430MHz帯用BPFが作りたくてインターネット図書館で色々調査しています。昔のCQ誌などでよく見かけたキャビティー型やトラフ型のBPFの製作記事や設計方法に関する文献が少なくて残念です。代わりに、マイクロストリップラインを使ったBPF等の設計に関する文献が多く、今頃流行りの5G携帯電話用と思われる4GHz帯のものなどを沢山見つけることができました。
4GHzに近い2.4GHz帯や5GHz帯などにもアマチュアバンドがありますが、今の処、興味がありません。今製作したいのは430MHz帯ですが、設計手法は参考になります。
高周波関連部品メーカであるMarkiのサイトでBPFを設計することができます。LCフィルターの他、マイクロストリップラインでBPFを設計できるので、それを利用して432MHz±10MHzを通過帯域とするBPFを設計してみました。
図のように3つのマイクロストリップラインで構成されています。94.79mmという長さは、432MHzのλ/4に相当するものなのでしょう。この長さは使用するPCBの誘電率や厚さに左右されます。3本のマイクロストリップラインの内の両端のものは図中下端で、真ん中のものは図中上端で裏面(GND)にショートし、それぞれショートスタブとして動作します。(図中左側のDimensions Legend参照)
マイクロストリップライン相互の間隔は、マイクロストリップライン間を結合するキャパシターの値となります。入力端と出力端の引き出し口(上図でtの長さ)はインピーダンスに影響を与えるものと考えられます。マイクロストリップラインの幅が2.778㎜というのは、このPCBにおける特性インピーダンスが50Ωになる長さです。
Markiの設計サイトでは、残念ながら、LCフィルターの場合にはS11, S21の周波数特性を確認することができるのですが、マイクロストリップラインの場合には、それができません。どっちみち、机上で確認するだけでは面白味が少ないので、実際に作って、周波数特性を確認することにしました。
例によって、PCBと銅テープでちゃっちゃと試作しました。銅テープの幅や間隔などは手作業なので精密さを欠いていますが、本当にそれらしい特性になるのかどうかに興味があります。
VNAuhfを用いてS11, S21の周波数特性を測定した結果を以下に示します。
作りが雑だったためなのか、インピーダンスマッチングが今一つなので、実用には堪えませんが、S21のスカート特性は中々のものです。
ちゃんとアートワークしてエッチング処理すれば、もっとまともな特性が得られそうです。
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