昔、付き合ってた子が一人暮らしは寂しいというから、ペットショップで猫を買ってきた。
ちっちゃくて可愛いシャム猫だった。
最初はプルプル震えていて、蹴飛ばすと死にそうなくらい小さかった。
部屋につれてきた初日はおねしょをした。
俺があんまり猫をかわいがるものだから、彼女は猫に嫉妬するくらいだった。
かわいくてかわいくて仕方がなかったので、頭を撫でる手におもわず力が入ってしまって、猫の頭がくねくねとして地面につきそうなくらいになってしまう。
そうすると猫は俺の気持ちも知らずに、スタコラサッサとどこかに逃げてしまうのだった。
猫が後ろ足で首筋を一生懸命掻いていると、その首筋に手をあてる。猫は掻いても掻いても痒さがとれないので狂ったように俺の手をまた掻く。
しかし一向に痒さはとれない。
俺はゲラゲラ笑う。
夏場、暑そうにしていたから、はさみで猫の毛をジョキジョキ刈ってたら、猫なのに虎刈りになってしまったよと、あははと笑っていたら、彼女にめちゃくちゃ怒られた。
猫は朝私が起きなければいけない時間をちゃんと知っていて、ぺろぺろと顔をなめて起こしてくれた。
なかなか賢かった。
彼女と別れるとき、猫と別れるほうが辛かったくらいだ。
すごーく昔だからもう猫はもう死んでしまっただろう。
いま、彼女が何をやっているのか知らない。
だけど、彼女の愛情にあふれる丁寧な猫の育て方から推測するに、いいお母さんになってるんじゃないかな。
そうだといいけど。
時は静かに流れる。
だけど、彼女の愛情にあふれる丁寧な猫の育て方から推測するに、いいお母さんになってるんじゃないかな。로또디비
そうだといいけど。