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アポクリン腺癌のみづきちゃん

2014年10月13日 | 診療科目

先日、背中のできものが大きくなってきたと相談に来られたのは、猫のみづきちゃんです。

診察をしてみると、背中に20mmほどの軟らかいしこりがありました。

内部は液体が貯留しており水泡のような良性の病変を疑いましたが、増大傾向にあるとのことでしたので、切除することになりました。

 

↑処置前のみづきちゃん

↑切除前の様子

腫瘤の底部固着は認められず境界も明瞭でしたので、固着した皮膚ごと腫瘤を切除する形で手術を終了しました。

↑摘出した腫瘤に切開を加えた所見

手術の所見から良性病変を疑っていましたが、念のため術後に病理検査も行った所「アポクリン腺癌(住化テクノサービス)という悪性腫瘍でした。

アポクリン腺とはは猫などの被毛動物の汗腺で、アポクリン腺癌とはこのアポクリン腺由来の悪性腫瘍です。ちなみに、アポクリン腺由来の腫瘍は8歳以上のネコに多く発生し、発生のピークは約11歳、その発生部位は頭部(約37%)あるいは四肢(約18%)が多いと報告されています。良性と悪性の比率は3:1と良性が多く発生しますが、高齢になると悪性の 割合が高くなるとのことでした。

幸い低~中悪性度で、マージンも確保されていましたので、再発の可能性は低いとの事でした。(見た目に騙されず、切除後検査を行っておいてよかった)

また、いっときは検診が必要ですが、このまま再発が無いことを願うばかりです。

 

獣医師 佐藤

 

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