Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

元気にしているの?

2012年10月02日 | 那覇、沖縄

 「P、そっちで元気にしているの?あなたがこの住まいからいなくなって、もう何ヶ月たったかしらね。Pは昔から、ちっとも可愛がってくれなかったけれど、でも私のこと、気にかけてくれてたのよね。あなたは猫にも(人にも)、素直になれないのだわ。で、どうなの?元気?」
 「元気にしてるよ。でもあいかわらずバタバタさ。今日は夜、静岡で仕事でね、新幹線ってすごく速い電車で浜松と静岡を往復したんだぜ。ミーは電車なんて知らないだろう?沖縄、電車ないもの。乗せてやりたいな。それにしてもどうしてミーの写真、こんなに小さいんだい。いくらお前がちっちゃいからって、写真まで小さくすることないのにさ。」
 「Pのブログに載せてって頼んだだけよ。そうしたらこんな小さくなっちゃっただけなの。」
 「そうそう。今度さ。「バンバン!ケンバン♪はままつ」ってイベントの大正琴のシンポジウムに出るんだよ。知ってるだろ?毎日、ブログに書いてるからさ。ミーのお気に入りのC君にブログの話、たまに聞かせてもらっているんだよね。今日さ。夜、静岡の仕事で最初に流れた音楽が「栗コーダーカルテット」だったんだよ。このグループ、今度、バンケンに出演するんです。みんな来てくださいって、大声で言いたかったんだ。でも言えなかった。相変わらずだよね。ささやくように心の中で呟いただけ…。」
 「浜松に行っても、Pは変わってないのね。勇気がないっていうか、気が弱いっていうか、良くいえば、おしとやかっていうか……。でもね、働く場所が変わっても、住む場所が変わっても、そう簡単に変われやしないのよ。でも変わらなくたっていい。このままずっと同じだっていい。Pができることをやればいいの。そうしたら、きっと誰かがやさしく微笑んでくれるはずだわ。私にはわかるのよ。ぼんやりだけど…。」


浜松市楽器博物館で「板」の音楽を楽しもう~バンバン!ケンバン♪はままつ

2012年10月01日 | バンバン!ケンバン♪はままつ

 「けんばんがっき」を漢字で書きなさい、という問題が出た場合、いうまでもなく「鍵盤楽器」とするのが正しいのだろう。「鍵盤」は、keyboardの訳語なので、keyには「鍵」、boardには「盤」という字を充てたと思う。きっと明治時代に入ってからだろうが、ぼくはその辺のいきさつも歴史も知らない。boardを英和辞典で調べれば、訳語には「板」も「盤」も両方あることに気が付く。確かにピアノの鍵盤は「板」というには厚すぎるし、幅が狭すぎたのかもしれない。そう考えると消去法で「板」ではなく「盤」になったのか?
 しかし、今回、浜松行われるイベントは、「バンバン!鍵盤♪」ではない。あえて「ケンバン」とカタカナ表記である。バンバンをカタカナにしたから、ついでに「ケンバン」もカタカナにしたとは到底思えない(その逆と考えるのが常識的な捉え方である)。カタカナの「ケンバン」はそんな、薄っぺらな表記ではないはずだ。
 目を皿のようにして、今回のバンケン♪(省略形を使用)のプログラムを見てみると、あることに気が付く。それは浜松市が誇る浜松市楽器博物館で行われる音楽イベントのほとんどは、いわゆる「鍵盤音楽」にイメージできる楽器が使用されていないことだ。タイの木琴、インドネシアのジェゴッグや金属製ガムラン、どれをとっても木琴、竹琴、青銅琴をたたく打楽器だが、これを「鍵盤」と書いて違和感はないだろうか?あるいはそう言われてみると違和感はないだろうか?
 一般に鍵盤楽器といわれるものは、細長く、ある程度厚みのある「鍵盤」を押したり、打つことにより、空気が押し出されたり、弦を叩いたり、はじいたりすることで、空気振動が生じて音が出る。電気的に増幅させることもあるだろう。鍵盤は空気振動を作り出すための装置であり、「打つ」「押す」行為により、装置が作動して、空気振動を生み出すのである。しかし、木琴、竹琴、青銅琴はそれを「叩く」ことで、その「琴」そのものが振動して音を出す。厚みも薄い。いわゆるザックス=ホルンボステルの楽器分類法で使用される「体鳴楽器」なのである。日本では「琴」と書くその形態は「板」である。木琴だって、鉄琴だって、発音体は「鍵板」なのだ。
   「鍵板楽器」という表現は今だ専門家の間でしか使用されない。しかし、木琴もピアノもすべて「鍵盤楽器」と言ってしまうのはいささか乱暴な気がしてならない。そう考えてみると「バンバン!ケンバン♪はままつ」の「ケンバン」は、どちらの意味を含むからこそ、カタカナなのだと私は思う。だからこそ、今回のイベントでは、浜松市楽器博物館において「盤」ではなく、さまざまな「板」の音楽を楽しむことができるのだ。「盤」も「板」も両方楽しめるイベント、これが今回の「バンケン♪」のユニークな側面である。 

 浜松市楽器博物館で行われるイベント: 10月20日(土)、10月21日(日) 
  浜松市楽器博物館には、通常料金(大人400円、高校生200円)がかかります。ただし、1日フリー券と引き換えるリストバンドをしている方は、それを提示すると入場できます。
  
 料金などは次の公式ホームページをご覧ください。 http://ban-ken.jp/


 
Pのブログ中の「バンバン!ケンバン!はままつ」紹介 
 http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/4d532792747f130248197e5948eee151
 Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」の出演団体 :ロバの音楽座
 http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/9353b532faf88c24497bf2961df8bda5 
 Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」の出演団体 :ヒカシュー
http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/3feb67e2c68ac2e4b6bfb641a1fdb6f9 
 Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」のイベント:(鍵盤楽器の伴奏付)サイレント映画上演とトーク
http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/89619a6bdfea0a60146ed2c5ec7d9407 
 Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」のイベント:シンポジウム「大正琴の文化史」
http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/6fcca44a5b15da361c9191b38955b023
 Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」の出演団体 :栗コーダーカルテット
http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/3c982540f272b5806de0871a7890a786
Pのブログで紹介した「バンバン!ケンバン♪はままつ」紹介:略語「バンケン♪」について
http://blog.goo.ne.jp/nangtalung/e/c716e0304be0c72ecb5716418bbbbe33