脇差 盛重
脇差 銘 備州長舩盛重應永二十九年八月日
一尺五寸強の小振りな脇差で、この時代においては太刀の副え差しとされたものであろう、元来は平造が多い腰刀から次第に鎬造へと変化してゆく過程にあった武器と考えられる。杢目交じりの板目肌が柔らか味をもって詰み、地沸が付いて潤い感があり、映りが淡く立って地景が強く現われる。この時代の質の良さが良く現われている作。焼刃も匂主調の腰開き互の目乱で、足は左右に開くように乱れて入り、焼頭は軽やかに高低変化する。刃縁は匂のほつれが掛かり、帽子は乱れ込んで先尖りごころに返る。
脇差 銘 備州長舩盛重應永二十九年八月日
一尺五寸強の小振りな脇差で、この時代においては太刀の副え差しとされたものであろう、元来は平造が多い腰刀から次第に鎬造へと変化してゆく過程にあった武器と考えられる。杢目交じりの板目肌が柔らか味をもって詰み、地沸が付いて潤い感があり、映りが淡く立って地景が強く現われる。この時代の質の良さが良く現われている作。焼刃も匂主調の腰開き互の目乱で、足は左右に開くように乱れて入り、焼頭は軽やかに高低変化する。刃縁は匂のほつれが掛かり、帽子は乱れ込んで先尖りごころに返る。