最近は、あんまり小説を読まなくなりました。
アマゾンオーディブルの朗読が多いです。
スマホからイヤホンで聴けるからです。
自転車に乗ってるときも、家で横になっているときも、いつでも聴けます。
それで、今野敏さんの「マル暴甘糟」を聴きました。
まずは、ナレーターの桑原敬一さんのことを書きたいですね。
朗読には、大きく2つのタイプがあります。
一つは、登場人物の声を一人一人変えないで、朗読していくタイプです。
アナウンサーが朗読するとこういう感じになります。
もう一つは、キャラクターごとに声色を変えて、演じるように朗読していくタイプです。
こっちは声優さんに多いですね。桑原敬一さんは声優なので、こっちの方です。
登場人物が、10人くらいいるんですが、声を見事に使い分けています。
これぞ、プロという感じです。ほんとにすごい。一発でファンになりました。
ナレーターの良し悪しで、朗読はかなり変わりますからね。
次に内容ですが、この小説は刑事モノです。
主人公の甘糟刑事は、マル暴、つまり暴力団担当の刑事です。
しかし、この甘糟刑事は気弱で真面目です。
史上最弱な刑事というキャラクター設定が、絶妙に面白い。
今野敏さんのキャラクターは、ほんとにイキイキして楽しいですよ。
甘糟刑事は、暴力団に聞き込みをしますが、いつも脅される感じになってしまいます。
そのたびに、あんたが刑事なの忘れるよと言われてしまいます。
そのやり取りで、おもわずクスッとなります。
彼自身、不本意ながら、いつの間にか暴力団に好かれてしまう。
グダグダになりながらも、きちんと事件を解決するので、おもろいです。
暴力団の話なのに、絶えず笑っているのは、今野敏さんの小説くらいです。
むかしは、今野さんの小説は、行間がスカスカで内容が薄いなと思っていました。
しかし、今は丁度いいかな。
もし、サクッと読みたい人は、おすすめします。
もう次の「マル暴総監」の朗読版を購入しています。楽しみ。