志情(しなさき)の海へ

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宮部みゆき原作映画「模倣犯」をはじめてMysteryチャンネルで観た!

2019-10-20 02:13:39 | 映画

「模倣犯」の題名の意味が最後の土壇場で表に出る。最後まで筋の展開が巧妙でこの原作が21世紀初頭、2001年にベストセラーミステリーだったということはうなずける。2001年の9.11前の作品で、当時全く映画を観ていなかったのだー。宮崎勤連続少女殺害事件(1988年(昭和63年)から翌1989年(平成元年)にかけ、東京都北西部・埼玉県南西部で相次いで発生した、幼女を対象とした一連の連続誘拐殺人事件)や1980年代末期から1990年代中期にかけてオウム真理教が起こした一連の事件をヒントに想像を膨らましたと紹介されていた。その後1997年に兵庫県神戸市須磨区で発生した当時14歳の中学生による連続殺傷事件酒鬼薔薇事件なども「模倣犯」の下敷きになっているようで、つまり現に起こっている社会現象がフィクションの素材で未来の先取りになっている作家の想像力のすごさー。しかし、最後に「模倣犯」とルポライターが外国のミステリー作品を紹介するまでの流れは、21世紀初頭の社会の変化と劇場型の筋書きの展開で、ライブ感覚のテレビ出場者に洗脳されていく社会現象も、風刺しているようだ。実際にありえない知能犯のメディアへの登場は、いかにもありえるように、仕組まれている。

作家の想像力は先取りしてしまう力があるのだ。予見のようなものかもしれない。一方で諸外国の作品をよく読まれているのだろうと推測したくなった。「模倣犯」のことばが、いえオリジナルですと当事者に言わせてしまう構図になっていた。実直に生きる庶民の感性や感覚、忍耐力を対比させて、宮部さんが訴えたかったものは何か、映画は出自・血ではなく環境だと、愛情に包まれて育ってほしいと、赤子を知能犯の息子として登場させていた。一捻りあった。サスペンスの面白さと希望なのかもしれない。

ミステリーは犯罪者と犠牲者双方の人生、関係性、社会の諸相が抉られていく。なぜか?偶然と必然性の綾が浮かび上がってくる。因果関係が彫り下げられる。

しかし17年前の映像である。テレビ画像など、技術の進化の早さを意識させられる。9・11で驚いたあの日からすでにやがて20年になるのだ。進化している物と人の生活があるのだろうが、現況は無機質な美しい都市化とITや新しい文明の利器の前で、新たな物語の登場を絶えず求めている。ゆえに、醜悪な場面も含め、どこか既視感("déjà-vu"よりデジャヴュ)があり、実際外国映画で、あるいはYouTubのリアルストリーなどで観た映像や物語が重なっていくところがある。

宮部みゆきを意識したのは、介護生活の中で、テレビをつけっ放しにしている病人との付き合いの中で彼女の作品が映像化されていて、時代劇を始めて観たことが切っ掛けだった。直木賞を受賞している作家の作品を一度もきちんと読んだことはないが、その前にドラマが眼に飛びこんできた。「本所深川ふしぎ草紙」「おそろし 三島屋変調百物語事始」などのドラマを観た。また上川隆也さん主演の「火車」もあった。

ドラマ「火車」の中身を忘れていた。上川さんが主人公だということもー。「ミステリーで今日宮部みゆきの作品があるよ」の一言で夜11時から約2時間、テレビを観たのだ。教えてくれた本人は途中から寝入っていた。面白くなかったのかもしれないし、今日新しい詩集の最終校正のために印刷会社行った疲れがあったからなのかもしれない。ぎりぎりの所で闘っている姿がある。いずれにしても、どこか既視感が起こったミステリーだった。

模倣犯 (小説)宮部みゆき

発行日2001年3月21日/小学館/サスペンス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より一部転載:

模倣犯』(もほうはん)は、宮部みゆきによる長編小説2001年11月、第55回毎日出版文化賞特別賞受賞。2002年芸術選奨文部科学大臣賞文学部門受賞。

「天才」を自称する犯罪者の暴走を描いたサスペンス作品で、犯罪被害者・加害者双方の視点から一つの事件を描写する事によって、エリートを僭称し、完全犯罪を企てたつもりになっている犯罪者の愚かさと幼稚さ、それとは対照的な位置に生きる人々がのぞかせる優しさや器量の大きさを、そして犯罪被害者や加害者の家族が直面する地獄をリアルに再現している。

1995年11月から1999年10月まで『週刊ポスト』に連載され、その後加筆改稿を経て、2001年3月21日小学館から単行本(上下巻)が刊行された。のち新潮文庫版(全5巻)が2005年12月から2006年1月にかけて刊行された。3部構成となっている。2002年映画化され、2016年テレビドラマ化される。

映画:模倣犯Copycat Killer:ウィキピディアから一部引用!https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A1%E5%80%A3%E7%8A%AF_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)

監督:森田芳光

脚本:森田芳光/音楽 大島ミチル/撮影 北信康/編集田中慎二/公開2002年6月8日/東宝/上映時間123分/興行収入16億円

出演者:中居正広/山崎努/伊東美咲/木村佳乃/寺脇康文/津田寛治


2002年
6月8日東宝系にて公開された。第57回毎日映画コンクール日本映画ファン賞受賞。また、栗橋浩美を演じた津田寛治が、第45回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞した。観客動員数100万人以上を記録するヒット作となった。

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