白寿を目指す抗衰老ライフへの誘い

慣れ親しんだ新容器野菜養液栽培に別れを告げ、新たに取組んだ老人の終末課題の経過発信を続けさせて頂きます。

―自然の恵みに学ぶ!-

2015年01月19日 | 日記

自然からの恵み、良く天恵物と言いますが、其のものズバリで申しますと、山の幸の山菜、自然物の分解者である食菌類のキノコが挙げられます。

遠く有史前の狩猟採取生活の時代から続いて来た自然に生える山野草などを採取して食用にする習慣、今尚日本の山間地には色濃く残っています。

 その山菜やキノコ採り、山中には何か自然の中でしか感じられない独特の躍動感があって、誰もが自然の中に還った清々しい気分にさせられるのであり、其の季節になるとそんな想いに呼び起こされ、採取の喜びと自然の中での清涼なる高揚感を求めて、毎年山に出掛けて行きたくなるのです。

 

―渓流の流れの傍で育つ山菜―WebPageより

その季節の自然のものを、其の適期に採取して戴く事は、人の心と体の健康をその源で支えてくれるのであり、自然の恵みの有り難さが知らずの内に身に浸みて、自然への感謝と畏敬の念が養われ、それで亦、天恵物を与えて呉れる山の物を守りたい気持ちが一層強くなると言います。

 私事を申して恐縮ですが、戦中戦後の食糧難時代に飢えを経験した世代であり、縁故の無い疎開先で食べるものにも困って其の時期になると、野山に出掛けては夢中になって野草摘みやキノコ採りをした子供の頃を、時には今も思い出します。

 

―山菜の数々、ワラビ、タケノコ、フキ、ミズーWebPageより

其の山菜の話になると、昨年他界した妻は、山菜採りの宝庫でもある東北地方の岩木山の麓に近い、西津軽郡鰺ヶ沢町の出身であり、子供の頃から食べ慣れて来た山菜が何よりの好物であり、故郷の実家や知己の方にお願いしては其の季節取り立ての山菜やその素材缶詰を毎年送って貰っておりました。

 其のお蔭で拙宅では、美味しい山菜料理は此処50年、毎年決して欠かした事が無かったのですが、今はその妻も亡く、尚も未だ残されている山菜缶詰の幾つかがあり、何かそれを見るだけでつい涙がこぼれて仕舞います。

 

―今も残る妻の故郷、鰺ヶ沢町から送られて来た山菜缶詰類―

扨て、其の山菜ですが、これぞ、先のブログ「自然農法」で触れた、不耕起、無施肥、無除草、無農薬の自然環境の下で、全く自然に適応して生える天然の野菜、そのものの姿であります。

 天恵物、山の幸と言われる山菜は、不耕起、無施肥、無除草、無農薬の大地で育つ事が当たり前でありますが、それが農耕地で育つ作物と如何違うのか、改めて考え直して見たいと思い、環境植物生理学の本を持ち出してあれやこれやと読みまわして見ました。

 

―山菜の姫タケノコと赤ミズーWebPageより

自然土壌では、施肥に依って植物の生長や種の構成が変化すると言う意味で、栄養素は常に欠乏状態にあると謂えるとあります。

其処に育つ植物は、隣接する個体同士が互いに重なり合い、光合成の為の光の奪い合い状態にあり、其の他に、土壌からの栄養素の供給にも奪い合いがあり、其の供給に欠かせない水の存在が亦あり、更に、影響の大きい温度、競合植物、カビや微生物の活動等、多くの環境因子への適応が植物は必要であります。

従って、植物を育てるには、其の生活環のどの時点で、環境の影響が受け易いのか知るのが大変重要と言います。

 

―代表的な山菜のワラビーWebPageより

其の植物の大切な栄養摂取源である炭酸ガスの濃度は、僅か300PPM、0.03%程であり、土壌中に溶けて居る養分も亦、ミクロンオーダーの非常に希釈された成分であり、それを濃縮する事で、生活を維持しているのであり、其れ故に、植物は多くの成長点で、絶えず成長する事が出来て居り、絶えず環境を探査・利用する能力を備えていると言うのです。

 土に固定されて移動できない植物、其の生活環を変化させる以外、障害となるストレスから逃れられない為に、環境に適応する能力が不可欠であると言います。

そして、すべての植物が、生存する為の幅広い表現型形質の中から、個々の環境に適応した或る形態を選んで、表現型形質にすることが出来る柔軟性を持っていると言います。

 

―環境生物学、新科学教育の中心コースーWebImages より

其の植物の成長に対する環境の影響は、風、温度、日射、イオンバランス、食害等、その他の多様な環境因子によって、支配を受ける外的障害であり、植物体の一部、或いは全体の枯死、生理的な機能の阻害や成長率低下となって表れる現象でありますが、それに対して植物自身によって調節される適応反応があると言います。

 植物の外的障害に対する適応反応、障害要因に対する抵抗性であり、植物の種によって大きく異なっていて、それは植物の生理・生態の基本的な構成要素としての植物分布の主要な差異に関係していると言います。

 

―植物は環境障害から如何守る!-Images Photoesより

一方では、その適応反応は、環境に対する其の植物の生理的、分子的、形態構造的、生物季節的要因に基いて付与されている抵抗性であり、其の構造的な障害低抗性を、微調節するに過ぎないとも言っています。

 以上の話、理解が大変難しく、恐縮ですが纏めると、植物は土に固定されて移動できないのであり、其の生活環を変化させる以外、障害となるストレスから逃れられない。

従って、環境に適応する能力が不可欠であり、個々の環境に適応した、或る形態を選んで表現型形質にすることが出来る柔軟性を、植物は持っていると言う事です。

 しかし、それは一定の範囲の環境変化に対応できるに過ぎず、又、其の反応には様々応答があり、多くの研究があるのですが、余りにも専門的過ぎますので、其の反応型について説明は、此処では割愛させて頂きます。

 それでは山菜の話に戻しますが、其の季節、其の土地の地形等で群生地が様々に異なり、山を知らなければ、山菜取りには危険があり、その上に質的にも量的にも充分な採取が誰でもが簡単に出来ないのが山菜取りであります。採取地の其処には、其の山菜の種類に依って其々異なる地形や環境条件が在る事を知らねばなりません。其の違いの一例を一寸見てみたいと思います。

 

―群生する山菜、「ウワバミソウ」東北地方では「 赤ミズ」と呼ばれるーWebPageより

日本各地の渓流に沿うように自生するイラクサ科の多年生草本の「ウワバミソウ」、東北地方では「 赤ミズ」、「みずな」と呼ばれる、馴染み深い代表的な山菜であります。

 「みず」は方言で、水辺や湿地帯で自生していることに由来するそうですが、茎は柔らかく、アク・クセが少く、茎の部分のみを湯がいてから食用とされるのですが、おひたし、和え物、炒め物、煮物、汁物など、幅広い利用法があって珍重され、最近は需要量も多い事から、人工的な栽培も色々試されていると聞きます。

 その自然の群生地の環境は、正に自然栽培其の物の環境条件を備えていると言う事であり、先のブログで取り上げた自然農法、不耕起、無施肥、無除草、無農薬の大地環境と、如何重なり合っているのか検証して見たいと思います。

 

「 赤ミズ」と呼ばれる独特の姿―WebPageより

其の「ウワバミソウ」の群生地の条件は、全国的に分布していますが、林間の沢沿いや滝のそば等の土壌水分の高い場所であり、間接光しか当たらない、すこし暗めの場所が良く、北向きの傾斜地の谷間などであり、あまり日の当たらない間伐された杉林などは最適と言い、湿気を好みますが、水が停滞すると根腐れしますので、降雨の後水溜りになるような場所は避け、土壌は肥沃で保水力があって、水はけの良い場所が適地と言われています。

 此の事で先ず言えるのは、山菜の「ウワバミソウ」、生育に最適な環境を選んで生える植物であり、其の事は亦、どんな山菜も生育環境からのストレスを最小とする諸条件を選んで生える自然植物であり、贅沢な選択が其処には常あると言う事に成ります。

 

―宿根草だがコブ子と呼ばれるムカゴが秋には付いて種子繁殖もするーWebPageより

前述の植物の持つ環境への適応能力は、環境異変に備えての抵抗力であり、それは、「植物の生理的、分子的、形態構造的、生物季節的要因に基いて付与されている抵抗性であり、其の構造的な障害低抗性を、微調節するに過ぎない」と言う意味であり、植物にとっては其の生育環境が如何に大切か認識を新たにさせられます。

 従って、提唱された「自然農法」の不耕起、無施肥、無除草、無農薬、果たして植物にとって何処までが快適な自然栽培の環境条件なのか、大いに検証すべき課題であります。

 言うなれば、先のブログの結語で申した、土壌-植物-大気の連続系の中で作物は気象の影響を受けながら生長するのであって、其の生態系環境を守る大切さを今更に痛感させられますが、特に問題なのは競合因子となるストレス要因の無除草一般圃場の不耕起栽培でも、最も問題となって居るのが矢張り除草であります。

 最期に不耕起栽培のメリット・デメリット、転載ですが揚げて見ました。参考までにご覧ください。

 

不耕起栽培のメリット

風食・水食による土壌損失の軽減。

• 土壌有機物分解の抑制

• 省力・低コスト化。

• 地耐力が大きく、天候に関わらず適期作業が可能。

• 作物残渣の土壌表面被覆・鳥害の抑制。

• 浸潤性や保水性に優れる。

• 植物残渣の地表面への富化・地力維持

 

不耕起栽培のデメリット

土壌硬度の増大生育不良湿害

• 肥料の利用効率低下(揮散・脱窒)

• 植物残渣による地温低下発芽不揃い病害虫発生

• 除草剤の使用量増加

• 根菜類の栽培困難

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