旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

冬のご褒美は北東北の旨い酒肴 田沢湖線を完乗!

2018-12-23 | 呑み鉄放浪記

 8月末、花火大会で賑わう大曲も今は一面真っ白な雪景色。
大人の休日4日目は、田沢湖線で飲みながら喰いながら盛岡へと向かう。 

 

大曲も横手も(そう云えば新庄もそうだった)駅舎が新しい。皆同じテイストだけど。 

幸い陽が出てきた。田圃と里山の雪景色が澄んだ青空に映える。 

秋田新幹線こまち号が雪煙りを立てて通過していく羽後長野駅で途中下車。
この町にある鈴木酒造を訪ねるために小さな駅に降り立つ。 

 
 

 軒下に真新しい酒林が吊るされてて、新酒の搾りがはじまっている。
鈴木酒造は元禄二年(1689年)創業の古くからの蔵、"秀よし" の銘柄を醸している。
薄く濁った生まれたての新酒 "純米しぼりたて生酒" を土産に求めた。華やかな香りがいい。 

羽後長野から2つ進めると角館、ご存知「みちのくの小京都」だ。
武家屋敷と桜の風景はあまりにも有名だけど、凛とした冬の風景もなかなか良い。 

 
 

 武家屋敷は石黒家を拝見した。武士の格式を示しながらも簡素な佇まいがいい。
座敷の壁に幻燈の様に映る欄間の亀が素敵でしょう。蝋燭の灯なら泳ぐように揺れて。
雪が深々と降る夜は、こんな部屋で差しつ差されつ飲みたいものだ。 

 

武家屋敷の町並みの中に「稲庭うどん処古泉洞」、かつては寺子屋だったそうだ。
"比内地鶏の稲庭うどん" をいただく。あっさりした出汁が美味しい、温まるね。 

15:23、盛岡行きの2両編成に乗車する。冬の陽は低い。
盛岡までは60km、単線で往き違いも、新幹線の待ち合せもあって1時間30分もかかる。 

列車は県境を越え、雫石川水系の谷を辿って北上盆地へと下って往く。 

16:56、とっぷりと暮れて盛岡に終着。
このまま新幹線に飛び乗るのはもったいない。ひたすら東へ、歓楽街大通りをめざす。 

 

串焼き酒場 萬、炉端の幅広のカウンター席がなかなか良い。
渋く "サッポロ赤星" の栓を抜く、焼き物が上がるまでは "タコぶつ" を抓む。 

 

串焼き5点盛りを味わったら、"炙りしめ鯖串" を焼いてもらう。脂がのってこれがうっ旨い。
海の肴には海辺の酒、釜石の "浜千鳥" を啜る。穏やかな飲み口で旨みのある酒だね。 

 

二杯目は磐乃井酒造(一関市)の酒 "IWANOI THE MOON"、なんとも洒落たラベル。
県産トヨニシキで醸した特別純米無濾過生原酒は、飲み飽きしない1年熟成の酒。
澄んだ出し汁の上品な "おでん" と一緒にいただいた。
余所者にもやさしいアットホームな店で、旨い酒肴を堪能した盛岡の夜なのです。

田沢湖線 大曲~盛岡 75.6km 完乗 

 

どんなときも / 松岡茉優



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