周波数ドリフト問題で悩まされているIC-9700のVCXOを入手しました。i-useにメールを書いてお願いしたところ、快く分けて頂けました。単価は300円でしたが、2個手配して送料と代引き手数料を含めて約2000円でした。
部品を手にして、初めて何処の部品メーカのものなのか分かりました。インターネットで見つけたIC-9700のサービスマニュアルには、CR-1080と記述されているだけです。これでググってもそれらしい部品はヒットしませんでしたが、補修出庫票にプリントされていたDSA221SDNでググってみると、大真空の製品であることが分かったので、カタログをダウンロードしました。それによると、次のような仕様であることが分かりました。
寸法 1.6x2.0mm t0.7mm 4ピン
Vcc 1.8~3.3V
出力電圧 0.8Vpp(min) クリップドサイン波
温度特性 ±1ppm、±2.5ppm max(-30~85℃)
出力負荷 10kΩ//10pF
制御感度 ±3~5ppm Vcont=1.4V±1V
温度特性が±1ppm、±2.5ppm max(-30~85℃)なのに、IC-9700の仕様では周波数安定度が±0.5ppm以内(-10~60℃)となっています。VCXO(大真空のカタログにはVC-TCXOと書かれている)の実力値は、±0.5ppm以下ということなのでしょうか?
現在、DF9NPのPLLボードで生成した49.152MHzをインジェクションボードに加える実験をしていますが、VCXOを使って周波数ドリフトの小さい基準クロックを自作する道も検討しています。
VcontにDACの出力を使うとして、DACの出力変化範囲が0~3.3Vならば、2/3.3=60%なので、10ビットなら約600カウントです。10ppmを600で割ると1カウントあたりの周波数偏移が求められて、17ppbとなります。これは、1200MHzでは約20Hzに相当します。12ビットDACなら約5Hz になるので、VCXOを制御するには12ビット程度のDACが妥当でしょう。
10MHzなどの標準周波数を基準にしてフィードバックをかけなくても、ポテンショメータ(多回転トリマ)で校正するだけでも良いかも知れません。なにしろ、IC-9700の周波数ドリフトの原因は内部の温度変動によるものなので、VCXOを外部に設置するだけでも改善できると考えられるからです。VC-TCXOは、温度補償付き(TC)のVCXOなのですから・・・