Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

凧という命

2015年05月09日 | 浜松・静岡
 浜松まつりの間、一度だけ友人たちと凧場を見学に行く。ちょうど風が出てきて上がり始めたころで、次の予定のために後ろ髪をひかれるような思いでバスに乗らねばならなかったのが少々残念だった。それでもたくさんの凧が空を泳ぐ風景をしばし目にすることができた。ただ、今年はそんな凧を去年のように能天気に眺めることができなかった。
 浜松まつりのことを調べているゼミの学生が、こんなことを教えてくれた。
「初凧のひもが切れるとその子供は早死にするとか、水の中に落ちたらその子はいつか溺死するとか信じられていたんです。」
 まるで凧は、初子の魂そのものであり、その子の家族は、凧をあげる人々にその命を預けているわけではないか!
 今、そんなことを本気で信じている人がどれだけいるかわからないし、もちろん揚げている人々だってそんなことすら知らないだろう。知ったところで「迷信」と一笑にふされるかもしれない。
 しかし凧場にいくと、なぜ人々があれだけ真剣に凧をあげ、そして紐の切れた凧を、大の大人たちが、何かに憑りつかれたように、もうすごい形相で全速力で凧を追うのかわかった気がする。「なぜか」を知らなくとも行為そのものは今に伝承されている。いや、待てよ。もしかしたら、「かれら」は、そんなことはとっくに知っているのかもしれないのだ。ただ絶対に口に出さないだけかもしれぬ。

2015年05月08日 | 浜松・静岡
 今回、浜松まつりを見て思ったこと。「旗」をどのように掲げるかという点である。どのグループも地元の旗印なるものがある。ただそれを持って歩くグループもあれば、大きく振り続けるグループもある。たまに振って、疲れると自分の体のようにだらりと垂れる旗もある。
 西南戦争の時、乃木稀助は、薩摩軍に旗を取られてしまったという。旗は戦いにおいても「軍」であることの象徴のようなものだった。「錦の御旗」がたったとき、幕府軍は動揺したらしい。応援団にとっても旗は重要だ。腰のベルトに載せた旗は絶対に下げてはならず、ましては地面に旗が触れるようなことがあれば、昔の応援団だったら先輩に「ぶん殴られて」いただろう。
 浜松まつりの旗、グループを象徴するものの一つ。私の住む地域のグループでは、行進の時、ラッパが演奏されている時 、旗手は常に旗を左右に大きく振り続ける。きっと疲労困憊なのだろう。でもそれをおくびにも出さずただ振り続ける。左右に泳ぐようにはためくその姿は、まさに芸術的でもある。ぼくは今回、そんな旗にみとれてしまった。それが自分の住む町の旗であることに、少し胸を張れた。祭りの衣装を着ない私は、ある意味、部外者なわけだが、それで心の中では一緒に万歳三唱をしているつもりである。

 

さて美味しいお酒でしょうか?

2015年05月04日 | 家・わたくしごと
 本日、わが家では、一座のメンバーに加え、S教授を迎え、浜松まつり恒例の大宴会が催される。そこで初お目見えが、この純米酒である。
 な、なんと、英君。「えいくん」と読む。すばらしいネーミングだ。これをひでくんと読めば、まるで僕のために作られた日本酒である。ちなみに、このお酒は静岡県清水市で作られている。芳君、雅君、俊君などは残念ながら存在していないようだ(完全なうちわネタ)。
 ということで、明日、友人たちに「英君」が振舞われる。さて美味しい酒だろうか?
 

祭り初日、最高潮です!

2015年05月03日 | 浜松・静岡
 3日、22時現在の浜松有楽街が、とんでもない音量のラッパと太鼓が鳴り響き、拡声器から檄が飛び、本日の祭りは最高潮に達してます。田町自治会の練りは、本日2件目。ここは初子ではなくお店の御接待です。街中の自治会なのでこうした店の接待が必ず数件あるのです。
 これから鏡割り。自分の部屋から拡声器を通して声はすべて聞こえます。すごいことになってます。でも窓を閉める気にはなりません。まさにたった三日間だけのサウンドスケープです。
 よくわかりませんが、拡声器のお兄さんと同様に大声で、おめでとうございますと叫びたい衝動にかられます。

浜松まつり始まる!~一日目

2015年05月03日 | 浜松・静岡


 夕方から街中で練りが始まる。今年は合同練りがなくなり、御殿屋台(山車)とともにラッパ隊が来て、ラッパ隊はゲリラ的にあちこちで練っている気がする。複数の地域が合同で練っているところもあれば、一つだけのところもある。やはり歓楽街周辺で練るグループが多い。観光案内所で聞いてみたら、「どこで練るかは決まってないですけど、音がするからわかりますよ」と言われてしまう。まあ、確かにその通りだ。
 合同練りは、やはり各地の人々にとってはかなり大きな負担である。午前中早くに凧場に出かけて、初凧をあげて、へとへとになった状態で街中で合同練り、そして自分の地域に戻って初子祝いでラッパ。考えてみれば過酷である。合同練りはあくまでも観光イベントなわけで、浜松市も「観光」で押し切ることができなくなったのではないか?都市型の祭礼化が進行しつつあるが、あくまでも地域の儀礼なのだから。


 

龍山へバイクでツーリング

2015年05月03日 | 浜松・静岡


 浜松まつりの一日目は晴天。祭りに参加する地域の人々は朝早くから、凧場へ出かけているので、夕方から始まるイベントの準備は進められてはいるものの、街中は何ごともない。遠州浜の凧場はすごいことになっているんだろう。
 今日は凧場とは逆の北に向かってバイクでツーリング。10月にオルガンのコンサートを予定している天竜区龍山町に出発。実は浜松の街中から1時間もバイクに乗れば、驚くことなかれ、限界集落の地域が広がっている。天竜川沿いに、かつては鉱山で栄えたところだが1969年に閉鉱になってから、みるみるうちに人口が減少していった。今では林業が主要産業なのだろうか?この町には実は300人収容できて、パイプオルガンをもつ龍山森林文化会館がある。


私の愛車、黒カブです。原付ではないので二人乗り可。でも高速走行不可。

 一度、車で連れていってもらったのだが、やはり自分で周辺も含めて確認してみたいと思いがあった。チラシに使う写真が撮影できるかもしれない。しかし、それは口実でなにはともあれ、ツーリングである。1時間で山の中を走れるのだからツーリングには最高だ。
 普段は写真は1枚なのだが、今日は連休の大サービスということで、4枚掲載である。天竜川もこのあたりにくるとダムだらけだ。木々の若葉鮮やかな黄緑と川の深い青緑が対照的にとても美しい光景だ。市町村合併でここも浜松市。もちろん、浜松まつりも凧揚げともきっと無関係なのだろう。


バイクで裏道に入ったとき遭遇


この橋、むちゃくちゃ揺れます。強風時は渡れません。



今年も浜松まつりが始まります

2015年05月03日 | 浜松・静岡
 5月の連休がやってまいりました。そうです。今年も浜松まつりが始まります。
 昨日は前日の2日、土曜日ということもあり、だいたいどこの会所も出陣式のようで、住まいのすぐ近くの池町の御殿屋台もお披露目で、子どもたちを中心としてお囃子がにぎやかでした。夜になると、周辺の街ごとのラッパの行列がすごいことになっていて、なんだかまだ始まっていないのに、祭りの夜のようでした。
 明日は天気がいまいちのようなので、晴天にめぐまれた今日のうちに初子の凧を上げるのかもしれませんね。朝早くから、田町や池町の凧揚げ部隊は意気揚々と出発していきました。さすがに朝6時過ぎには、ラッパは吹いていませんでしたが。
 私はこの三日、友人たちとまつりを堪能します。
 

僕はネコに嫌われるタイプです

2015年05月02日 | 家・わたくしごと
 なんでなんだろう。僕はネコに嫌われるタイプなのだ。ネコばかりじゃない。子どもにも泣かれるのである。やっぱり、何かを寄せ付けないようなオーラを身体全体から放っているんだろうか?
 沖縄の住まいの近くの家には、狂ったように吠える犬が二匹、ぼんやり何かを眺めるネコ多数が生息している。どうせ逃げられるだろうと思って、屋根の上で偵察中のネコに接近。いつも吠えまくる犬が不在のようだ。「シーン」。ネコは、そんなことはどうでもいい、というクールな顔でぼくに目も合わさない。いわゆる無視である。
 こんな風にトタン屋根の上で偵察できるのも、もうあとわずかだ。あの夏の太陽をいっぱい吸い込んだこの屋根の上になんか乗っていられるものか。沖縄の夏の到来まで秒読みが始まっている。鮮やかな緑の木々は、あの太陽を恋い焦がれるように待っているのだ。

魔法の音楽隊 COINN が浜松にやってくる!

2015年05月01日 | 浜松・静岡


 大人から子どもまで楽しめるバンド COINNが浜松の鴨江アートセンターに今年もやってきます。「オトナを子どもに、コドモを若者にしてしまう魔法の音楽隊」。それにしても、これ、秀逸なコピーです。まず、オトナをカタカタ、子どもを漢字とひらがな混じりにし、次にはコドモをカタカナにし、最後はオトナではなく、「若者」とするところがいい。もうこのコピーを読んだだけでも行きたくなるはず。
 このコンサートのプロデューサーは、私が教える静岡文化芸術大学の文化政策学部芸術文化学科の卒業生です。室内楽演奏会のプロジェクトに積極的に加わり、コンサートの運営をしていました。今は音楽とは無関係な職種に就職してしていますが、故郷の浜松で毎年、自主的にこうしたコンサートを作っています。
 「卒業したら、もうできないから」という言葉をよく耳にします。そうかな、本当にそうなのかな。もちろんやりたいことはすべてはできません。でもそのうちの一つ、二つだけなら、その気さえあれば続けていくことはできるかもしれないのです。この卒業生の仕事も楽な仕事とは到底思えません。夜勤の帰り、フラフラになりながら無理に笑顔を作って研究室にやってくる彼を見ると、少し勇気をもらいます。
 COINNの演奏はyoutubeで見ることができます。小さいお子さまから、「オトナ」までが楽しめるコンサートです。小学生以下は入場禁止、なんてこのコンサートに限ってはありえません。是非、みなさまいらしてください。
 詳細は写真をご覧ください。