白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―珪藻土焼成粒とは?―

2013年12月23日 | 日記

新プランター栽培の培土の基材である「珪藻土焼成粒」 ご存じの方も居られるでしょうが改めてご紹介させて頂きます。

日本で売りだされている珪藻土焼成粒は、イソライト工業株式会社が和倉温泉で有名な能登半島に産する「能登珪藻土」を造粒して焼成した 「イソライトCG」の商品名で土壌改良資材として製造販売しているセラミックスサンドであります。

 その珪藻土焼成粒、元はアメリカのゴルフ場のグリーン等の土壌水分管理のにために設ける滞水面(WaterTable)設計で、構成土壌の改良の添加材として用いられて、その優れた透水性の改良効果が明らかにされたのが利用の始まりと言います。

 

―Images Photoes for GolfcourseGreen-

日本では、日本オープンが開催されるゴルフコースなど、全国約800のゴルフ場のコース設計に使用されていると言い、且つ又、公共緑化工事の土壌改良、維持管理の大変な大規模なスポーツターフの土壌改善、特に高度な耐踏圧性を持つ事等、そのユニークな特性が高く評価され、土壌添加資材として広く利用されるにようになっています。

その実績と効果が認められて1994年に、地力増進法の政令改正により 「けいそう土焼成粒」の名称で、土壌の透水性の改善に優れる政令指定土壌改良資材として追加指定されています。

―都市緑化イメージ写真よりー

その珪藻土の基となる「けいそう(珪藻)」 隠花植物に一部門をなす下等藻類で、光合成能力を持つ単細胞植物(植物性プランクトンの一種)であり、その種類は大変多く、約1万5千種以上にも及ぶと言われています。

 

ーコバンケイソウ WebPhotoesよりー

その「けいそう(珪藻)」、水中から摂取した二酸化珪素(SiO2)で体の周囲に殻(珪藻殻)を形成する藻類である事から珪藻と呼ばれるのですが、その殻(珪藻殻)の表面および内部は0.1μm~数μmの多数の微細気孔を持つ多孔質構造になっています。 

其の珪藻殻の微細孔や割れ目は外部への代謝産物の分泌口であると言い、その珪藻殻の形状は円盤状,楕円状,球状,筒状,船状等様々であり、主な構造はフタとソコからなる弁当箱状であって、繁殖の為に其の内部が膨張出来る構造になっていると言います。

 

ケイソウ被殻―Wikipedia より

その「けいそう(珪藻)」の死んだ遺骸が海底や湖底に堆積し、残った殻(珪藻殻)が化石化して二次鉱物(粘土類)と共に地層を形成ししているが珪藻土であります。

 その珪藻土層は世界各地に分布しており、わが国の珪藻土鉱床は北は北海道から南は鹿児島県まで広く21道県に分布していると言います。

其の品位や風化の程度にも依りますが、崩れやすい褪白色の微細粉であり、其の粒径サイズは多くが10~200ミクロンの火山軽石の粉末に似たざらざらした感じであり、多孔質体の為に大変軽く、炉乾燥すると80~90%の二酸化珪素(SiO2)、2から4%のアルミニウム(主として粘土鉱物による)、0.5から2.0%の二酸化鉄、その他で構成されていると言います。

その主な用途は、ろ過助材や各種フィラー等ですが、やさしい研磨目的の歯磨き剤、鉱物殺虫剤、液体吸収剤等など、その他の幅広い用途に利用されています。

 

―イソライトCG10%添加校庭緑化芝生工事例―イソライト社HP

日本で現在工業的に採掘されている珪藻土の産地は北海道,秋田県,石川県,島根県,岡山県,大分県,鹿児島県の1道6県と言い、各々の産地によって品位が異なり、その品位に応じた利用法があると言います。

その中で、粘土鉱物を含む能登珪藻土(石川県)は、その持つ成形性、断熱性、多孔性などの諸性質を生かし 「こんろ」や「耐火断熱れんが」の原料、工業用炉材原料として古くから利用されて来ました。

また近年では、珪藻土の吸放湿特性が着目され、建築用壁材としての利用も各地で行なわれ、その珪藻土の多孔性を生かした利用分野が更に広がっているとも言います。

 

―能登半島観光イメージ写真より

その能登半島に産する「能登珪藻土」を原料とする「珪藻土焼成粒」、粘土鉱物を多く含む点で他の産地の珪藻土と性質を異にしており、その成形性に優れまた粘土分がバインダー(接着材)となって焼成することで堅固に焼き固められる特性を持つ事から、この「能登珪藻土」の特性に着目し、昭和2年に耐火断熱れんがの製造メーカーとして、イソライト工業株式会社が創立されました。

 そして、耐火断熱れんが製造で培った成形・焼成技術と能登珪藻土の粒状化の研究開発によって、昭和63年に国内で初めて「珪藻土焼成粒」(商品名:イソライトCG)を製品化したとあります。

 

―珪藻土コンロー観光イメージ写真より

「イソライトCG」の特徴は 「微細な多孔質構造を持つ「能登珪藻土」を原料としているため、粒の内部には0.1μm~数μmの連通した気孔を無数に有している事です。

これを一般の粘土を焼き固めた粘土質焼成粒(レカトン)等と比較すると、細孔容積は「イソライトCG」が0.66m3/g、「粘土質焼成粒」は 0.26m3/gであり、それら細孔が占める割合(気孔率)は「イソライトCG」が60~70%、「粘土質焼成粒」が、20~30%と、その多孔性で珪藻土焼成粒が秀でていることがはっきりしており、特にイソライトCG」の細孔の大部分は、連通した毛管孔隙として働くために、水などの液体を吸収する能力が非常に高い特徴を有していると言います。

 

―イソライト七輪&耐火煉瓦―

それが、先のブログでも触れた土壌の物理性としての保水性及び排水性が良く成る土壌改良効果と言う事であり、「珪藻土焼成粒」は農業分野においても、一般耕作地の土壌改良資材としてはもちろんのこと、養液栽培の培地としても利用され、又農園芸用培土原料にもなるとメーカーは言います。

 しかし、一般用途としての養液栽培の培地や農園芸用培土となると言っても、その具体的な作用や効果がはっきり説明出来ず、費用対効果が判然としていません。土壌改良効果のはっきりしいるゴルフ場開発ブームも今は去り、又、大規模な緑地造営等の公共事業利用も余り多くは見込めなくなった昨近では、その大きな需要は中々望めない状況にもあるようです。

 

―NHKテキストに載ったキャベツの写真―

此の度、その「珪藻土焼成粒」がプランター栽培の園芸培土となると紹介され、NHKの園芸番組の「野菜の時間」に取り上げられて全国規模で放映される事になれば、日本の多くの方に 「珪藻土焼成粒」の存在を知って頂く機会になります。 その持つユニークな特性が理解されれば、容器園芸栽培に大きな変革をもたらす結果になるかも知れません。なにしろこの培地、簡単に残根を洗い流して半永久的に再利用できる「優れもの」です。

 

―NHKテキストに載ったトマトの写真―

それでは、そのメーカーでさえ気付かず、説明してもはっきり理解して頂けなかった点について、またまた理屈っぽい話になって申し訳ありませんが一寸触れます。

植物は土壌粒子の間隙である 「孔隙」に維持される養水分によって生育するのであり、其の土粒子の配列が同一であれば、其の粒子の大きさに拘わらず、容積当たりの孔隙率(間隙率)は同じですが、その粒子の大小の違いで孔隙径は変り、その違いよってその孔隙に維持される養水分の流れが変ります。

 土壌の機能として重要な意味を持つ「孔隙」 その孔隙率と孔隙径が土壌の保水性と排水性の決め手であり、その孔隙率と孔隙径を最適な構成(孔隙径分布)にする目的で、土壌に一定量配合し、その機能を改善するのが、土壌改良材の「珪藻土焼成粒」の偉力であります。

 土の命とも言われる「孔隙」 その孔隙率と孔隙径を改善すると言う 「珪藻土焼成粒」の持つ物理特性をフルに利用しているのが新プランター栽培の優れた点であります。

其の土壌改良効果の排水性の良さを逆利用して、土壌機能の「孔隙」に利用できるように構成した栽培法にそのカギが有り、その効果を言い換えれば適正な「間孔隙径分布」であり、野菜を実際に育てて見なくては中々理解できず、栽培実践で初めて分かる効果です。

 

―イソライトCG2号20kg袋―

多くの方が 「新プランター栽培」を早速試して見たいと言う事に成れば、現在、珪藻土焼成粒は土壌改良材として大袋で供給する業務用販売品だけですが、予てよりメーカー/販売筋にお願いして来て居り、間もなく必要な添加材を配合した新しい機能性園芸培土として、市販で簡単に入手できる様になる予定です。どうぞご期待ください。

 尚、其の具体的な利用法である栽培ノウハウですが、今までに当ブログの「新プランター野菜栽培入門」で10回にわたり紹介して参りました。

唯、冗長で分かり難い説明や不正確と思われる表現等が多くあり、特に栽培容器の構造や培土配合等で、見よう見まねでは不十分で真価が得られない怖れがあり、又その後の新たな発見もいろいろあって、今般書き直しをする為に、一旦削除させて頂く事に致しました。どうぞご了承ください。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
珪藻土焼成粒 (864)
2014-02-05 22:53:02
NHKの放送を見逃してしまいました。珪藻土焼成粒は紹介されたのでしょうか?
動画がどこかにUPされているでしょうか?
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質問です (中原 舞)
2014-06-15 09:41:20
はじめまして、こんにちは。
「新プランター野菜栽培入門」の更新を心待ちにしてはや半年たったのですが、「新プランター野菜栽培入門」はもう再掲されないのでしょうか?
そして、培土の販売も近々と書かれていた気がするのですが、そちらの販売もまだなのでしょうか?
どちらとも楽しみにしているのですが
経過情報もなく、もしかしたら再掲も販売もないのでは…不安に思っています。

明るい続報が入るのを楽しみにしています。
これからもブログ更新頑張ってください。
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