
職場での人間関係が希薄になっているという。
仕事以外での付き合いはない、という人が4人に1人。
多いかな、少ないかな。
職場でもプライベートでも、連絡はメール。
会話はチャット。
買い物はオンラインショッピング。
貯蓄はオンラインバンキング。
故郷の祖父母には孫の写真を動画やブログで配信。
近況報告はSNS。
子供の遊びはニンテンドー。
大人の遊びもニンテンドー。
電車に乗れば横1列みごとに携帯とにらめっこ。
最近はセカンドライフで別の次元に分身を作る。
そのうちネットでお葬式までやってしまうに違いない。
希薄になるのも無理はない。
PC、携帯、ゲーム。
大小のディスプレイの四角いフレームを眺める時間を
カウントしてみたら一日どのくらいになるのだろう。
体温を感じられるコミュニケーションがいかに大切で、意味のあることかは、
母子の関係に例えられるような気がする。
目も見えない生まれたての赤ちゃんがママを求めるのは本能ですね。
ネットを通じて離乳食を与えながら育てたとしたらどうなるか。
極端な例えだけど、便利さの裏に潜む寂寥感を感じます。
森林に入ったときの葉っぱや土の匂い。
海に入ったときの水の冷たさ。
ライブで聴くナマの音。
ハグしたときの体温。
そういうものに癒しを求めるのも、また人間の本能ではないかと思う。
物質的にも社会的にも恵まれない時代には、また違った殺伐とした状況
があったかもしれないけれど、弱っているときに助け合おうとするのも
また本能な気がする。
人の優しさにじかに触れると心の琴線が揺れて、優しい気持ちになる。
やっぱり古い人間なのかな。
若い人たちのほうが要領よくその辺のバランスを保ってるかもしれない。
あと10年したら、今のこの状況ですら「あの時代はよかった」とか
思うんだろーか。
強い精神力や思いやりを育てるIT社会であってほしいなと願う。

最近、ロシア旅行が静かなブーム。
入れ子のマトリョーシカ人形は素朴でキュート。