原宿から北に歩くこと10分少々、明治通りを渡った住宅街の中に「ななつぼ」がある。
このご近所さんが集うイングリッシュパブのような店に、一見の呑み人がふらりと寄せてもらう。
白地に赤で抜いた提灯が生暖かい風にゆれている。
先ずは渋く “赤星” を択んだら、冷やしたグラスに注いで、今宵の一杯をはじめる。
ポテサラは酒場の力量を推し量ると思うのだけれど、ここの一品は “しば漬けのポテトサラダ” だ。
見た目も鮮やかだけれど、その酸味も食感もなかなかいいね。
っと、ご近所のおそらくは一人暮らしのご婦人が杖をついていらっしゃった。少し遅れてご友人も。
店のお姉さん(奥さん?)が用意してくれた折り畳みの椅子に腰掛けて、
1本のビールと、何皿かのアテをシェアして、夕食を楽しんでいらっしゃった。
なかなかステキな、地元の方に愛されたお店ですね。
日本酒は4銘柄ほどホワイトボードに書かれている。石州益田の “宗味” をいただきたい。
この特別純米酒は、島根の酒米「佐香錦(さかにしき)」を醸したやや辛口の酒だ。
ふた皿めのアテは “天使の海老 紹興酒漬け”、ニューカレドニアからやって来たらしい。初めまして。
このルビー色の大ぶりな海老、紹興酒に漬かって塩味が強くて、酒がすすむ一品だなぁ。
品のある徳利に大好きな “真澄” を注いでもらう。猪口も含めて立ち飲みクオリティーを越えている。
この辛口の純米吟醸酒は、実に旨い食中酒だと思う。
檸檬をたっぷり絞った “厚切り銀鮭の蒸し焼き” を箸で崩すのが楽しい。
大根おろしをのせながら、この旨みと塩味も酒を促すね。
立ち飲みを巡りながら山手線を回ろうと思い立って、東京駅を発ってから結構時が過ぎている。
早足の後半戦を誓っているから、次は近々渋谷でお会いしましょう。
<40年前に街で流れたJ-POP>
今だから / 松任谷由実・小田和正・財津和夫 1985