秋のお彼岸を挟んで始まる関東地域の野菜の種播きと言えば、先ず玉葱が揚げられますが、今年から始める仲間のエシャロット栽培、フランスからのエシャロット輸入種子、“Echalion Cuisse de Poulet du Poitou” を先日新プランター培土に蒔きました。
この品種 「美食家から絶賛されるクオリティ―」とあって、既に多くの方が家庭菜園などで栽培に挑戦されているようですが、野菜としての利用法、収穫結果や食べての食味の感想等、ネット上では余り見当たりません。
―購入したエシャロットの種子―
先のブログでも触れましたが、日本ではエシャロットと言っても 今尚西洋野菜のイメージが強いのか、野菜としての特徴、含まれる栄養成分、料理に占める評価の意味合い等、余り理解されて居ないようであり、「ラッキョウ」の仲間ぐらいの認識しか持ち合わせて居ない方が多いようです。
先のブログ 「玉葱の品種で違う栄養分」の中にも触れていますが、エシャロットは形態的には一般の玉葱に対して形状が異なる小玉葱の種類であり、丁度大玉トマトとミニトマトの関係に似て居て其の特徴を一言で言えば、含まれる栄養成分が、すべての点で大玉葱を凌駕して居る事です。
ー生育中のエシャロッのト圃場での姿―
特に優れて居る点は、含まれるポリフェノールの量がネギ属野菜の中でも最も多いのがエシャロットであると言われ、又ネギ属野菜の中での料理の味を一層引き立てる調味効果の点では、ニンニクのあの独特の匂いを押さえながら、同じような旨みが得られる料理食材として多くの料理通に好まれて居り、それがエシャロットの高く評価される所以と言います。
エシャロットを野菜料理の食材として様々な料理に利用するには背景の食文化に負うところが大きく、エシャロットの持つ 「美食家から絶賛されるクオリティ―」を生かせるレシピー、先ずはその料理のレパートリーが課題であり、日本での食味の評価には未だ時間の掛かる話かも知れません。
―これがエシャロットの姿のイラストです!―
それで先ず、エシャロットの持つ玉葱を越える其の栄養価、その健康に寄与する “Health Benefits”から、海外のネット情報を追って覗いて見ました。
其の狙いは、年寄りの加齢と共に量的に減る食事の摂食量、沢山食べられなくても食材の選択で補うのには、馴染みの味で栄養を確保する事にあり、より少量摂取の小玉葱、エシャロットで、玉葱の栄養とその味を楽しむと言う事です。
―エシャロットは小玉葱ですが、水分が少なく甘味が強いー
毎年100kg程収穫する玉葱、今年も食べ切れずに芽が出たり、腐り出して廃棄してますが、替わっての自作のエシャロット、どんな風に何処まで玉葱に替って利用するかが課題であり、これ亦新しい試みとなります。
それではネット上にありましたエシャロットの“Health Benefits”を紹介させて頂きます。
エシャロットの健康への恩典
★ エシャロットは、全体で玉葱より栄養面で優れて居り、単位重量べースでの抗酸化物質、ミネラル、ビタミン類が玉葱よりも多く含まれて居ます。
★ ケルセチン、ケンフェロール等の抗酸化物質の元となるフラノボイド類が豊富であり、更に ディアリルディサルファイド、ディアリルトリサルファイド、アリルプロピル ディサルファイドのような硫黄分を含む抗酸化化合物が含まれています。
これらの化合物は刻んだり、潰したりして細胞表面が破壊されるに従い酵素作用でアリシンに変換されます。
★ 調査研究からアリシンには、肝細胞の中にある、HMG-CoA還元酵素の働きを阻害してコレストロールを減少させる事が示されています。更に、抗菌、抗バクテリア作用、抗ウイルス作用を持つ事も分かっています。
★ アリシンには亦、血管の硬化を防ぐ血管拡張剤の働きを持つ化学物質の酸化窒素(NO)を排出して、血圧全体を下げる作用があります。更にアリシンは、血管内に血栓ができるのを阻害して心筋梗塞、周辺血管閉塞、脳卒中などの発症リスクを軽減する事がその研究から示唆されて居ます。
★ 玉葱類に含まれる、植物含有物質のアリウムやアリル ディサルファイドは、抗変異原性(癌発症を抑える)を持ち、抗糖尿病特性(血管内の血糖値を下げる働き)が有ります。
★ エシャロットには、玉葱の数倍の濃度のビタミンとミネラルが含まれ、特に多いのがビタミンA、プリドキシン、葉酸、チアミン、ビタミンC等です。
ピリドキシン(B6)は、人の脳内のGABAの化学レベルを上げてスムースな神経作用を助長します。加えて、100gの新鮮なエシャロットには1190 IU (35% RDA)のビタミンAを含み、ビタミンAは、肺がんや喉頭がんの発症から守る強力な抗酸化作用を持っています。
★ 更に亦、エシャロットは玉葱より優れたミネラル類や電解質で、特に高い鉄分、カルシュウム、銅、リン酸が含まれています。
以上を見ての通り、エシャロットの健康に寄与する効果、従来から言われている玉葱のそれと、略同じようですが、其の特徴のエシャロットには、アリウム属野菜の持つ栄養価が一段と強く凝縮されて居ると言う事です。
その上に、一般の玉葱に較べて辛味が少なく、亦ニンニクの様な強い臭いや辛味が殆ど無く、まろやかな料理に活かせる独特の調味効果があると言う事です。
―ラッキョウそっくりですが、外皮の色が違う―
食事で多くの野菜を食べる事の大切さは言う迄も無く、低脂肪で有りながら、適切な量のビタミンやミネラルが多く摂取できる事にあります。
緑黄色野菜では、豊富なカルシュウム、マグネシュウム、カリウム、鉄やベータ―カロテン、ビタミンB複合体、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンK等が、特に多く含まれています。
亦野菜や果物を多く食べる事で良く言わるのが、其の持つ抗酸化作用であり、活性酸素ストレス、疾病、癌から身体を守る働きであり、身体機能を強化する免疫作用の賦活効果であります。
―エシャロットの吊るし干し姿―WebPhotoesより
加えて大切なのは、野菜に含まれる食物繊維であり、健全な消化器官の維持には欠かせない物質であります。
エシャロットがそれらすべてに応える万能野菜と言う事ではありませんが、玉葱同様の長期保存が出来るキッチンの貯蔵野菜であり、又、ニンニクに替わる量的にも多く摂取できる調味野菜で有る事です。
そんなエシャロットのこれからの評価、家庭菜園から発信される情報で何処まで広がるか楽しみです。
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