Blog満賊亭

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本棚にある幸せ

2011年11月20日 | 池波グルメ
タイトルに書いたのは

「鬼平料理 池波」の女将の言葉。

「池波正太郎の本は愛おしくて捨てられないのよね・・・」

うむ。確かに。


数年たって読み返してみると、加齢とともに見る視点が変わってくるし、何より本の中身の鮮度が損なわれていないことに驚く。

先日、本棚の断捨離を行ったばかりだけど、池波本がクローゼットの奥にしまいこんでいたのを思い出し、再び最前列に配置してみた。


うーん入りきらないや。しかし結構読んだなぁ。その数、168冊。

うち、130冊近くは1996年に読んでしまった。読み始めたのが作者が亡くなった命日にあたる5月3日。その年は7ヶ月で130冊近く読みふけったことになるから、傾倒っぷりがよくわかる。

それまでは、作品を一度も読んだことないくせに、池波正太郎作品を含めた時代小説というジャンルを頑なに嫌っていた。

それが、作者の命日をニュースで紹介していたのを本屋で思い出し、追悼の意をこめてとったのが「鬼平犯科帳」

一度手にしたらもういけない。

一冊だけ買ったのだけど、その日のうちに本屋へ三度行き、三冊、五冊と買い込んだのを良く覚えている。

三度目の、閉店間際に飛び込んだ際、普段無愛想で無口な本屋のオヤジが

(・・・にやり)

薄ら笑いを浮かべていたと思う。

池波正太郎にはまった最大の魅力は作品の面白さもさることながら、場面場面で作者が平蔵などに言わせるセリフのひとつひとつにある。

若かりし頃特有の苦悩に振り回されていた自分に、これらセリフはどれも腑に落ちる言葉ばかりで、ものごとは解決しなくても、上手にこころに落ち着かせる方法を教えてくれたことにある。

ここ数年は仕事のこと、メンタル的なことについて実用書ばかり読んでいたが、ここらで新たな発見を見出すべく、再び読み返してみるとする。

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