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旅の回顧録5 全然意外的中国

2005年09月03日 | 海外(パッカー篇)


 ラオス北部から中国の雲南省に入ると、これまで大手を振って歩いていたファランの姿をとんと見なくなる。たまに見かけたとしてもはぐれた子羊のように大人しいではないか。それもそのはず、中国の田舎では英語が全く通じないのだ。

 ファラン御用達のガイドブック『ロンリープラネット』には
「中国で困ったら日本人を見つけろ。彼らは漢字を理解し少しの英語を話す」
とまで書いてあるそうな。確かに便所の入り口でまごまごしているファランを見れば納得できる。「男」と「女」の表記ではどちらに入っていいかわからないよな。その上、ニーハオトイレ(後述)ときた日には・・・うーむ、気の毒でならない。

 当たり前のことだけど漢字が読める強みはでかい。発音が通じなくても臆することはない。我々には更に楽しい筆談がある!美人料理人と食事しながら筆談し、書かれた「你好(ニーハオ)」を「あなたが好き(你=あなた)」と勘違いして舞い上がるのもご愛嬌だろう(馬鹿)

 ガイドブックを持たずに入った予定外の中国は、よき友人たちにも恵まれてなんの心配もなく自由に旅することができた。



・・・・・・・・・・・・・・・・・旅Data・・・・・・・・・・・・・・・・・
○滞在日数・・・36日
○訪れた観光地(都市)
 ・景洪、大理、麗江、成都、重慶、三峡、武漢、武昌、桂林、昆明、元陽
○観光名所BEST5
 1.麗江(リージャン)…風情ある町並みと涼しい気候は最高の避暑地
 2.元陽(ユエンヤン)…曲線美が広がる棚田と少数民族の村を訪ねたトレッキング
 3.成都(チェンドゥ)…三国志の聖地「武候祠」訪問は永年の夢
 4.三峡(サンシャ)…三峡巡りもやはり三国志がお約束
 5.大理(ダーリ)…蒼山山脈のふもとにある情緒ある古城。涼やかな避暑地
○宿泊費平均 約634円
○水の値段(500ml) 1.5元(約45円)
○うまいものBEST5
 1.紅焼獅子斗(ホンシャオシーズーパオ)…カリカリ肉団子の醤油餡かけ
 2.鍋巴肉片(ゴーバーローピェン)…餡かけおこげ
 3.洋芋鶏鍋…ウコッケイとジャガイモのピリ辛鍋
 4.麻婆豆腐…元祖陳麻婆豆腐店で四川の辛さを堪能
 5.西紅柿炒蛋(シーホンシーチャオタン)…トマトと卵炒め。一番食べたかも
○交通
 ・寝台列車…上座・中座・下座の三段ベッド。下段が一番広く値段も高い
 ・寝台バス…後ろの乗客の足の臭さに快適度が左右されるデンジャラスな乗り物
 ・市バス…料金は1~2元のものが多く、冷房も効いており快適
 ・タクシー…メーター制の明朗会計。運転手を守る鉄格子が物騒
 都会の道路には車道と歩道の間に原付と自転車専用の道路があり、所狭しと自転車が行き交う。電動原付に加えて自転車も電動のモノが意外に多い。自動車優先が当たり前の道路では、例え青信号で横断していても自動車は容赦なく歩道に突っ込み、決して止まってくれず、歩行者が必死に避ける。日本の感覚で歩くと危険。
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中国良いところ
①激安で美味い油ギッシュな中華料理
②お湯がどこにでもあるのでお茶っぱと水筒があれば水が要らない
③社交的に煙草を勧める紳士的な所作
④旅人に親切な雲南の人たち
⑤原付のほとんどが電動で静か(だが、静かすぎて後ろから轢かれそうになる)

ダメダメ
①場所を選ばすタンとゴミを撒き散らす
②想像を凌駕したニーハオトイレと水洗便所でもブツを流さない
③列に並ばない自己中心的な人民が多い
④態度が横柄な殿様商売の飯屋
⑤史跡の保存の仕方がズサンで観光料金が異常に高い


●穏やかな雲南省は少数民族の宝庫
 首都北京から2000kmも離れた雲南省は少数民族のるつぼ。20以上の民族が混ざり合って暮らしているせいか、旅人であっても気持ちよく受け入れてくれる。中国初日のモンラーで「ご飯一緒にどう?」と同じテーブルに誘ってくれた女性料理人。寝台列車で小説を広げれば興味津々で「俺にも見せろ」と食いついてくるおっさん。大理・麗江・昆明・元陽で出会う人たちのボーダレスな優しさは忘れがたいものだ。そして、個性的な衣装をまとった少数民族の人々。顔に刻まれた豊かな表情は、物質的な豊かさよりも倹しくとも豊かなこころの大切さを教えられた気がする。


◆写真:少数民族の女の子達◆


●発展する中国の光と影
 急速な経済発展を続ける中国。成都や重慶などの都市部では林立する巨大なビルやデパートがその勢いを物語っていた。その一方で電力不足から照明を落とし、エスカレータを停止させている店、客よりも多い店員が監視するガラガラの超市(スーパーマーケット)など、ちぐはぐな印象も抱く。今、中国は空前の国内旅行ブームであり、また2008年の北京オリンピックに向けて猛烈にインフラ整備を推し進めているようだが、街の雰囲気を見る限り、かなり無理をしているように感じた。都会と田舎で広がる経済格差は近い将来深刻な問題として影を落とすのではないか?雲南省の将来がちょっと心配。


●悪夢のニーハオトイレと人民のマナー
 ニーハオトイレ、日本語に変換すればこんにちわ便所。北京オリンピックに向けてインフラ整備が進められているので絶滅の危機に瀕している便所。用を足しながら隣の人と挨拶もできる衝撃的な社交場は、薄暗いトイレの中にはしきりも何もなく、ただひとつ糞尿を落とす溝があるばかり。ここへズボンを下ろしてしゃがみ大きいのをやる。小はしゃがんでいる人の横で済ます。

 一度、鼻が曲がるような匂いの中で仲良く横にしゃがんで雑談している人たちに出会ったが、用を足そうとすると二人そろってこちらを見やる。彼らの目線の高さで堂々と用など足せるわけがなく撤退。この他の水洗トイレでも作品を流さず展示してあったりと、中国の便所事情は最悪極まった。人民には羞恥心というものがないのだろうか?


●中国の食べ物
 タイやベトナムの料理もうまいが中華料理と大きく異なるのは油の使い方。大量の油で素早く調理する中華はまさしく炎の料理。熱々料理は安くて実に美味かった。大衆料理屋にはほとんど菜単(メニュー)が置いておらず、客が直接陳列された野菜や冷蔵庫の中身を確認し料理人に注文しなければならないので、入国当初は「炒飯」「麻婆豆腐」「回鍋肉」ばかり食べていた(笑)その後は美味しかった料理名を控え、注文。トマトと卵の炒め物「西紅柿炒蛋」は発音もばっちり覚えていたので頼みやすく一番食べた料理。


◆写真:中国のメシ◆
上段 染醤面、洋芋鶏鍋
下段 麻婆豆腐、炒飯・西紅柿炒蛋
中央 元陽の四川餐館・皆で食事

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