日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

刀 肥前國住藤原忠廣 Tadahiro Katana

2011-02-25 | 
刀 肥前國住藤原忠廣


刀 銘 肥前國住藤原忠廣寛永十五年



 二代忠廣は初代忠吉(武蔵大掾忠廣)の子。三代以降は忠吉銘を用いているのだが、初代が晩年に用いた忠廣銘を継ぎ、忠吉銘を切ることがなかった。技術は頗る優れ、作刀を産業とした鍋島家に仕えて作例多く、また贈答用の刀を藩主から求められて多くの名作を世に出した。寛永十八年に近江大掾を受領していることから、この刀はそれ以前の作だが、年紀を切っているように特別の注文作であり、寸法長く頑丈な造り込みで、この頃の代表作の一つとも言えよう。小板目鍛えの地鉄は良く詰んで潤い、綺麗に揃った小沸の帯が破綻なく焼かれており、初代が求めた古作山城来派のそれを江戸初期のものとして再現、肥前の作刀を世に知らしめた内容の濃さとなっている。忠廣の感性と高い技術が示された作である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする