇差
脇差 近江大掾藤原忠廣

 
脇差 銘 近江大掾藤原忠廣



 一時代上がった慶長頃を想わせる、寸を控えて反りを深くし、重ねがっしりと造り込んだ脇差。寛文を経て延宝から元禄にかけての作と推測される。刀身の中ほどを過ぎるほどに大振りの剣を彫刻しており、何らかの製作意図があったものと考えられる。地鉄は緊密に詰み棲んだ小板目鍛えで、微細な地沸で覆われ、しっとりとした質感。刃文は直刃に湾れ交じりだが、刃中には沸が強く意識されている。沸筋が二重刃状に強く入り、大きく喰い違いがあり、姿格好と共に迫力満点。古作相州伝を念頭に置いてのものであろう。