院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

シャッター通り

2011-05-15 21:03:14 | Weblog
 シャッター通りが広がっている。東京、名古屋、大阪は別格として、ほとんどの地方都市に同じ現象が起きているのではあるまいか?県庁の所在地でありながら、岐阜市なんて目も当てられない。

 ひとつには、地方都市は自動車がないと生活しづらい。私が住む豊橋市でも、車がないと買い物もできない。逆に言うと車さえあれば、別に繁華街でなくても良いということになる。

 繁華街がしぼんで、郊外型のショッピングが盛んになったのは車なら行けて、荷物も車で持ち運べるからである。こうして「ドーナツ化現象」が起きた。なぜ、そうなったのかというと、大規模店舗法が廃止されたからである。

 大規模店舗法があったころは、買い物は中心部の商店街と決まっており、一定面積以上の店舗は規制されていた。この法律は、既存の商店街を保護するもので、企業努力もせずに立地だけで商売していると、商店街が批判されることもあった。

 大規模店舗法という法律で守られてきた駅前商店街だから、その法律がなくなれば、衰退するのは目に見えていた。だから、いまごろ「シャッター通り」を悔やんで、昔を懐かしんでも遅い。

 大規模店舗法が廃止されたわけは、もうひとつあるのだが(むしろ、それが決定的要因なのだが)、意外に知られていないので言っておこう。それは、アメリカの圧力である。日米貿易摩擦が起こったころ、アメリカは牛肉やオレンジを日本が輸入せよと迫ってきた。

 そのとき、同時に大規模店舗法を廃止して、アメリカの商業施設が日本に参入しやすいようにせよ、と圧力をかけてきたのである。結果、牛肉、オレンジは自由化され、大規模店舗法が廃止されたけれども、結果はみなさんご存じのとおりである。

 牛肉、オレンジで、農家は最初のうちだけ困ったけれども、すぐに困らなくなった。大規模店舗法の廃止でアメリカの小売業が大挙して日本市場に参入したという話は聞かない。詰まるところ、シャッター通りはアメリカが造らせたようなものである。

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