長津田を発車して横浜線をオーバークロスすると、車窓はいよいよ田園都市の風景に変わっていく。
トンネルを潜る毎に、視界に占める緑の広がりが増して行くように感じるね。
紅いラインの急行電車は、つきみの駅を過ぎると地下へと潜って中央林間に終着する。
戦時中に小田急が開いた西口は、昔ながらの商店街が延びる。
東口は瀟洒な駅ビルから碁盤の目状に広がるベットタウン。東急が開発した町だ。
東口から歩いて3分、めざす蕎麦処「まるぬき」がある。今日はここで昼呑みを愉しむ。
ジョッキーまで程よく冷えて、キンキンの一番搾りを乾いた身体に流し込む。美味いね。
肴は "かも塩焼き" と "だし巻き"。酒は辛口が良い、"越後桜" がグラスから升へと溢れる。
越後平野は水原、白鳥飛来地で知られた瓢湖の近くに蔵元が在る。
芳醇辛口を一合愉しむうちに蕎麦が茹であがる。〆にせいろを一枚ズズッといただく。
新しい田園都市で江戸の「粋」を気どった土曜日の午後なのだ。
<40年前に街で流れたJ-POP>
プレイバックPart2 / 山口百惠 1978