THAAD:トランプ大統領が韓国に圧力「配備の費用を払え」
2017年4月29日 8時12分
朝鮮日報
米国のドナルド・トランプ大統領は27日(現地時間)、「韓国に高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備する費用10億ドル(約1115億円)を出すよう通知した(informed)。韓国を守ってやるために搬入するのに、どうして米国がカネを出さなければならないのか」と発言した。また、韓米自由貿易協定(FTA)に関しては「ひどい(horrible)協定。再交渉して終了だろう」と語った。韓米の安全保障・経済同盟の根幹たる在韓米軍の防衛と貿易協定を、同時に揺さぶってきたわけだ。中でもTHAAD配備の費用を韓国に拠出させるのは、韓米が締結した約定書や在韓米軍地位協定(SOFA)にも反するものだ。このため、究極的には来年行われる韓米防衛費分担金交渉などに向けた「取引カード」として活用しようとしているのではないか?という見方も出ている。トランプ大統領が、このような発言内容を実際に行動に移した場合、両国関係に深刻な亀裂をもたらすだけでなく、韓国国内のTHAAD反対の世論や反米感情に再び火を付けかねないという懸念も大きくなる。
トランプ大統領はこの日、就任から100日(4月29日)を前にホワイトハウスでロイター通信のインタビューに応じた際、このような発言を行った。韓国に配備したTHAADの費用に関してトランプ大統領が直接言及するのは、今回が初めて。トランプ大統領は「THAADの費用は韓国が負担するのが適切、と通知した。THAADは韓国を保護するもので、私も韓国を保護することを望む。しかし韓国は費用を支払うべきで、韓国はこれを理解している」と語った。
しかし韓国政府は、この発言について「THAADの装備と運用・維持の費用は米国側が負担すると明示した約定書があり、韓米両国の当局者が昨年3月に署名した。こうした韓米間の合意内容に変わりはない」とコメントした。韓国国防部(省に相当。以下同じ)によると昨年、THAAD配備に関連して立ち上げられた韓米共同実務団は、SOFAの規定に基づき「韓国政府は敷地や基盤施設などを提供し、THAADシステムの展開と運用・維持の費用は米国が負担する」という原則を明示した約定を締結した。国防部の当局者は「ハングルと英文でそれぞれ作成された約定書は、国防部のリュ・ジェスン国防政策室長と在韓米軍司令部のトーマス・ベンダル参謀長が署名した後、軍事機密文書として管理している」と語った。在韓米軍施設・区域の警備や維持に関するSOFA第5条では、韓国が施設・区域を提供し、そのほか米軍の維持費用は米軍が負担することとなっている。また同日、首相室・外交部・国防部はそろって「いかなるチャンネルにおいても、米国側から費用負担を要求する通知は受け取っていない」とコメントした。
韓米FTAに関しても、トランプ大統領はインタビューで「再交渉をしたりして終わらせるべき。韓米FTA5周年がもうじきやってくる。そのころが(再交渉を)始めるのにいい時期だろう」「最近韓国に行ったマイク・ペンス副大統領を通して、このような意向を伝えた」と語った。同じく27日に行われたワシントン・ポスト紙のインタビューでも「韓米FTAはひどい協定で、ヒラリー・クリントンの災厄。われわれは廃棄する」と発言した。トランプ大統領は、就任100日を前に、北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉する方針を明らかにするなど通商圧力を強化している。
2017年4月29日 8時12分
朝鮮日報
米国のドナルド・トランプ大統領は27日(現地時間)、「韓国に高高度防衛ミサイル(THAAD)を配備する費用10億ドル(約1115億円)を出すよう通知した(informed)。韓国を守ってやるために搬入するのに、どうして米国がカネを出さなければならないのか」と発言した。また、韓米自由貿易協定(FTA)に関しては「ひどい(horrible)協定。再交渉して終了だろう」と語った。韓米の安全保障・経済同盟の根幹たる在韓米軍の防衛と貿易協定を、同時に揺さぶってきたわけだ。中でもTHAAD配備の費用を韓国に拠出させるのは、韓米が締結した約定書や在韓米軍地位協定(SOFA)にも反するものだ。このため、究極的には来年行われる韓米防衛費分担金交渉などに向けた「取引カード」として活用しようとしているのではないか?という見方も出ている。トランプ大統領が、このような発言内容を実際に行動に移した場合、両国関係に深刻な亀裂をもたらすだけでなく、韓国国内のTHAAD反対の世論や反米感情に再び火を付けかねないという懸念も大きくなる。
トランプ大統領はこの日、就任から100日(4月29日)を前にホワイトハウスでロイター通信のインタビューに応じた際、このような発言を行った。韓国に配備したTHAADの費用に関してトランプ大統領が直接言及するのは、今回が初めて。トランプ大統領は「THAADの費用は韓国が負担するのが適切、と通知した。THAADは韓国を保護するもので、私も韓国を保護することを望む。しかし韓国は費用を支払うべきで、韓国はこれを理解している」と語った。
しかし韓国政府は、この発言について「THAADの装備と運用・維持の費用は米国側が負担すると明示した約定書があり、韓米両国の当局者が昨年3月に署名した。こうした韓米間の合意内容に変わりはない」とコメントした。韓国国防部(省に相当。以下同じ)によると昨年、THAAD配備に関連して立ち上げられた韓米共同実務団は、SOFAの規定に基づき「韓国政府は敷地や基盤施設などを提供し、THAADシステムの展開と運用・維持の費用は米国が負担する」という原則を明示した約定を締結した。国防部の当局者は「ハングルと英文でそれぞれ作成された約定書は、国防部のリュ・ジェスン国防政策室長と在韓米軍司令部のトーマス・ベンダル参謀長が署名した後、軍事機密文書として管理している」と語った。在韓米軍施設・区域の警備や維持に関するSOFA第5条では、韓国が施設・区域を提供し、そのほか米軍の維持費用は米軍が負担することとなっている。また同日、首相室・外交部・国防部はそろって「いかなるチャンネルにおいても、米国側から費用負担を要求する通知は受け取っていない」とコメントした。
韓米FTAに関しても、トランプ大統領はインタビューで「再交渉をしたりして終わらせるべき。韓米FTA5周年がもうじきやってくる。そのころが(再交渉を)始めるのにいい時期だろう」「最近韓国に行ったマイク・ペンス副大統領を通して、このような意向を伝えた」と語った。同じく27日に行われたワシントン・ポスト紙のインタビューでも「韓米FTAはひどい協定で、ヒラリー・クリントンの災厄。われわれは廃棄する」と発言した。トランプ大統領は、就任100日を前に、北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉する方針を明らかにするなど通商圧力を強化している。