昨日のブログに書いたように、なぜ研究室に4年以上も置かれた人形(「彼」)が突然にも私の夢に出てきたのか? 大学に出勤してすぐに、ぼくは久しぶりに「彼」と向かい合った。考えてもみれば、「彼」は、2005年にプラハから、この沖縄の一室にやってきて以来、たった一度も外出をしたことがないことに気が付いた。「そうか、彼はすっかりここの生活に飽きちゃったんだ」
私は、彼を連れ出して散歩に行こうと決めた。身長は80センチくらいの結構大きな人形。なんだか犬の散歩にいくような気分である。ぶらりと支柱にぶら下がった「彼」は、なんだかその体ばかりでなく、心も躍っているようだ。
クローバーの広がる大学の中庭に彼と二人で立った。梅雨の合間の太陽がのぞく。「彼」は陽を全身にあびて満足そうだ。「ぼくも帽子をかぶってくればよかった」と後悔する。そんなところにある先生が通りかかった。
「何をしているんですか?」
「人形の散歩をしているんです。」ぼくは、真面目に答えた。だって本当のことだもの。なんだかそんな私の答えに驚いたらしく、先生は笑みを浮かべて校舎に入っていった。部屋に戻って私は「彼」を指定席に戻してこう話しかけた。
「満足したかい? もう夢になんか出てこないでくれよ。」
私は、彼を連れ出して散歩に行こうと決めた。身長は80センチくらいの結構大きな人形。なんだか犬の散歩にいくような気分である。ぶらりと支柱にぶら下がった「彼」は、なんだかその体ばかりでなく、心も躍っているようだ。
クローバーの広がる大学の中庭に彼と二人で立った。梅雨の合間の太陽がのぞく。「彼」は陽を全身にあびて満足そうだ。「ぼくも帽子をかぶってくればよかった」と後悔する。そんなところにある先生が通りかかった。
「何をしているんですか?」
「人形の散歩をしているんです。」ぼくは、真面目に答えた。だって本当のことだもの。なんだかそんな私の答えに驚いたらしく、先生は笑みを浮かべて校舎に入っていった。部屋に戻って私は「彼」を指定席に戻してこう話しかけた。
「満足したかい? もう夢になんか出てこないでくれよ。」