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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

「うつ」と「うつ病」

2007-07-29 10:28:12 | Weblog
 うつ病はれっきとした学術病名である。それに対して、うつは病名ではない。

 うつは症状名である。だから原因はいろいろである。うつは例えば腹痛のようなものだ。腹痛は胃炎でも盲腸でも風邪でも起こる。だから腹痛は病名ではない。

 うつは、失恋しても、大事な人が死んでも起こる。だれでも不幸に見舞われると、うつになる。でも、それはうつ病ではない。

 うつ病は、症状名と病名が似ているので、しばしば単なるうつと混同される。

 うつ病は確かにうつになる。でも、うつになるのがすべてうつ病とは限らない。今のところ、うつ病は脳内神経伝達物質の異常とされている。この伝達物質に作用する薬を服用すると、うつ病は改善する。

 しかし、失恋によるうつは薬が効かない。「お医者さまでも草津の湯でも、恋の病は治しゃせぬ」というのは、けだし箴言である。

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