吉村山荘のすぐ近くの矢ケ崎川に降りたところには室生犀星文学碑があった。
『かげろふの日記遺文』で「野間文芸賞」を受賞した記念として、犀星が自らが設計して建立したものだという。碑文は詩「切なき思ひぞ知る」。
そういえば、初めて犀星の顔を知ったときは衝撃的だったな。
「ええっ。このおっさんが?」と。(笑)
かたわらには朝鮮風の二体の石像が立っている。
これは、犀星が満州旅行の帰路に釜山で買い求めたものだという。
そして、この下には夫妻の遺骨が分骨されて埋められている。
誰が置いたのかどんぐりが石の上にあった。
まだ軽井沢に雪の降る前、12月上旬の良く晴れた日のことだった。