熱帯果樹写真館ブログ

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しまみかん!?

2009年01月09日 | 柑橘類
 2008年11月某日。
 沖縄本島北端に位置する国頭村の某共同売店で珍しい果実を見つけました(写真1,2)。


写真1,2:斑入りの大紅蜜柑(左:果梗部側、右:果頂部側)

 一見してカボチャみたいですが、これは柑橘の果実です。
 共同売店の方に話を伺ったところ、同集落の柑橘農家が栽培する大紅蜜柑の樹に1果だけ結実したそうです。
 つまり、この果実は「斑入りの大紅蜜柑」ということになります。

 「斑入り」とは、「ビジュアル園芸・植物用語辞典」には

 ふつう、均一な同一色になる部分において、2色以上の異なる小部分が存在して模様をつくる現象を斑入り(ふいり)といい、この現象があらわれた植物を斑入り植物と呼んでいます。


 と説明されています。

 斑入りが生じる原因には、

  イ.通常の遺伝による斑入り
  ロ.細胞質遺伝による斑入り
  ハ.周縁キメラによる斑入り
  ニ.ウィルスによる斑入り
  ホ.その他

 がある様です。
 詳しくは、「定吉のホームページ」の「斑入り植物の世界」をご覧下さい。

 この「斑入りの大紅蜜柑」が枝変わり等の突然変異で生じたものであれば、その枝を穂木として増殖が可能なのかな?と楽しみになります。
 そうすれば、シマダイダイ(地球柑)の様な観賞用柑橘になる上に、見た目が素敵な食用の新品種柑橘ができるかもしれません。

参考サイト
・「定吉のホームページ」の「斑入り植物の世界

参考文献
・「ビジュアル 園芸・植物用語辞典」.土橋豊.1999.家の光協会.