Blog満賊亭

少欲知足をモットーに日々の満足を追求していくブログ

悔悟、されど介護

2013年06月09日 | 雑記
老健に入所中の祖母を見舞う。

ここ最近、めきりと食欲がなくなり急に手足のむくみがひどい。
なんとかならないものかと両親とともに手足をさすっていたところ、入所者のお婆さまがふらりと登場。

おしゃべりがとても大好きな方で、1年ほど前まではしっかりとされていたが、今では認知症が進んでしまったらしい。
自分のバックのことや服装のこと、健康面のことなどを返答の期待ができぬ利用者さんに話しかけている姿をよく目にする。

この日はこちらの臨時昨日訓練姿が気になったようで、ふらりとこちらにやってきた。

認知症が進みながらも、包帯を巻いた祖母の手を見て
「どうかしたのかね?」
気づかう言葉が嬉しい。

こちらも手をさすりながら、この日はおばば様との会話を楽しむ。
ときどき、話はあやしくなるが、
「家族にこんなにしてもらって、あんたは幸せモンだょぅ」
祖母になげかける言葉は温かい。

この様子を見たケアワーカーが慌てて近付いてきて、
「すみませんね。さぁさぁおばあちゃん、あちらにいきましょう」
おばば様を遠ざけようとした。

「あら?そう?」
介護士の誘導に素直に従う。

去り際に
「あんたたちはえらいねぇ」
「こうして見舞いに来てくれる、それだけでありがたいのだよ」
「・・・ひとはね、お金じゃないよ。人物なのだよ」
認知症のおばば様と思って接していた我々は思わずハッ・・・となる。

考えても見よう。
大人であれば当たり前の『会話すること』をさえぎられてしまうのだ。
外にも出ることはおろか、あれもこれもしてはいけないと制止される。

(・・・なぜなの?)
こころの不満は少なからずあると思う。
それを表に出さず、自分をだましだまし暮らしていくうちにいつのまにか子供にかえってしまうのだろうか。

あれほど可愛がってくれた祖母。
食事を完全に拒否してしまうため、1時間以上根気良くスプーンで介助しても1/4すら摂取できない。

以前、ケアワーカーが介助する我らに平然とカテーテルチップを勧めてきたことがあり、当時はかなり憤慨したのたが、今は「ごめんね」と使わざるをえない状況が悲しくて仕方が無い。
自らは言葉を発しなくなった祖母ではあるが、せめてこころのうちは穏やかであってほしいと思う。

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