先月、品川駅の階段を上りながら、「しらふ」の友人が突然、「Number Nine, Number Nine」と繰り返し言い始めた。どんな話の流れでこの言葉が出てきたのかは全く記憶にないが、一緒にいた30代の女性は、「あの人、またワケのわからないことを言い始めた」と思ったに違いない。しかしNumber Nineと繰り返し言われると、私のようなオジサンは、ビートルズの1968年発売の2枚組のアルバム「The BEATLES」(通称:ホワイトアルバム)の2枚目B面の「あの曲」を反射的に思い出してしまう。
このビートルズの《Revolution 9》は、ロックのアルバムに入った「現代音楽」で、さまざまな音源を加工し、それらをコラージュしたもので、いわゆるテープ音楽といっていいのだろう。もともとビートルズはライブ活動をとっくにやめていたが、スタジオの機械を駆使して作られる究極の音楽である。私の周りのビートルズ好きは、この曲を好んで聴くタイプと、あるいは絶対に2枚目B面の最後から2曲目のこの曲が流れ始めると針を上げてしまうために、この曲のあとの《Good Night》を知らないタイプの2通りに分類できた。
私は・・・というと、格好良く「筋金入り」のビートルズファンをきどって、「前者です」といいたいところであるが、実際のところは後者である。《Good Night》を知ったのはLPを購入してからだいぶたった頃で、しかもラジオで知ったくらいである。
ポピュラー音楽論の授業で私はこのビートルズの画期的な実験的作品を流すことにしている。そしてこんな風に締めくくるのである。
「ホワイトアルバムのこの曲を聴かなくちゃビートルズは語れません。皆さん!」
先生なんてこんなものである。
このビートルズの《Revolution 9》は、ロックのアルバムに入った「現代音楽」で、さまざまな音源を加工し、それらをコラージュしたもので、いわゆるテープ音楽といっていいのだろう。もともとビートルズはライブ活動をとっくにやめていたが、スタジオの機械を駆使して作られる究極の音楽である。私の周りのビートルズ好きは、この曲を好んで聴くタイプと、あるいは絶対に2枚目B面の最後から2曲目のこの曲が流れ始めると針を上げてしまうために、この曲のあとの《Good Night》を知らないタイプの2通りに分類できた。
私は・・・というと、格好良く「筋金入り」のビートルズファンをきどって、「前者です」といいたいところであるが、実際のところは後者である。《Good Night》を知ったのはLPを購入してからだいぶたった頃で、しかもラジオで知ったくらいである。
ポピュラー音楽論の授業で私はこのビートルズの画期的な実験的作品を流すことにしている。そしてこんな風に締めくくるのである。
「ホワイトアルバムのこの曲を聴かなくちゃビートルズは語れません。皆さん!」
先生なんてこんなものである。