今回は動物に特有の臭腺である肛門嚢が破れたはなちゃんを紹介します
肛門嚢とは人間にはない動物特有のニオイ袋のことで、肛門の周囲にあり(時計で表すと4時・8時の方向に左右1か所ずつあります)、においがきつい分泌液が溜まっています。
通常は排便時や興奮して力んだ時などに周囲の筋肉が収縮するので、便と一緒に出ているのですが、加齢による筋力の低下や食べ物の影響などによる分泌液の性質の変化(ドロドロの泥状になったり)するとうまく出て行かず溜まってしまうことがあります。
そうなると肛門嚢が腫れあがり、最終的には破けて皮膚に穴が開くことがあり、今回のはなちゃんもその状態でした。
最初はお尻から血が出ているとのことで来院され、尻尾をめくってみるとビックリ!
肛門の斜め下に直径5mm位の穴が開いており、化膿もしていました。
穴の場所から肛門腺の破裂を疑い、洗浄と化膿止めの処置で経過を見ていきました。
↑3日後の様子です。
左側の穴はやや縮小しています。
分かりにくいですが右側の肛門嚢も破れ、出血しています。
↑さらに3日後
両方ともほぼ塞がり、かさぶたが出来ています。
↑1週間後、完治しました。
一度、肛門嚢破裂を起こした仔は再発しやすいため、今後も定期的に
肛門腺絞りを行っていく予定です。
獣医師 小芦