SOHO@軽井沢

仕事の話はほとんど出てきませんが、軽井沢でSOHO生活してます。

ル・コルビュジエ展

2008年10月23日 21時25分02秒 | 美術展・博物展


メルシャン軽井沢美術館でやっていた「ル・コルビュジエ 光の遺産展」を見に行った。前にここでやっていた「ウイリアム・モリス」展を見に行ったときには、その展示があまりにしょぼくて、しょせんは観光地の美術館かとがっかりしたことがあって、今度もそうかなと思いながら行ったのだったが、今回の展示はなかなかよくできていた。



コルビュジエは20世紀モダニズム建築の巨匠と呼ばれる建築家で、きのこの形のようなロンシャンの礼拝堂や共同住宅の先駆的建物となったマルセイユのユニテ・ダビシオンやスロープが特徴的なサヴォア邸など数々の建築を造った。日本の国立西洋美術館も彼による設計であるし、彼のもとで働いた日本人や影響を受けた日本の建築家も多い。



東京の美術館で以前、コルビュジエ展を見たことがあったが、そのときは建築関係者向けな玄人好みといった感じの展示だったが、この展示は自分のような素人にもわかりやすい展示になっていて好印象だった。
特にコルビュジエが東欧を旅した時に撮影した写真からは彼の作風の元になったようなものがうかがえたし、直角の詩と題された詩と挿し絵のある詩画集は彼の思想がわかりやすく表現されていて面白かった。(そう。コルビュジエは建築家でありながら絵も描くのだ)
そういえば、軽井沢のル・ヴァン美術館でもコルビュジエの絵を展示していたことがあった。





肩凝ったぁ像(勝手に命名)とミュージアムショップのツタの紅葉。



今年の6月に行ったときの肩凝ったぁ像とツタ。
この像を見るとどうしても指摘したくなる部分があるのだが、せっかくきれいな紅葉の写真でまとめたので、その話は自粛。。。

メルシャン美術館

美しい木の椅子展

2008年09月29日 20時56分57秒 | 美術展・博物展
善光寺の隣り、長野県信濃美術館で開催中の「美しい木の椅子展」。初日の9/20に行ってきた。まだ関係者らしき人たちが名刺交換なんかをあちこちでやっているなか、関係者でも専門家でも何でもないただのやじ馬的面白がり屋である我々は少し肩身の狭い思いをしながら普通に入場料を支払って会場に入った。(でもこの間、軽井沢町の歴史民俗資料館で手に入れたこの展示会のパンフレットが割引券にもなっていて100円引きになった。何をしに歴史民俗資料館に行ったのかはそのうち。。。)


写真は隣接する東山魁夷館。設計は谷口吉生/谷口建築設計研究所。

展示は
第一部 世界の著名デザイナーによる椅子100脚を紹介
第二部 朝日新聞社主催「暮らしの中の木の椅子」展の入選作100脚にすわろう
第三部 「森のくに信州」の椅子を約20脚紹介
第四部 日本のデザイナーによる椅子を約10脚紹介
の4部構成。

このうちの第一部の100脚の椅子を提供したのが織田憲嗣氏。この人、以前、
東京のオペラシティでやっていた「北欧モダン デザイン&クラフト」展で展示されていた椅子のほとんどの出展者として名前が書かれていて、いったいどんな人なんだろうかと思っていたのだが、今回の展示でわかった。東海大の教授で若い頃に椅子の収集に目覚め、いまでは椅子の収集家として知られている人だそうだ。
年代順に並べられ、有名な椅子もあればどうやって座るんだろう?という不思議な椅子もあった。

第二部の入選作の椅子には座れるようになっている。興味を惹きつけられた椅子に座ってみる。外見はオーソドックスな普通の椅子なのだが、ものすごく体にフィットして座り心地のいいものがあった。作者は個人名だったから売ってないんだろうな。売ってくれるならお金を出してもほしいと思ったが。
優秀賞に入選した作品も数点置いてあった。審査の基準は座り心地ではなく見た目だ。これは我が尻によって判明したことだ。

隣接されている東山魁夷館もついでに見ていった。



建物の中庭の池には洲浜が作られていた。つい歩いてみたくなる。



おっとっとマークがかわいい。



展示を見終わり、オープンエアのカフェでひとやすみすることに。



今日の軽井沢は寒いくらいだが、そういえばこの日は暑いくらいだった。

東山魁夷館

発掘された日本列島2007

2007年10月19日 21時59分19秒 | 美術展・博物展
なかなかリアルタイムに記事が書けず、この展示はとっくに終わってしまっているのだが、先月、千曲市にある長野県立歴史館に「発掘された日本列島2007」を見に行った。



毎年、その年の発掘の成果が展示されるもので、全国を巡回する。
いつも行くわけではないが、これまではこの展示は江戸東京博物館で見ていた。巨大な下駄みたいな合体ロボみたいなへんてこな建物だと酷評しながらも、その展示を見たあとは通常展示を見て楽しんでいた。江戸東京博物館の通常展示では江戸や明治以降の日本の生活風景を見ることができて、すごく面白い。

で、今年の「発掘された...」展だが、興味深かったのは弥生時代の神戸の北青木遺跡で浜辺に埋められた状態見つかった銅鐸。

そして、同じく弥生時代の愛媛の朝倉下経田遺跡では剣先を下に向けて地面に突き刺さった状態で銅剣が見つかっている。

埋められた銅剣といえば出雲の荒神谷遺跡を思い出す。以前見に行ったことがあるが、そこには尾根の斜面に358本の銅剣がびっしりと埋められていた。

銅鐸もあえて埋められた状態で発見されているものが多く、どういう意味なのかはっきりした定説はない。

大地というのは草木を芽吹かせ、育てさせる不思議な力があると古代人は思っていただろうと思う。銅剣や銅鐸を地面に埋めることにはその力に授かろうという素朴な思想があったのではないかと思っているのだが、果たして真相は。。。

この長野県立歴史館は森将軍塚古墳のある山の麓に建っていて、この隣には市立森将軍塚古墳館という建物が建っている。

せっかくなので、まずは隣の市立森将軍塚古墳館で予習をしてから森将軍塚古墳まで登ってみよう。



写真でもちょっと見えているが、この山の上に大きな前方後円墳がある。



市立森将軍塚古墳館入り口。
ちょっと前に問題になった中国の遊園地の着ぐるみかと思った。
公立の施設だから許可は取ってあるのだろう。
いや、きっとそうに違いない。

(つづく)

長野県立歴史館

縄文の仮面

2007年09月21日 20時57分17秒 | 美術展・博物展
御代田にある浅間縄文ミュージアムでやっていた特別展「縄文の仮面」を見てきた。この特別展はもう終わってしまっているが、通常展示の方はいまも普通に見られると思う。

この館の通常展示では主に御代田町内で発掘された縄文遺跡の展示が1階に、2階には浅間山の噴火の歴史や浅間山周辺で見られる動植物や昆虫が展示されていて、それを見るだけでも結構楽しめる。

館の入り口には町内の滝沢遺跡を復元したものがある。
縄文時代の住居跡で、炉の廻りには鉄平石が敷いてあった。鉄平石というのは、薄く割りやすい石材で、諏訪地方では江戸時代には屋根を葺くのによく使われていた、というのを藤森照信氏の本で知った。実際、その鉄平石の実物も諏訪の神長官守矢資料館で見たことがある。そのときの話はこちらで

この石は諏訪独特のものかと思っていたが、佐久でも産出するらしい。
そして、それは縄文時代に既に使われていた。

中に入って通常展示を見る。
ストロボを使わなければ、撮影禁止マークのあるもの以外は撮影可とあったので、写真を撮らせてもらった。



縄文早期、縄文中期、弥生時代のそれぞれの遺跡の分布図があった。
これを見ると、縄文時代は関東に近いところに多くの人が住んでいたことがわかる。むしろ関西には何もなかった。その何もなかった関西に、のちに大和朝廷という強大な権力ができるのだから面白い。そして、首都が関東に回帰していくのはどういう因縁なのだろうか。



人面のついた土器。



御代田で出土した土器、勢ぞろい。



新潟方面でよく出土する火焔式土器に似ていると思った。それを少し軟らかくしたような感じだ。場所が近い故だろうか。



そして特別展示の縄文の仮面展。
把っ手上のところにはツチノコ?
後ろにははい上がろうとして、しがみついているのもいる。
これが縄文時代の作品か、と思ってしまうようなモダンさがある。



これは、ピカソ?と言ってしまいそうな仮面。
この形には魔よけなどの必然的な形態があったのかもしれないが、こういうのを見ると、時代が変わって生活のスタイルは変わっても、人は少しも変わってないんだなと思う。
失敗して、反省して、また忘れて同じ間違いを犯し。
その繰り返し。

浅間縄文ミュージアム