知らない土地に行くと、当然のように食べたことのないものに挑戦したくなるものだ。ふらりと入ったお店。Ayam Geprekと書いてあり、テイクアウトの人もたくさんいる。これはかなり期待できそうだ。Ayamは鳥なので、Geprekとは何か聞くと、いったん揚げた鳥の肉を細かくちぎって、そこに独特の味つけをするという。また鳥の部位も選べるので、いちばん油の少ない部分の肉を頼んだ。久しぶりに冷たく甘い、アボガドジュースも一緒に注文した。
出てきた料理がこれ。あまり驚くこともなく、「へえ、美味しそうじゃない!」と肉とご飯を口の中にほおばったとたん、「イエーイ!」と叫びたくなるくらいの「辛さ」が口の中に充満した。この辛さは「本格的唐辛子」の辛さで、もう全部たべると腸が崩壊する味付けである。これはまいった。マカッサルの辛さは独特だと聞いてはいたが、これはもう限界を超えている。しかし「旨い」のである。結局、「辛い」、「旨い」、「甘い(ジュース)」三角形食べをひたすら繰り返したのだった。とはいっても、最終的に名物の肉は半分しか食べられなかった。
汗だくでフーフーいいながら、食べ終わって冷静になり周りの声に耳を傾けてみると、ちゃんとこんな注文が聞こえてきた。
「唐辛子はちょっとでいいからね」
なるほど。初めから辛いと言ってくれればいいものを。お金を払うときに「言ってくれればよかったのに」と店のお姉さんに呟いたら、こう言われた。「外国人とは思わなかったの」と。とほほ。喜んでいいものか?ちなみに翌日の朝、私のお腹は予想通りピーピーだった。
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