貧乏な椅子 高橋順子

貧乏好きな男と結婚してしまった
わたしも貧乏が似合う女なのだろう
働くのをいとう男と女ではないのだが
というよりは　それゆえに
「貧乏」のほうもわたしどもを好いたのであろう
わたしは木の椅子にぼんやり坐って
待っている
貧乏退散を待っていないわけではないのだけれど
何かいいことを待っているわけではない

　　我が家も貧乏神がいるようでと言ったら夫が
　　何を隠そうそれは俺だと、それは薄々わかっては
　　いたけれど、いまさら言われても・・・・・

千鳥ケ淵へ行きましたか 石川逸子

「軍人軍属のみならず戦闘に参加した一般人のものも含まれており
いずれも氏名の判明しないものであります」
名がなければ
一枚の赤紙で狩られることもなかったろう
名があったから
父を失い弟妹を養う長男でも
田の草をとりかけていても　フランス語を学びはじめていても
容赦なく　兵にされたのだ

　靖国神社も千鳥ケ淵も行ったことがありません。
　心情的には千鳥ケ淵へお参りしたいです。

うずまき猫のみつけかた 村上春樹

「このピ－タ－はすごくしっかりした猫で、僕が大学の休みで
帰省している間は野良猫として、そのへんでなんとか自活して
生きていて、僕が帰ってくるとちゃんとまたうちの飼い猫になった。
そういう生活を僕らは何年にもわたって続けていたわけである」
　猫の写真がいっぱい　こういう本を読むと　猫もカラスも人も
　のんびり暮せばいいさという気分になります。
　うずまき猫はまだみつかりませんが・・・んちゃ、んちゃ。　
　　ジャマイカでは全島が　んちゃ、んちゃ。という感じだそうで・・・