SOHO@軽井沢

仕事の話はほとんど出てきませんが、軽井沢でSOHO生活してます。

追分コロニー

2009年12月29日 20時52分11秒 | 日常
その町の文化レベルは本屋を見ればわかる、というのが私の持論だ。
かつて鎌倉に毎週のように通って来たころ、それはますます確信を持つようになった。小さくても味わいのある本屋が数件あるし、古本屋も何件かある。やはり作家が多く住んだ鎌倉ならではだなと思ったものだった。
ところが、この自説は軽井沢に来て覆された。軽井沢も多くの文化人がかつて住んでいたし、いまも現役の作家さんが何人か住んでいるはずだ。それなのに本屋は町に1軒しかなく、しかもそのフロアの半分はビデオ屋なのだ。本屋好きとしてはそれが不満だった。
それが2年ほど前に追分に古本屋ができた。
行って見ようと思いながら、ずいぶんと経ってしまったが、観光シーズンも終わった11月の下旬にようやく行くことができた。
いまも古い歴史を感じさせる宿場町の家並みに紛れるようにして建つ古民家風の建物で、店内へは靴を脱いで上がる。
店内は大きな梁をきかせた木造の建物。きれいに整理されているし、清潔感があって静かで落ち着く。軽井沢らしい洒落た感じがいい。
奥には薪ストーブが焚かれ、喫茶コーナーもある。
せっかくなので、ここでコーヒーをいただくことにした。
薪ストーブの暖かさを背中に感じながら、本棚の本を眺め、コーヒーをすする。薪ストーブがあって、本棚いっぱいの本があって、おいしいコーヒーを味わえるなんて、これ以上ない幸せな気持ちになってくる。
そして、棚に並ぶ本は購買欲をそそられるものばかりだった。



買ったのは
・宮本常一/民間暦
・子母澤寛/新選組始末記新選組遺聞新選組物語
・河口慧海/チベット旅行記(一~五)

表紙には丁寧にセロファンがかけられている。そんな細かい配慮もまたうれしい。

そして、川上澄生画のトランプ。川上澄生は棟方志功がこの人の版画を見て、版画家への転向を決意したという人だ。トランプ絵もやってたんだと、思わず買ってしまった。



クラブは日本風、スペードは中国風、ダイヤはアラビア風、ハートは西洋風と描き分けられていて、なかなか面白い。ジョーカーは福助がおじぎをしている。

追分コロニーのおかげで自説を下ろさずに済んだ。すっかり上機嫌になって、こういうことは滅多に言わないのだが「また来ます」とお店の人に言って店をあとにしたのだった。

HP:http://www11.plala.or.jp/colony/


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